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ボランティア精神
孔 京美(韓国)
 
 日本に来てもう3年が経ちます。その間、家族も二人から三人に増えました。結婚してすぐ日本にやってきた私は、初めのうちは言葉はもちろんながら生活においても大変な思いをしました。その中でも、一番つらかったのがさびしさでした。その寂しさを耐えきれず、何回もひとりで涙を流したこともあります。
 しかし、そのような生活に転機がおとずれました。それはココロ・ネットの皆さんとの出会いです。メンバーの皆さんは日本語の勉強や生活を助けてくださるだけでなく、日本の人のやさしさを身をもって教えてくれました。それは、時には先生として、友達として、また家族としてのあたたかい愛情をもって接してくれたことです。特に冨田先生は、日本語が早くうまくなりたいという私のわがままを、忙しい時間をさいて精一杯助けてくださいました。
 メンバーの皆さんに出会ってから、私の日本に対する思いやボランティア活動に関する考えがずいぶん変わるようになりました。私たちは共に生きているということ、まわりには誰かの助けを必要としている人がたくさんいるということ、自分が持つ小さな力でも人に与えることで大きな喜びになれることを皆さんから教えてもらいました。
 今年は、幸運にも皆さんから教えてもらったボランティア精神を実践できる機会をいただきました。短期間ではありますが、ワールド・カップのボランティアとして働くことになりました。小さなことではありますが、メンバーの皆さんのように、心の伝わる活動をしたいと思います。また、息子のミンにもそのココロ・ネットの心を伝えていきたいと思います。
 私たちの幸せの大きさは以前より大きなものになりました。それは良い人との、たくさんの良いふれあいがあったからです。(原文日本語)
 
第二の故郷
呉 恩貞(韓国)
 
 日本に行く事が決ってドキドキしていた時が昨日の出来事のように感じられるのに、もう3年目になった。日本での生活がいつまで続くか分らないけれども、日本はわが家族の第二の故郷だ。2人で日本に来て、3人になった事が、故郷だと思うようになったきっかけだ。主人について来たけれど、私もせっかく日本で生活できるようになったから勉強しようと考えていた。彩蓮が生まれる前には。
 今は家事や育児に忙しい平凡な主婦になっている。家族も友達もいない所で子育てをしていて、たまにはイライラしたりするけれど、後悔はしない。彩蓮は出産予定日を一日控えて、生まれた。それも帝王切開で。赤ちゃんが動かないって先生に言われた時から、あっという間に色んな手続きが終わり、赤ちゃんが生まれた時までがぜんぜん実感ができなかった。
 国だったら自然分娩できたかなと思ったこともあるけど、日本だから無事に生まれられたと思い、すてた。生まれて息が止まって、私を泣かした彩蓮だからこそ、私にとっては何よりも大事な宝物だ。彩蓮が生まれてから、わが家にはいい事ばかり起きた。日本は彩蓮が生まれた所、それにこれから思い出が作られる所だ。私は日本、特に神戸で彩蓮を生んで住めるようになった事を絶対忘れられないだろう。今も捨てずに持ち続けている進学への夢を叶えて、日本で始めた第二の人生を楽しみたい。
(原文日本語)
 
ココロネットに感謝
カルパナ・ブレム-シュレスタ(ネパール)
 
 私はネパール人です。2000年の9月以来 夫のマルクスと主にドイツに住んでいました。イギリスのオープン大学の通信教育で経営学を勉強中です。1年前 神戸大学の客員研究者となった夫とともに日本へ来ました。この旅行の機会を得て 日本を見ることができたことは大変興味深いことでした。
 最初の数か月間 私達は日本の生活や文化の目新しい様子を不思議に思っていました。友人や同僚といいつきあいをし 日本での新しい生活の仕方もわかるようにと日本語も勉強してみました。でも 日本語は難しすぎました。スーパーでコーヒーを買ったつもりで家へ帰ってみると 間違ってココアを買っていたことがあります。包みのラベルが読めなかったからです。このように ひらがな カタカナ 漢字では私達はわからなかったのです。
 最初の1か月がたった頃 私はココロネットに出会いました。そして日本語を習うチャンスを得ました。東アジアのこの言語の基礎についていくらか理解できるようになってとても助かりました。日本語のクラスばかりでなく ココロネットによって進められるすばらしい行事や活動には感動しています。月に2回集まって日本文化を理解するためにいろいろやってみることは本当に楽しいです。
 実際にお茶とお菓子の会(茶道) 着物の会 病院見学 スーパー見学 観光旅行は情報を得ること多く 夫と私がおよそ1年も住んでいる所について理解することに役立ちました。その上 会に参加した皆でおしゃべりするのも楽しかったです。私が家に帰って話して聞かせることで 夫も日本の事情についていくらか知ることができました。
 私達は3月の末にドイツヘ帰り 数週間後にはボストンヘ移ります。夫がハーバードで1年間客員研究者として働くことになっています。私はココロネットと“似たもの”でマサチューセッツのケンブリッジにある“ハーバード・ネイバーズ”というのに連絡を取りました。それも大学の周辺の家族メンバーを集め、数種類の活動を組織するものです。神戸大学のココロネットに参加してできたのと同じように素敵な経験がまたハーバードでもできたらいいと思います。
 また いつかもう一度ココロネットでお会いしたいと思います。皆様のご成功とご多幸をお祈りし さよならパーティーのお礼を申し上げます。(原文英語)
 
