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分科会1 余暇と社会活動を豊かに
SA/スキゾフレニックス
アノニマス 浦河の活動報告
早坂潔(社会福祉法人浦河べてるの家 常務理事 北海道)
 
1 SAについて 〜浦河SAの歩み
(1)SAは一人の仲間の声から始まった
(2)発足に向けての準備
2 仲間同士の支援が必要な理由 〜活動を通して感じたもの
3 (資料)USA(浦河スキゾフレニックスアノニマス)の8つのステップ
1)私は、認めます。
 私には、仲間や家族、さらには専門家の力が必要なことを認めます。私一人では回復できません。―ひとりでは生きていくことができないということを認めます。それによって助けを得ることができます。もはや、私はひとりではなく、孤独ではありません。―
2)私は、信じます。
 今や、私は信じるようになりました。自分自身の中にある偉大な内なる力(パワー)が備えられていて、この力(パワー)を用いて自分自身と仲間を助けようとしていることを・・・。
3)私は、受け容れます。
 私は、様々な不快な症状、時には望まない行為によって、自分自身の感情を表現せざるを得なかったことを受け容れます。そして、私は、深い自分自身の感情に気付き、仲間と語り合い、分かり合うことの大切さと可能性を信じるようになりました。
4)私は、選びます。
 私は、回復を望み、幸せになろうとしています。私は、そのような自分の選択に対して、十分な責任を持ちたいと思っています。そして、それが生きがいのある毎日を過ごすために、とても大切な選択であるということが、心の底からわかっています。
5)私は、許します。
 私は、今までしてきた自分の過ちを許し、弱さを受け容れます。同時に、私は、私を今まで様々な方法で、傷つけたり害してきたあらゆる人々を許します。そして、私自身をそれらのとらわれから解放します。
6)私は、理解します。
 今や、私は誤った考えや自分をくじけさせる考えが、私の失敗、恐れ、不幸を起こしてきたことを理解します。そして、私は、今までの生き方のパターンを根本的に変える準備が出来ています。これによって、私の人生は変わるでしょう。
7)私は、決心します。
 私は、私を超えた偉大な力(パワー)に自分の人生を委ねる決心をしました。今までの自分をありのままに委ねます。そして、私は、私自身が深いところで変えられることを願います。
8)私は、伝えます。
 私は、精神障害という有用な体験を通じて学んだ生き方を、メッセージとして仲間や家族、そして社会に伝えていきたいと思っています。
 
作業所づくりから市民活動へ
小島 康
  
(新潟市精神障害者団体連合会〈ロード〉役員 精神保健福祉を考えるにいがた温もりの会 会長)
(1)セルフヘルプグループ「ロード」の発足
 平成8年12月の巻
 『集まれ仲間たち』と呼びかけたきっかけは新潟市が障害者・高齢者福祉の拠点とする施設を建設するという計画が具体化してくる平成8年3月でした。当時、憩いの家に週1回通っていたメンバーの中でグループが形成されつつありました。勝手に「あんたが代表、副代表、おれ幹事」と名乗り、3人のメンバーが中心になって要望書を市に提出することからはじまり、行政にしっかり自分たちの考えを述べる団体を12月に発足させました。30名程の会員でしたが現在は80人になっています。会報の発行、ロード祭、講演会の開催、市への要望、作業所の運営が主な活動です。
 会ができると、講演依頼がくるようになり自分たちのことを正直に発表してきました。私にとって、同じ病いに苦しむ仲間との出会いは、一般世間のいう友だちと、ちょっと違う、もっと深いところでのつながりがあるように思います。
(2)作業所「ワークショップロード」の開設
 平成10年7月の巻
 ロードの発足した翌年の9月「自分たちの作業所をつくろう」と考え、平成10年10月10日開設をめざし、あてもない宣言をしました。その翌月「ぜんかれん」誌に、たまたま助成金の広告が載っていました。早速申請。私たちの夢に200万円のその助成金がつき、町の中に8坪の貸事務所から出発することができました。10月10日は、まさに開設記念日になりました。翌年の4月から市・県からの補助金がでるようになり、今年の4月から念願のロードの仲間の中から施設長が生まれました。そして5月からは、大学の看護学科の学生の研修の場としても利用されています。これらの活動が評価され昨年3月、県弁護士会より「人権賞」をいただきました。
(3)市民活動「にいがた温もりの会」の誕生
 平成13年9月の巻
 家族会と当事者とかの謂ゆる「関係者」だけでの活動では根深い社会の偏見の壁は崩せない、これからは私たちも一市民という立場でより多くの一般市民をまきこむ活動をしなければと考えるようになってきたのが平成12年頃からでした。引き金になったのは、地域生活支援センターを早期につくることを市に強くはたらきかけることが急務であったことがあげられます。
 平成13年の5月から本格的に準備会は動きはじめ、新潟日報(地元紙)も好意的に市民活動参加を促す報道をしてくれました。6月に起きた池田小事件をとりあげ、7月にシンポジウムを開き9月30日に発足しました。月、一回の運営委員会を中心に県・市との交渉など着実にこの一年歩んできたと思います。幅広い活動を展開していく上で、NPO法人の取得も視野に入れ活動しています。
 
プログラム第1日目
10月10日(木)
会場:国立京都国際会館 1階 ルームE
分科会2 時間15:00〜17:30
 
テーマ:
ホームヘルプサービスを上手に使おう
趣旨:
いよいよ始まったホームヘルプサービス。制度の仕組みをよく理解して上手に利用することは、当事者にとっては勿論のこと、家族にとっても生活の豊かさの向上につながります。おおげさではなく、日々の生活を当たり前におくるためにも、ホームヘルプサービスが大きな力になってくれることを期待しましょう。
 
