0220
田口はるか
「この夏、セイルトレーニングに参加する。」と友達に言ったら、「一生の思い出になるよ。」と言われた。
「たったの二泊三日・・・そんなことはない。」と思いながら電車に乗った。港から見た『あこがれ』は、とても小さく見えた。その中でマストに登っているクルーは、もっと小さく見えた。「人間ってちっぽけだなあ」と実感した。「海って広いなぁ」
初めての人と、閉じこめられた船という空間の中で過ごす・・・。最初のきっかけは、多分「笑顔」だろうと思う。それが、気付かないうちにどんどん積み重なって、大切な友達になる。
私の憧れている「帆船」の時代は、もう無い。でも、本当はまだその事をはっきりと認められないでいる。もしかしたら、どこかにまだあるんじやないかと、淡い望みをかけている。でも、きっといつの時代も変わらない何かが、船(特に帆船)の上にはあると思う。私はそれを感じたくて、『あこがれ』に乗ったと言ってもいい。
マストの途中にある三日月の上でハトやんがしてくれた話、ご飯の時のタカさんの“ためになる”話、今井さんの歌っていた歌、嵐の時のクルーの妙なテンション・・・全部全部忘れたくない。
気付いたら、船の上のメンバーや、揺れるキャビンが当たり前になっていた。みんな大好きになっていた。船酔いでさえも・・・。
私は本当に海が好きだから、海を好きな人が大好きだ。『あこがれ』に乗って、そういう大好きな人にたくさん出会えて、私は本当に幸せだと思う。海が好きな人、ああいう目で海を見る人・・・長野では見つけられなかった。私は、もっと船のことを知りたい、海のことを知りたい。そして、いろんなものを見てみたい。
『あこがれ』は、私に大切な友達と、大切な想いをくれた。いつの日か、絶対にまた直江津へ行こう。
デッキの運動会は楽しい思い出
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