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(52)原油タンカーの上甲板裏空隙部環境における造船用鋼の腐食および腐食疲労
小林佑規、田中義久、後藤英信、丹羽敏男(海技研)
 
 原油タンカーの上甲板裏空隙部の環境を模擬し、イナートガスおよびH2Sガスの混合する環境において、K32Aの腐食試験および腐食疲労試験を行った。腐食速度は、0.2mm/yであった。き裂発生寿命Ncを基準として、S−N関係、切欠き底の等価応力Seg−Nc関係、応力拡大係数範囲ΔK−Nc関係についてまとめ、既報の海水および希硫酸環境の結果と比較した。その結果、Ncは、Ktが小さいと希硫酸環境下の寿命に低下するが、Ktが大きいと海水中と変わらない。
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ΔK−Nc線図
(53)圧縮予歪を受けた鋼材における延性低下の機構に関する一考察
吉成仁志、榎並啓太郎(東大)
 
 圧縮予歪材の切欠丸捧試験片の破面観察と数値解析を実施した。予歪により局所へき開き裂の発生が容易となることが分かった。局所き裂先端の応力三軸度―相当塑性歪履歴を延性限界曲線と比較し、予歪材の延性破壊発生を評価した。予歪材の延性低下は、局所へき開き裂の発生が最大の原因であることを明らかにした。
圧縮予歪材切欠丸棒試験の数値解析
(54)CTOD設計曲線における残留応力及び予荷重の影響の評価法に関する考察
阪野賢治、山下洋一(IHI)
 
 WES 2805−1997による脆性破壊発生強度評価手法においては、溶接残留応力の影響を、応力レベルに関係なく一定の開口変位を加えることにより評価する。このため、低温あるいは高速度負荷により破壊靭性値が低くなり低応力破壊する場合の破壊強度を実際よりもかなり低く評価することになる(下図左)。本研究では、溶接残留応力や予荷重といった供用前荷重の影響を、供用前荷重の予荷重としての限界CTODへの影響とその後の亀裂変形挙動への影響の両面から評価するCTOD設計曲線を提案した。提案した方法により、低応力破壊域の破壊強度をより精度よく評価することが可能となった(下図右)。
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(55)溶接継手部における極微小疲労き裂の検知と評価
勝田順一、河野和芳(長崎大)、吉田卓也(長崎大院)、堀越 健(宇部興産機械)
 
 従来のモニタリングでは対象としていない極微小な疲労き裂の検知方法について検討し、検知結果からき裂の大きさを推定することにより、破壊の可能性判定、残存強度や疲労余寿命の推定方法について示した。その結果、溶接止端部近傍のひずみの変化を無損傷時のひずみとの比でモニタリングすれば、極微小なき裂段階から検知できることを明らかにした。さらに、数値解析により、き裂寸法とひずみ低下率の関係を求めておけば、モニタリング結果からき裂寸法を推定でき、破壊の可能性判定、残存強度や疲労余寿命の推定が可能であることを示した。
疲労き裂のモニタリング結果
 
モニタリング結果とき裂長さの関係







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