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日本の生活
ハジール・マームッド・ムクタール(スーダン)
 
 私はスーダンのハルトゥームにあるカイロ大学で法律を勉強し、結婚後はイギリスに住んでいました。その後、彼は神戸大学の博士課程に進み、現在は博士客員研究者として2003年まで日本にいる予定です。子どもはイギリスで生まれたレナ、スーダン生まれのアーメドとサルマ、日本生まれのモンジールの4人です。
 日本とスーダンは文化においても生活や自然の面でも異なっていると思います。私は日本の生活については、ほとんど知りません。日本について、まだはっきりした認識が持てないのには、2つ理由があると思います。1つには、日本人の生活はとても忙しく、私はたくさんの家族の世話で予定がつまっていて、友達を作る時間がないことです。また、言葉の壁があるためにきちんとしたコミュニケーションが出来ないこともあります。私の日本での短い経験から言えることは、一般に日本人は非常に活動的、また繊細で親切だと思います。(原文英語)
 
友達がたくさんできました
マリア・スリ・マルタニ(インドネシア)
 
 私は2001年4月に夫と一緒にインドネシアから来ました。夫は神戸大学の国際協力研究科で勉強しています。2003年9月まで神戸にいる予定です。
 私には息子と娘がいます。5歳の息子は港島幼稚園に通って1年たちますが、日本に慣れました。初めて幼稚園に行ったときはとても内気で、怖がって誰とも話せませんでした。でも今は違います。日本人の友達がたくさんできて、いろいろなことを習う機会ができて喜んでいます。幼稚園で七夕、音楽会、運動会、餅つきなどをしたことは、貴重な経験でした。
 私も日本の生活を楽しんでいます。例えば近代的な施設や交通機関、役所の優れたサービスなど、近代的な側面です。私にとって印象深いのは日本人のもてなし、親切、そして援助です。日本の人たちと付き合うとき、一番の問題は言葉です。私は日本人と付き合いたいので港島小学校の日本語コースに週3回通っています。先生はアラストさんです。
 去年9月からはKOKORO−NETに参加しました。ここで、いけばな、茶道、てんぷら、着物、日本料理など、日本文化についてさらに学ぶことができました。また淡路島に行って人形浄瑠璃なども見ました。この活動を通して、他の国から来ている友達がたくさんできました。KOKORO−NET in神戸は興味深くて楽しく、私に役立っています。このプログラムがこれからもさらに、すばらしい行事を続けて下さることを願っています。(原文英語)
 
思い出に残るココロカフェ
ディアナ・ノヴィアンティ(インドネシア)
 
 私は留学中の夫と暮らすため 2001年10月26日にインドネシアから来ました。暇な時ココロカフェに参加しました。初めての外国で 違った国の人達といることは刺激的ですが ココロカフェでは 新しい友達ができ 日本の伝統を学ぶことができます。
 5〜6回参加し 折り紙や生け花を教えてもらい うちでも2歳半の娘のために練習したりしています。そうして日本の古くからの伝統であるとだけ知っていたお茶がどんなものであるかを知り 着物を着ることがどんなに大変かがわかりました。着物は本当にすばらしいです。国にもケバヤという民族衣装がありますが着方は着物より簡単です。
 ココロカフェは日本についていろいろ教えてもらう場になり 主婦である私は育児 料理 掃除 買物などの家事についても ココロカフェで日本文化を知ります。
 残念ながら 私は日本語ができず 英語も上手ではないので インドネシア人の友人以外とはあまり話し合えませんでした。でも 毎回十分に楽しめました。ココロカフェのスタッフはとても親切で 親しみやすく 私がいつも日本人にもつ印象のとおりです。私達のわからないことはていねいに説明してもらえます。
 参加の期間は短かったものの 何もかも楽しかったです。ココロカフェに招いてくださった皆様にお礼を言いたいです。そして インドネシアに帰ってから こんなことがあったことを家族や友人に話そうと思っています。また会える時を楽しみにしています。ありがとうございました。(原文英語)
 
会話は難しい
オベ・ロゼリン(ガボン)
 
 私はアフリカのガボン出身です。神戸大学法学部に留学している姉の子供たち4人(8歳と7歳の男児、4歳と0歳の女児)の世話をしながら、ココロネットの日本語クラスに通って勉強しています。私の母語はフランス語ですから、来日直後は日本語も英語もわからなくて、とても困りました。でも、今は日本人や同じアフリカから来ている友だちができて、とても親切にしてもらっているので、楽しく過ごしています。日本語の勉強では、文字はそんなに難しくはないのですが、話すことが難しいので、一生懸命練習しています。(談)
 
少し日本に慣れました
ラフミ・スライヤ(インドネシア)
 
