日本財団 図書館


プログラム第1日目
10月10日(木)
会場:国立京都国際会館 1階 ルームB−1
 
分科会7 時間15:00〜17:30
英語プログラム(同時通訳あり)
 
テーマ:
精神障害者の人権
趣旨:
世界各地での精神障害者が置かれている環境は、文化的・社会的背景が異なるため大きく違います。この分科会では、法律と人権の観点から精神障害者を取り巻く各国の状況やその問題点を探ります。
 
報告者
  
イラ・バーニム
  
(国際精神障害者権利擁護機関 MDRI アメリカ)
報告者
 
アミタ・ダンダ
 
(国立法学研究アカデミー インド)
座長
 
池原 毅和
 
(財団法人 全国精神障害者家族会連合会理事 弁護士 東京都)
 
プログラム第1日目
10月10日(木)
会場:国立京都国際会館 2階 ルームC−1
 
分科会8 時間15:00〜18:00
英語プログラム(同時通訳あり)
 
Workshop No.8
Topic: Care, rehabilitation and employment
 
Chair.
Margaret Leggatt
Speakers
Prof.. Christopher Amenson, UCLA
Yoshihiro Matsushima. L.C.S.W - family education
Bea Dixon, Ph.D. Kitsap Mental Health Services, Washington, U.S.A. - rehabilitation/employment
 
プログラム第1日目
10月10日(木)
会場:国立京都国際会館 2階 ルームK
分科会9 時間15:00〜18:00
英語プログラム(通訳なし)
 
Workshop No.9
Topic: Family Psychoeducation
Speakers
Ishita Sanyal (India)
Dr. Dale Johnson (US)
Prof. Susie Kim - psychoeducation
Topic: Current Medications
Speakers
Dr. Sean Flynn, University of British Columbia, Canada
 
プログラム第1日目
10月10日(木)
会場:国立京都国際会館 1階 大会議場
基礎講座 時間15:00〜17:30
 
テーマ:
わかりやすい最新精神科医療
講師:
(1)原田 誠一
(国立精神・神経センター武蔵病院 診療部長)
 
 
「幻覚妄想体験への新しい精神療法のご紹介」
 
(2)三野 善央
(大阪府立大学社会福祉学部精神保健学 教授)
 
 
「レッスン・とうごうしっちょう症」
司会者:
(1)林 拓二
(京都大学大学院医学研究科精神医学教室 教授)
 
(2)河瀬 雅紀
(京都府精神保健福祉総合センター 所長)
趣旨:
幻覚妄想体験は、本人には辛く恐ろしく、周囲からはなかなか理解してもらえないものです。この体験から回復していくための新しい精神療法について研究の第一人者である原田先生にわかりやすく説明してもらいます。
また、ぜんかれん誌でおなじみの三野先生に、統合失調症の症状や治療法、家族の対応方法などについてわかりやすく解説していただきます。
 
基礎講座1 わかりやすい最新精神科医療
幻覚妄想体験への新しい精神療法のご紹介
原田 誠一(国立精神・神経センター 武蔵病院 外来部長)
 
 近年、国の内外で統合失調症(精神分裂病)の治療における認知療法の役割が注目されています。統合失調症の治療に認知療法を導入するメリットとして次の諸点が期待されていることが、その理由と思われます。
 
1. 認知療法を用いた「病態や治療に関するわかりやすい情報提供」によって、治療導入(インフォームド・コンセント:説明と同意)をスムーズにすすめられます。
2. 治療や対処に関する情報を提供することで、本人が適切な受診行動をとり、有効な対処法を身につけるのを援助できます。
3. 本人が幻覚妄想体験に関する知識を身につけることで、体験の受け止め方が変化し、幻聴にある謎めいた未知性が減り悪影響が減ります。
4. 認知療法を利用することで、「病識を育てる」「再発しにくい状態を作る」「再発しても早く回復できるように援助する」なども期待できます。
5. 「治療者の個性、経験、技量」に規定される面の少ない診療活動の実現に役立ちます。
 
 これらは、従来の統合失調症の治療にみられた課題・問題点に対する新しい視点からのチャレンジであり、統合失調症の認知療法への期待が高まっている所以と言えましょう。
 演者は、1990年代から独自に幻覚妄想体験への認知療法を試作してきましたので、発表で概要を紹介させていただきます。
 さらに、「統合失調症のリハビリテション」において認知療法が果たす役割を、「幻覚妄想体験により変更を受けたスキーマへのアプローチ」という観点から説明します。
 
基礎講座2 わかりやすい最新精神科医療
家族教室はなぜ必要か?
レッスン・とうごうしっちょう症
三野善央(大阪府立大学社会福祉学部精神保健学教授)
 
1. なぜ家族教室か?
 いま多くの保健所や病院でとうごうしっちょう症(統合失調症)患者の家族のための家族教室が行われています。すばらしいことが始まっているのです。
 わたしは、現在「ぜんかれん」誌で「レッスン・とうごうしっちょう症」を連載しています。そこで、家族教室で家族のみなさんに伝えたい内容を書き続けています。わたしが直接会って、お話をできないご家族に、わたしの家族教室の内容を伝えたのです。
 それではなぜ家族教室はこれほど重要視されるのでしょうか?そしてなぜ多くの家族が家族教室に参加するのでしょうか?それは、家族教室が家族にとって役に立つからです。
 
