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海の総合学習テキスト

 事業名 帆船から学ぶ海と日本
 団体名 大阪港振興協会 注目度注目度5


第1章
洋船と和船
「あこがれ」の船首方向
「浪華丸」の船首
 
洋式帆船「あこがれ」(各部の名称)
(拡大画面:208KB)
 
洋船と和船の港
●船のある風景―洋船と和船の港から
 今日、私たちがイメージする港は、客船や貨物船などが桟橋(さんばし)に停まっているところであろう。これは全国どこの港もよく似た風景といえる。
 このイメージは、明治になって洋式の帆船や蒸気船が、日本に導入されてから生れたものである。桟橋は、水深のある洋船が、浅い海辺の多い日本の港に着岸する必要性から築かれたものであり、現代の私たちがイメージするこの港は、洋船の基準として形成されたものである。
 
洋船の港
大型の汽船と大きな桟橋が活用される時代になっても、和船がなくなった訳ではない。写真の右下のように中小の木遣船は和船が多かったのである。はしけとして、土船として、漁船として、つい最近まで盛んに使われていた。
 
大阪港の桟橋(昭和初期ごろ)大阪市港湾局蔵
 
和船の港
●撮影・秋野定広(1833−1901)
定広さんは山形県加茂港の船持ち・大地主の家に生れた。「写真術ヲモッテ嬉楽トシ」と史料にある通り、ツァイスイコン社の写真機で、自家のある港町の風景を撮って現像までしていた。薬品も横浜経由の輸入品だった。明治30年代のことである。
 
 洋船以前の日本の港の風景は、どうやら趣がだいぶちがうものであった。桟橋はなく、護岸もなく、浅い水辺に帆柱(ほばしら)を林立させる港なのである。
 港は大きな川の河口であったり、岬をもつ入江だったりする。そこは砂浜であっても磯であっても、干満の多いところであっても良く、地域の地形を最大限に生かして港にしてした。
 瀬戸内海のように干満に高低差があるところは、ガンギ(石段)を設け差を生かした船の着岸地とした。川も似た工夫をして、上流下流を使い分け、川辺に町家を並べている。入江を港としたところでは、渚(なぎさ)に和船を着け、人や荷の上げ降ろしをする広場を作り、背後に家々を並べている。
 和船は日本の海辺どこにでも停泊できるように作られている。浅い岸にできるだけ近づくために、舵(かじ)や帆柱は取り外し式であり、船底は平らになっている。着岸、修理、造船のときには、船が自立する工夫であった。これはドック不要のローコストな仕掛けともいえる。
 江戸時代中期になり、大量の荷物を運ぶ大型船が全国に航行を始めると、荷を満載した大型船は水深が深くなるため、いままでの港に着岸できず、沖に停泊し、中小の和船に荷物を積み替えて、船の水深を軽くし港に入る工夫が生まれ、港活用の風景として定着していく。海辺の多彩な風景を日本の文化的な特徴として以上のような視点でみていくことにする。
 
Ports for Western-style Ships and Japanese-style Ships
Formerly Japanese people used to build ports utilizing various geographic features such as mouths of big rivers, deep inlets, and beaches. Japanese ships were made to be anchored at any time at any port.
In the mid 19th century, when the Western-style sailing ships and steamships came to be used, they had to remodel the ports into deeper ones. Consequently almost all the ports in Japan came to look alike.
 
この写真によると小船は浜に揚げ、中型の和船は浅瀬に親柱を林立させている。荷揚げには舵を上げ、水際に和船を固定させてある。船首をみな海に向けるのは、すぐ船を出せるようにした日本の慣習なのである。写真の中ほどに左から小川が流れ込んでいる。淡水は木造船を食い荒らすフナクイムシを殺す力があるためであろうか、川水の流れる先に船は集っていた。
山形県・加茂港(明治末ごろ)







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更新日: 2021年6月19日

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