報告者
  
三田 優子
  
(愛知県コロニー発達障害研究所社会福祉学部研究員)
 
 
 
 
「ホームヘルプサービスの意義と課題」
報告者
 
野田美紗子
 
(社会福祉法人 てしま福祉会精神障害者地域生活支援センター咲笑 施設長 大阪府)
 
 
 
 
「つかってみようホームヘルプ」
報告者
 
松山 恵子
 
(財団法人 池田さわやか公社 ヘルパー主任 大阪府)
 
 
 
 
「ホームヘルプサービスの実際・体験を通して」
指定討論者
 
高田 一成
 
(こなんソーシャル・サポート・ネットワーク 滋賀県)
指定討論者
 
森 礼子
 
(若鮎の家共同作業所 滋賀県)
座長
 
河野 和永
 
(NPO法人陽だまりの会理事長 大阪府)
 
分科会2 ホームヘルプサービスを上手に使おう
ホームヘルプサービスの意義と課題
三田優子(愛知県コロニー発達障害研究所社会福祉学部研究員)
 
1 精神障害者の地域生活の拡充のために、利用者の主体的生活を支援するために
1)居宅生活支援事業、平成14年度よりスタート(市町村事業)
ホームヘルプ、グループホーム、ショートステイの3事業
2)精神障害者の暮らしを支援する(利用者ひとりひとり支援内容が違う)
3)利用者が支援してほしいことを支援する(利用者=精神障害者本人のニーズ)
4)短時間でも定期的な関わりが生活の安定をもたらす
5)「指導する人」「監視する人」ではなく「寄り添う人」としてのヘルパー役割
6)自分の生き方や暮らしぶり、余暇の過ごし方等を自分で体験し、選ぶ喜び
7)ホームヘルプサービスは生活支援のひとつの選択肢(何もかもはできない)
2 事例から
1)ひきこもりがちな人へのホームヘルプ
2)3人の幻聴をもちながら、ヘルパーと付き合う
3)家族がホームヘルパーに期待しすぎて(利用者不在の失敗例)
3 課題
1)利用者はいないのか?(PRせずに「申請者がいない」)
2)大きな市町村格差(「精神保健福祉士や保健師採用」から「担当課も未決定」)
3)ケアマネジメントの未整備(医療ではない福祉サービスの定着と利用者エンパワメントのために)
4)精神障害者が利用しやすい町中の生活支援センターの絶対的不足(医療主導ではダメ)
5)保健及び医療との連携(ホームヘルプサービスの充実は保健及び医療の質を高める、対等な協力体制を日常的に、地域支援ネットワークづくり等)
6)ホームヘルパーが実習する場所もない生活支援サービスの貧しい地域で
7)介護保険下の「不適切事例」と精神障害者ホームヘルプサービスの内容整理
8)利用者の声を大切に、利用者と共にサービスを創る
4 家族の方に
1)「まだ先の話し・・・」ではなく、とりあえず市町村窓口で説明を聞こう!
2)市町村でわかりやすいパンフレットを作ってもらおう!
3)家族会で「ホームヘルパー利用体験者」を招いて勉強しよう!
4)家族は家族の生活を楽しむ時代です・・・誰もが自分の暮らしの主人公に
 
つかってみようホームヘルプ
野田美紗子(地域生活支援センター「咲笑」施設長 大阪府池田市)
 
1. 平成11年9月試行的事業の開始時
― それぞれの戸惑い ―
(1)当事者の戸惑い
 
(2)家族の戸惑い
 
(3)ヘルパーさんの戸惑い
 
2. 平成14年5月「ヘルパーステーション アパラン」開業
― ピアヘルパーの活動を始めて ―
・平成14年4月「咲笑」開所。6月からピアヘルパーの開始
・現在6人にピアヘルパーを派遣(5人は以前からの仲間)
(1)サービス提供者としてのヘルパーの感想
(2)提供される側の感想
 
3. 問題点
 
4. 今後の課題
 
ホームヘルプサービスの実際・体験を通して
松山恵子(財団法人 池田さわやか公社 ヘルパー主任 大阪府)
 
1. 精神障害者ホームヘルプサービスを試行して
 (財)池田さわやか公社では、平成11年11月から、池田市の委託を受け、精神障害者のホームヘルプサービスモデル事業を開始しました。モデル事業を開始するにあたって、大阪府による講習会が行われ、精神障害者への正しい知識を持ってからのスタートでした。
 派遣当初の利用者は、保健所の推薦で保健所のグループワークに参加されていて病状も比較的安定しており、ご自分の病気についてきちんと理解されている方たちでした。その後は、利用者が保健所の窓口に直接相談されたり、保健所相談員、主治医からのアドバイスによってヘルパー派遣につながったケースもありました。
 ほとんどの方が、買物・調理・掃除・洗濯等の家事援助でした。始めのうちは、ヘルパーが、一体何をどのようにしてくれるのか?が全く見当がつかない(ヘルパーのイメージがわかない)方が多いように思います。ヘルパーとして関わりながら、ニーズを明確にしていき、家事援助を通して、利用者の生活状況を把握し、利用者の暮らしを大切にしながら、信頼関係を築いていくように心掛けました。
 現在まで、トータル16世帯訪問してまいりましたが、現在は、ピアヘルパーへの移行3名・介護保険への移行2名・入所、入院2名・派遣中止1名・死亡1名さわやか公社で派遣継続中7世帯です。
 
2. 事例を通して
 
・家族全体への支援
・並行支援
・現実の援助場面で直面している問題及び今後の課題







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