Counseling
カウンセリング
将来のことを考えると、いろいろな制度や施設のことを知っておきたいと思います。どんなものがあるのですか?
どこで知ることができますか?
精神障害の方が使える福祉制度や施設についての情報は、保健所、保健センター、精神保健福祉センター、医療機関のソーシャルワーカーに聞くことができます。また利用の仕方、手続についての援助を得られます。
行ってみよう!
保健所や保健センター、地域の家族会では、病気、福祉制度、家族の対応の仕方などについて、知識を深めるための「講演会」や「家族教室」を開いています。開催の日時については、保健所等に問い合わせてみましょう。
使える制度、施設の一部を紹介しますと
◆外来通院費の負担の軽減に、「通院医療費公費負担制度(精神保健福祉法第32条)」
◆仕事につけないときの所得を補う、「障害年金」
◆生活の練習や地域で生活するための、「援護寮」「福祉ホーム」「グループホーム」
◆社会復帰の準備として「デイケア」「授産施設」「共同作業所」
◆生活を応援し、手助けする「地域生活支援センター」
病気を知らされたとき以来落ち込んでいます。誰にも話せず苦しい日々です。同じような病人を抱えた家族の方はどうしておられるのでしょうか? その方々と話せる場がありますか?
地域ごとに家族が集う「家族会」が全国に約1600か所あります。定期的に懇談会を開いて話し合い、また学習会、見学会などを行っています。
家族会は同じ悩みを持つ者同士、気がねなく話すことができ、ほっとできるところです。また体験者としての生きた情報、創意工夫の知恵が交わされる場でもあります。
参加しましょう!
家族会に参加することで、気持ちが軽くなり、元気を得ることができます。もしお近くの家族会に行きにくいときは、別の地域の家族会に行ってみるのもよいでしょう。家族会についての情報は、保健所や家族会都道府県連合会( 都道府県連一覧参照)に問い合わせて下さい。
病院に行くことをいやがっています。
どうしたらよいでしょうか?
統合失調症は一般的に「自分が病気だ」とは感じていないといわれます。ですから、「自分は病気じゃない」と言って病院に行こうとしないことが多いようです。
しかし、何となく自分は病気ではないか、という感じがあり、不眠や高度の不安・緊張感は感じているものです。そこで、ご家族の方はこの不安な気持ちに働きかけ「何か心配があるのでは?」と問いかけ、「皆から狙われているので眠れない」との答えが返ってきたとすると、はじめから否定せず、本人の話に耳を傾け「そんなに苦しく眠れないなら、楽になる薬があるかもしれない。一緒に病院に行ってみよう」とすすめてみてください。
また、暴力的な症状を伴う場合は保健所、病院、警察などに相談してください。これが一番大切なことです。そして、具体的な暴力があった場合は警察への連絡が必要となる場合もあります。この場合、患者さんの意思に反しての強制入院になることを覚悟しなくてはなりません。
そのとき注意しなければならないことは、入院に際しての家族の態度です。正直に「あなたは病気の状態だと思う。だからお母さんは入院に同意したよ」「お前の興奮した状態は心配だ。だからお父さんも入院すべきだと思う」と伝えてください。もし、そのときに「裏切ったな」とか、「もう信用できない」などと言われても、後で必ず、心ならずも強制入院に同意した家族のつらい気持ちを分かってくれます。また、患者さんがどんなに興奮した状態でも、まったく周囲に反応しないような状態でもご家族の言葉をきちんと覚えているものです。
※月刊『ぜんかれん』誌2001年6月号より一部抜粋
幻聴が聞こえるようなのですが、どのように接してよいのかわかりません。
統合失調症の症状で多いのが幻聴で、他の人には聞こえていない声や音が聞こえる症状です。まずわかっていただきたいことは、本人にとっては本当に声や音が聞こえているということです。
その声の内容は、患者さんに話しかけたり、批評したり、批判したりする内容が多いのです。たとえば、父親の声で「もっとしっかりやれ。それじゃだめだ」などと聞こえてくるのです。ですから患者さんにとっては、とても不思議で、困った状況になってしまいます。本人にとっては、非常に困った、つらい状況なのです。ときに患者さんは、その幻聴に応えたり、文句を言ったりする場合があります。壁に向かって独り言を言っている場合などでは、幻聴との会話をしていることがあるのです。
幻聴への対処方法
まず絶対に理解してほしいことは、幻聴は患者さんにとっては本当に聞こえているのですから、「それは幻聴だ」「間違いだ」「気のせいだ」などと言って、実際には起こってないことを理解してもらおうとしてもムダだということです。かえって「親は自分のことを何もわかってくれない」と不信感を持ってしまうかもしれません。
では、どういうふうに接していけばよいのでしょうか?患者さんはこれまでに体験したことのない異様なこと、不気味なことを経験して、本当に不安で困惑しています。ですから、「聞こえることは、よくわからないけど、つらいんだね」「今はたいへんだけど、問題は解決するよ」などと言ってあげてください。
急性期の幻聴には、薬がよくききます。ですから急性期の場合には、あまり幻聴にこだわらずに、ゆっくりと休むことと薬物療法をきちんと受けることを心がけてください。
※月刊『ぜんかれん』誌2001年4月号より一部抜粋
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