親切なボランティアたち
金 海燕(中国)
 
 私の主人は神戸大学工学部の研究生として、昨年三月に日本に来ました。そして私は主人といっしょに生活がしたいから、家族としていっしょに神戸市に来ました。日本に来たばかりのとき、日本語が全然できないし、生活の習慣が違うところがたくさんあるので、日本社会の中で生活するようになったとき、本当寂しく悩みを毎日感じました。
 日本語が早く上手になるように、及び日本社会の異文化に関することをできるだけ多く理解するために、ボランティアの方々との接触が始まりました。その中で、留学生の家族のために行うボランティア活動に私は一番強い印象を受けて、感動させられたことも多いです。留学生の家族たちが日本の生活に慣れて、日本を理解するために、2週間に1回活動を行いました。私は日本に来た1年目、神戸大学留学生会館に住んでいました。そこには、さまざまな国からの留学生の家族たちが他の所より多いので、活動を行うとき、みんなは会館のロビーに集まって、さまざまな活動やいろいろな話題を下手な日本語で交流して、本当いい気持ちを感じました。
 活動の内容を豊富にし、多様にするために、ボランティアたちは各種な内容を計画しました茶道の見学に連れて行く、生け花を習う、料理を作る、日本特有の着物を着る、淡路島への旅行など、いろいろな活動は私の心に深い印象を刻みました。活動のとき、各種必要な材料や道具などは、全部ボランティアたちが自分で買って持って来ました。私たちはとても感動しました。
 今、私はもう神戸大学留学生会館から別の所に引越しをしました、この活動に参加するのは多少不便があります。でも、本当に参加したいと思っています。ボランティアたちといっしょにいる時が、私は一番いい気持ちが感じられる時です。日本の優しいボランティアたちがいますので、私は日本の社会を理解し、日本での苦悩な生活も終わらせて、私は一生忘れないと思っています。
 日本の親切なボランティアからいろいろな影響をもらったので、将来、日本語が上手になったとき、私もボランティアになりたい、日本語とか中国語とかを勉強したい人に教えてあげたいと思っています。(原文日本語)
 
日本の印象
サルタナ・フェルドゥス・ロージー(バングラデシュ)
 
 私は2001年1月4日に夫の扶養家族として日本に来ました。この数ヶ月の間に、日本の習慣や文化を少し経験しました。何よりも言いたいのは、日本の人たちの礼儀正しさです。日本語の敬語表現の多さをみてもわかるように、日本人は数限りない礼儀の表し方を持っています。それは単に礼儀正しいというだけではなくて、とても役に立ちます。たぶんほとんどの人が私の意見に賛成してくれるはずです。どんな日本人でも誰か(特に外国人)から道順や交通機関、日本語の表記についてたずねられたら、もちろんその人のできる限り、何とか助けようとしてくれます。このような状況で、嫌な態度を経験した人はいないと思います。これは本当に驚くべきことで、もちろんみんなのお手本になることだと思います。
 日本のフラワーアレンジメント、“生け花”は本当にとても面白いです。私は学生の頃から生け花は好きでしたが、本当に素晴らしいものです。
 私が見たところ、日本の女性はとても綺麗な服装をしています。普段着でいる姿はあまり見たことがありません。
 日本のテレビを見ていると、どの番組にもお料理コーナーがあります。でも、もちろん日本人には食べ過ぎの習慣はありません。そうでなければ、長寿の記録は持てないでしょう。それでも、この国では、お料理はとても人気があるのです。この国で私がかなり我慢しなければならないことは、スープの食べ方に驚くべき違いがあるということです。私の国も含めて多くの文化では、スープを入れた食器を手に持って、スプーンを使わずにスープを音をたてて飲むことはとても下品なことです。でも、日本では違います。でも、“郷に入れば郷に従え”です。
 日本人の特徴の中でもっとも注目すべきことは、勤勉なことです。G8のメンバーとして、今日技術的な発展を遂げた日本は、突然頭角を表わした中東地域とは異なります。それは日本人の勤勉さの結果なのです。同時に、日本人が法律や規則を忠実に守るということも、日本がそのゴールに到達した理由でしょう。これは本当に全ての人にとってお手本となることです。
 最後に、ココロネットの主催者の皆さん、また私の先生方に感謝を申しあげます。ココロネットの全ての方々に感謝しています。(原文英語)







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