 私はスマトラの出身で、6ヶ月前に日本に来ました。夫は神戸大学で化学工学の研究をしています。日本に来る前、私は学生で3人の子供の世話は母と手伝いの人がしていました。今の私の仕事は子供の世話や家事ですが、日本の生活にも慣れました。日本語はあまりできませんが、インドネシアの友だちがたくさんいるので、特に困ることはありません。
 長男は港島小学校の1年生で、外国人のためのワールドルームで勉強しています。インドネシア語のできるボランティアの方が毎日小学校に来てくれて、息子の勉強を手伝ってくれています。これはとても助かっています。長男は日本語がとても上手になりました。
 私にとって難しいのは日本語です。2004年9月まで日本にいる予定なので、日本語を勉強して、早く上手になりたいと思っています。そして、早く他の人とコミュニケーションできるようになりたいです。(談)
 
日本語クラスとベビーシッター
デルフィア・エルウィン(インドネシア)
 
 ココロネット日本語クラスに参加したことは大変興味深いことでした。参加することで励まされ、クラスは魅力がありました。先生方はとても協力的で、教えることに心から専念しておられ、生徒たちの勉強を励まされます。私たちみんなは日本語を勉強することや、いろいろな国から来た者同士が、お互いに友だちになることを楽しんでいます。
 もう1つ私にとって重要だったことは、日本語クラスが私の家の近くで開かれていて、ベビーシッターがついていることでした。そのおかげで私の勉強がとてもはかどりました。ベビーシッターをしてくださった香里さん、えみさん、まゆこさん、そして冨田先生と一岡先生に、心から感謝申し上げます。(原文英語)
 
心を繋ぐココロネット
カベリ・カンタ・ニプ(バングラデシュ)
 
 “ココロネット”はその名前が活動を表しています。みんなの心を繋いでいるのです。ココロネットのメンバーは皆、家族のようです。そして留学生やその家族に日本文化を紹介する大切な役割を果たしています。このボランティア活動をみて私は驚いています。ココロネットは毎月二回の集まりがあり、日本の食べ物を紹介してくれますから、今では私は日本の食べ物に慣れました。
 ココロネットは神戸大学で日本語のクラスも開いています。私はこのクラスで日本語を少し学んだのですが、これは私にとってとてもやりがいのあることでした。また、ココロネットには野外プログラムもあり、これは日本についての知識を増やすのにとても役立ちます。
 ココロネットの主催者のボランティア精神溢れる活動に感謝したいです。ココロネットが留学生とその家族の間で活動を続け、さらに広めていかれることを願っています。
(原文英語)
 
私から見た日本の若者たち
張 可可(中国)
 
 日本に来てから、もうすぐ五年目に入ります。この間、様々な日本の方と出会い、日本人に対する理解を表面から内心まで深め、日本という国に対する親近感や関心、期待が膨らんできて、つい日本の将来について考えるようになりました。一つの会社にしろ、国にしろ、その将来性があるかどうかを判断する場合、その若者を見れば分かると言う視点から、最初に日本の若者たちに注目し始めました。
 現在の日本の若者たちは私たちが日本のドラマで見た昔の若者と違って、衣装にしても、考え方にしても、個性が現れています。日本社会は西洋文化と東洋文化が結合され、外国から先端的な技術や新しい思想を取り入れた上に、自分に相応しいものを見出して、作られた社会だと言われます。多くの外来物と古い伝統的なものが共存するからこそ、日本人は東方人の保守と西洋人の開放の思想を保有しています。しかし、近年、欧米諸国を崇拝して、ひたすら西洋のものを受け入れ、言葉さえも変わっています。「伝統的な日本社会を守ろう」と言うような呼びかけはよく新聞記事に見られ、日本らしさはだんだん無くなっています。
 50年前の戦争を経験した日本人は貧しさを耐え忍び、自分の両手と知恵を使って、日本の経済や工業をいち早く発展させ、やっと豊かになりました。ところが、物が豊かになった反面、人の心は失われています。高度に成長した豊かさの中で、個人個人がかって気ままに動く社会、そして、“心の喪失”だけが放置されているのが現在の姿です。大学の講堂に行ってみればすぐ分かります。欠席の学生が数多くいますし、授業に参加しても、居眠りしたり、携帯電話でメールを交換したり、真面目に聞く人は殆どいないようです。そして、何よりも今の若者たちは向上心を持っていなくて、程々でいいと考える人が少なくない。夢さえ持っていなければ、当然自分の成長もないし、社会の進歩にも繋がるはずがないのです。また、いじめや学級崩壊、青少年犯罪など多くが社会問題として現れてきていますが、それらの根底にある最大の問題は“心”が失われてしまっていることなのです。それと対照的に、発展途上国の若者たちは自分の国が貧しいからこそ、先進国を憧れの的にして、一生懸命頑張って、自分の国を発展させる使命感を持っています。
 日本で暮らしている外国人の一員として、日本はもっと素晴らしい将来を迎えてほしいのですが、日本の若者たちは自分の国が世界第二の経済大国という誇りを持ちながら、前世代が大変苦労して手に入れた豊かさをどのように守りつづけるかを考えるべきではないでしょうか?







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