日本財団 図書館


プログラム第1日目
10月10日(木)
会場:国立京都国際会館 2階 ルームC−2
分科会3 時間15:00〜17:30
 
テーマ:
地域で暮らす
趣旨:
地域の暮らしは人それぞれ。苦労や悩みはいろいろありますが、地域の特性を活用しながら様々な取り組みが行われるようになってきています。当事者が希望する暮らしを実現するため、報告者の提案をもとに、みんなで知恵を出し合い、新たな道を切り開いていきましょう。
 
報告者
  
鈴木 淳子
  
(医療法人 高木神経科医院 デイケアおいけ チーフ 京都府)
 
 
 
 
「デイケアの可能性を考える」
報告者
 
西澤 心
 
(社会福祉法人 まいづる福祉会「ワークショップほのぼの屋」施設長 京都府)
 
 
 
 
「舞鶴からの発信」
報告者
 
梅垣 衛
 
(CAFE RESTAURANT ほのぼの屋 フロア主任 京都府)
 
 
 
 
「レストランで働いて」
指定討論者
 
田原 明夫
 
(京都大学医療技術短期大学部 教授)
座長
 
三品 桂子
 
(花園大学社会福祉学部 専任講師 京都府)
 
分科会3 地域で暮らす
デイケアの可能性を考える
鈴木 淳子(医療法人 高木神経科医院 デイケアおいけ チーフ 京都府)
 
 デイケアの壁一面に大きな手作りの紙が貼ってあります。「デイケアおいけは精神科リハビリ施設です」ということばに始まり、精神病になる前、なってから、治療を受けるようになって、受けていても、利用して、楽になったこと、利用してもしんどいこと、など利用者の思いを凝縮したことばで表しています。そして、デイケアの目的や日々の活動の様子と、どんな思いで暮しているかをも示しています。
 これは、今年の1月に行なわれた中京精神保健ネットワークの集まりで、私たちのデイケアを地域の人に紹介し理解してもらうために作成したものです。数ヶ月かけて何度も何度も話し合うなかで、しんどくなったり本音のことばに躊躇したりしながら、利用者一人一人が「デイケアとは」ということを考える機会になりました。また、今まで以上に、デイケアのこと自分たちのことを、地域で理解してもらえたという手ごたえを感じました。
 先日、あらためて利用者一人一人に「デイケアに何を期待するのか、どんな気持で過ごしているのか」と尋ねてみたところ、仕事ができれば一番いいかな、体力がいるな、貴重なより所、ここしかない居場所、癒しの場、皆と喋れる所、人づきあいの場、仲間づくり、社会的孤立からのふれあいの場、などの声がありました。
 デイケアおいけは、大規模で定員28人のプログラムを中心とした週5日開設の精神科デイケアです。医師・看護婦・作業療法士・PSWの職種がチーム医療をめざし、看護婦は受入れを、作業療法士はプログラムの運営を、PSWは外部とのパイプ役を担いながらプログラムに参画しています。しかし、年数が経ち、活動が拡がれば拡がるほど、プログラムという共通基盤での協同作業が少なくなってきます。
 また、デイケアに毎日通うことができ、デイケア内では余裕をもって楽しんでうまく過ごせている人でも、一歩、外の施設を利用することになると、行く前に体調を崩したり、行ってからすぐしんどくなったりします。ある人は、アルバイトの話を具体的にし始めると眠れなくなったり、社会適応訓練事業の事業所見学にコチコチに緊張したり、グループホームの見学だけで自活に自信をなくします。だからといって、ずっとデイケアで過ごしたいと思っているわけではありません。
 開設4年が経過したこの時期に、これらの問題を受けて、あらためてデイケアのできること、できないことを考え、デイケアの限界(=可能性)について考察してみたいと思います。
 
レストランで働いて
梅垣 衛(CAFE RESTAURANT ほのぼの屋 フロア主任 京都府)
当日報告とさせていただきます。
舞鶴からの発信
西澤 心(社会福祉法人 まいづる福祉会「ワークショップほのぼの屋」施設長 京都府)
 
●1977年 まいづる共同作業所開設
・精神障害者10名スタッフ3名でスタート
・その後知的障害者も加わり混合利用に
・以降、精神障害者が利用できる福祉施設は舞鶴では唯一無認可の共同作業所のみ
●メンバー達の希望をもとに
 自治会でのアンケート
 やってみたい仕事の7割が「お店やさん」
 ※「お店やさん」はメンバー達にとっての身近な仕事?
●第2まいづる共同作業所(現:小規模授産/ブックハウスほのぼの屋)の開設
 共同作業所のステップアップ、一般就労
 工賃保障 月3万円〜8万円
・工務店の下請け
・市のリサイクル工場
・草刈り、清掃
・新聞配達、集金
・古本屋の経営
●古本屋を通じて
(1)工賃保障
 ・地域生活支援で一番必要なものは?
 ・ゆとりの中で暮らしが変わる
(2)あたりまえの地域交流
 ・あたりまえのコミュニケーション
(3)相談・訪問の増加
 ・土日、夜8時までの営業
 ・誰でも入りやすい「店舗」は障害者も、家族も入りやすい
●バリアフリーって何?
●わたしたちはバリアフリー・ノーマライゼーションを唱えながら、施設の内にバリアを築き、アブノーマルな施設をつくっていたのではないか
●精神障害者社会復帰施設の実現に向けて
●障害者福祉連続フォーラム 2000年〜01年
 全5回+1回
・多彩な講師(厚生省、弁護士、JD、国立精神神経センター)
・メンバー達が発信をはじめる
  病気のこと、薬のこと、入院のこと、共同作業所のこと、グループホームのこと、仕事のこと、ねがい、夢etc
●フォーラムが引き金となり施設建設GO!
・「精神障害者授産施設」「精神障害者地域生活支援センター」
・施設づくりは箱づくりでない
・施設内でレストランごっこをするのではなく、本格的にまじめにレストランをつくろう
・誰もが入れるバリアフリーの施設
・建設資金づくり〜心を寄せていただく・関心を寄せていただく
●厳しい施設運営、2施設で年間800万円の自己資金
・舞鶴市より年間380万円の単費補助予算決定
●CAFE RESTAURANTほのぼの屋(「ワークショップほのぼの屋」の授産事業)
●4月26日 オープン 10:00〜21:00 水曜・第1・3火曜定休
●メンバー16名がローテーション
・厨房、フロアー、クリーンネス様々な仕事
・現在時給700円
●連日満席
・4月26日グランドオープンより今日まで、ディナー予約は常に1ヶ月先まで満席状態
・ランチは1時間待ち
・ウエディング、パーティ、コンサートも
●誇りを持って働ける場へ
●精神障害者地域生活支援センターほのぼの屋
(1)相談事業
(2)生活支援事業
グループホーム
ホームヘルプサービス
(3)地域交流活動事業
(4)デイプログラム事業
 
●今後の展望
●生活支援
・住まいの確保
●就労支援
・給料保障
・仕事おこし
・一般就労
●地域の活性化〜仕事おこしとリンクさせて
・情報発信
●セルフヘルプ
・ヘルパー資格取得
・ピアカウンセリング
・セルフヘルプグループ







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