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3. 石川県立(いしかわけんりつ)ろう学校(がっこう)中学部(ちゅうがくぶ)「風神太鼓(ふうじんだいこ)」
(石川県)
―プロフィール―
 「風神太鼓」は石川県立ろう学校中学部の生徒全員によるチームです。今年度は8名の生徒が在籍しています。日本太鼓は中学部の授業の一環として取り組んでいます。外部講師として安江信寿氏をお招きし、5年目となりました。互いの音を合わせようとする気持ちを大切にしながら、メンバーが心をひとつにして、一生懸命演奏することを目標としています。
 本大会への参加は今回で2回目となりますが、この他、地域の「百万石祭り」の日本太鼓によるパレードや、地域の太鼓チームとの交流、日本太鼓ジュニアコンクール石川県大会への参加などをしてきました。技術の向上のみならずコミュニケーション能力や社会性の育成も目指し練習に励んでいます。
 
演奏曲
野火
 
出演者
代表者 鈴木 三郎
川端 志織 串田 紀子
下原 栄二 西 誠覚志
上野 一也 八野 拓朗
中垣 彩乃 土倉銀史郎
中山 博子 西田 淳子
 
―実践報告―
 石川県立ろう学校中学部が和太鼓に取り組み始めたのは、平成9年のことです。
 昨年秋の学園祭でそれまで劇を発表していたのですが、当時の3年生が「和太鼓をやってみたい。」と言い出しました。彼らの中に能登で生まれた育った生徒たちがいたのです。伝統的な祭りなどの行事が根付いている能登ではそれらに深く太鼓が関わってきました。聴覚に障害を持ちながらも、身体に響く太鼓の音は彼らにとって身近な「音」だったのです。
 その年の学園祭では、3年生が中心となり、能登のリズムを取り入れた太鼓のパフォーマンスを披露しました。創り上げていく過程で普段の学校生活にはないような、積極性、創造性、集中力を見せてくれました。指導は、石川のろう劇団「結」の方たちが応援して下さいました。同じ聴覚に障害を持つ先輩から教えてもらうことは、彼らの励みにもなりました。
 この年の発表を機に翌平成10年の本校創立90周年記念式典で和太鼓を演奏することが決まりました。さらに本格的に基礎から学ぶことが必要となり、現在も指導していただいている安江信寿氏との出会いが生まれたわけです。約5年にわたり大変熱心に指導して下さっていますが、話すことはいつもシンプルです。「互いの音をよく聴こうとし、よく見て合わせようとすること。皆で一つのチームだから、心を一つにすること。そして何より一生懸命打つことが大切。」
 同じ曲を何度も練習し、色々な方たちに聴いていただく機会を持ち、交流を深めていく。この過程の積み重ねは生徒たちにとって得難いものとなってきました。そこには他の学習場面では見られない姿があり、彼らの成長の糧として蓄積されていくことを確信しました。
 そこで、昨年度より「生きる力」を育むことをねらいとしている「総合的な学習」のひとつに位置付け取り組んでいます。彼らにとって「生きる力」となるコミュニケーション能力や社会性のエキスがこの和太鼓による活動に凝縮されているからです。
 活動の主な内容としては、金沢市の「百万石祭り」への参加、地域の中学校や太鼓チームとの交流、本校学園祭での発表、日本太鼓ジュニアコンクール石川県大会への出場などがあげられます。
 これらの活動を通して出会った人たちとの絆や培った心と身体と技が今後の人生に彩りを添えていってくれることを願っています。
 今日は古くから加賀地方に伝わる虫送り太鼓をイメージした曲「野火」を演奏します。
 
4. 静岡県立(しずおかけんりつ)静岡北養護学校(しずおかきたようごがっこう)「北龍太鼓(ほくりゅうだいこ)」
(静岡県)
―プロフィール―
 静岡県立静岡北養護学校の北龍太鼓は、平成5年度に同好会としてスタートし、平成9年度から部活動として位置付けられました。
 現在は、1年生4名、2年生4名、3年生9名の計17名の部員で活動をしています。今年の4月から現在のメンバーとなり、学校の夏祭りで演奏を披露してきました。他の部活と兼ねている生徒も多いですが、短期間で集中して練習を行っています。
 まだまだ拙い演奏ではありますが、舞台に立つ時は「かっこいい演奏をしよう!」を合い言葉に頑張っています。
 
演奏曲
雷龍
 
出演者
代表者 向井 剛
小林 尚樹 真野 義徳
杉山 美豊 谷川 陽一
石谷 桃子 木村 吉宏
近藤 由基 小林 治樹
望月 友美 安田 侑弘
杉山 博厚 鈴木 崇弘
浅井 梢 佐藤 純也
中村 真吾 小川 昌也
 
―実践報告―
 僕たちの静岡北養護学校では授業の他、高等部の部活動で和太鼓に取り組んでいます。
 今日ステージに立つ僕たちは、高等部の生徒です。音楽部で「北龍太鼓」に取り組んでいます。
 高校生になって初めて和太鼓に触れた部員がほとんどですが、みんな和太鼓を演奏することが好きです。
 サッカーや陸上などの他の部活動とかねている部員もいるので、活動時間は、週2日、1回30分と短いけれど、集中して取り組んでいます。活動内容は、体操、基礎練習、曲の練習です。
 曲を覚えて、みんなと合わせることは難しいけれど、上手く合うと気持ちが良いです。
 今まで、学校の夏祭りや北養祭、静岡市のイベントなどで演奏してきました。人前で演奏するのは緊張することですが、「かっこいい演奏をしよう」を合い言葉に頑張っています。
今日も「かっこいい演奏をしよう」を合い言葉に演奏します。日頃の練習の成果を充分に発揮したいと思っています。







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