2. 統合失調症患者とともにすごすために
 まず、ご家族のひとりが統合失調症を患っている場合に、ともに生活していくためにはいくつかの秘訣があります。それは以下の3つです。
1. 統合失調症や心の病のことを十分に知ること
2. 家族が心も体も健康であること
3. 家族が自分自身の生き方をすること、家族が人生を楽しむこと
 このうちどれが欠けてもいけません。この3つを兼ね備えることが必要なのです。ご自分の健康を犠牲にしても子供の幸せを実現したいとお考えになる方もいらっしゃいますが、やはり親は健康な方が良いのです。そして幸せな方が良いのです。それは患者さんが自分の生き方のモデルとして、ご両親を考えることができるからです。
 
3. 統合失調症を知るメリット
 統合失調症の患者さんと生きる知恵の最初にあげたことです。これは家族教室に参加することによって得ることができます。それでは、家族が統合失調症を知ることにはどんなメリットがあるのでしょう。それは以下の3つです。
1. 家族自身が楽になれます
2. 統合失調症患者との生活での対処が上手になります
3. 患者自身の状態が良くなります
 当たり前のことですが、家族の一員が病気になったときに、その病気を知ることは安心につながります。しかし、私たちの怠慢から、最近まで統合失調症のことをわかりやすく家族に説明することはありませんでした。そこで、できるだけわかりやすく統合失調症を説明することを始めました。それが「レッスン・とうごうしっちょう症」です。そして、統合失調症を知ることで、対処が上手になり、その結果、患者さんもいい状態になっていきます。
 
4. 統合失調症をとりまく精神保健福祉サービスのあり方
 わが国の統合失調症を取り巻く精神医療の特徴は、精神病院入院主義ということにつきます。このことと関連しますが、分裂病者が地域で生活するための社会資源の乏しさ、精神病院における精神障害者にたいする人権侵害などが国際的に強い批判を浴びています。こうした反省を踏まえて1987年に精神衛生法が精神保健法に改正され、統合失調症者の地域ケアへの流れが始まりました。しかしながら現在でも34万人の人が精神病院への入院を余儀なくされ、精神病院における処遇は施設症をもたらしている可能性が大きいことが分かっています。精神保健法施行以降、精神障害者生活訓練施設、授産施設、福祉ホーム、福祉工場、地域生活支援センターやグループホームなどが法的に規定されていますが、簡単に言うと、3つのことが実現されたなら統合失調症者の地域ケアが実現すると思われます。
 第1には薬物療法、家族教室、ホームヘルプサービスなどの福祉サービスを提供するケアマネジメントが充実することです。第2には生活の場、居住の場です。そして第3には昼間の活動の場、あるいは仕事です。メニューとしては至極簡単なことですから、わたしたちに力があればすぐに実現できると思います。残念なことですがこうしたサービスはいまだきわめて不十分です。
 こうした状況の中で、家族が分裂病者をケアする上での大きな負担、健康上問題、とりわけ心理的に追いつめられた状況にあることが分かっています。
 こうした問題を解決することも大きな意味での家族教室の目標です。
 
5. 家族のエンパワーメント
 こうしたことを実現するのはなかなか困難だと思っているご家族も多いでしょう。しかし、それは間違いです。当事者と家族が力を合わせれば、それは本当に大きな力になります。統合失調症患者はおよそ100万人くらいいるといわれています。たとえば、その父母を合わせると300万人になります。こ兄弟や、他の病気による精神障害者と家族を合わせるとすぐに1000万人を越えるでしょう。この数だけを考えてもそれはパワーなのです。
 
懇親会
 京都大会の第1日目の10月10日(木)に国立京都国際会館のイベントホールにて懇親会を開催いたします。宝ヶ池に映える中秋の名月を愛で、宝ヶ池プリンスホテルのシェフが腕によりをかけた自慢の料理を心ゆくまでお楽しみ下さい。
 今大会は、第5回WFSAD世界大会と併催となっていますので、世界各地から多くの家族が集います。アトラクションには、お国自慢・郷土自慢をテーマに全国の家族、当事者、関係者の皆様から出演者を募集し、各地の郷土芸能をご披露いただきます。
 地元京都からは、バンド「さまさま」が、沖縄民謡を三線のリズムに乗せて皆様をお迎えいたします・・・おこしやす、京へ。
 
「お国自慢・郷土自慢の宝ヶ池ジャパン・フェスティバル」
全国の仲間と語り合い
世界の家族と交流の輪を広げましょう!
2002年10月10日(木)午後6時30分開宴
参加料 お一人様8,000円
 
<バンド「さまさま」のプロフィール>
 「さまさま」は、インドネシア語で「お互い様」「一緒に」の意味があります。平成7年より作業所活動として、沖縄民謡を中心とした音楽を始めました。
 三線・三板・胡弓・ギター・キーボード・タブラ・ジャン・・・皆さんご一緒に音楽を楽しみましょう。京都を中心に、各地で公演。今までの活動の主なものは、全国精神障害者地域生活支援協議会横浜大会の懇親会、淡路島精神保健福祉大会など。また、毎年、沖縄民謡コンサートも企画しています。







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