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1.6 セキュリティ(Security)
 両当事者は、該当する仕様や付属書に記載されているセキュリティ上の手続およびインフラストラクチャーを適切に実行することとする。セキュリティ上の手続が定められていない場合は、すべての情報交換が正式に許可され安全であることを保証し、伝送された情報、取引記録、およびデータを不適切なアクセスや使用、改ざん、虚偽の承認拒否(false denial)、破壊、もしくは損失から保護するのに十分な安全対策を適切に実施することとする。
 
 適用される仕様および付属書に定められているとおりに暗号化する必要のある電子情報交換については、両当事者は適切に情報を暗号化することとする。
 
 両当事者は、暗号化製品の輸出入および使用に関し、それぞれの国の関連法および国際規則を遵守しなければならない。国によってはこれらの製品を取り締まっており、法律によってその使用が厳しく規制されているので、各当事者は、暗号化製品の輸出入および業務使用の許可を得ることを定めた関連法が施行されている国において、これらの法を遵守することに合意する。
 
1.7 電子署名(Electronic Signature)
 電子情報を交換するため、各当事者は電子署名を採択し、すべての伝送されたメッセージに添付するか、または含めることとする。両当事者は、伝送されたメッセージに添付または含まれた他方の当事者の電子署名を正式な署名とし、その当事者がメッセージの発信元であることを法的に証明するに足るものと見なすこととする。
 
 両当事者は、適用される仕様および付属書に従った情報の交換によって、有効かつ強制可能な義務が生じること、そして、これらの義務が、メッセージの受発信手段以外のあらゆる点において、当事者間に適用される協定書の一般取引条件によって規制されることに合意する。
 
 受信側当事者が発信側当事者に受信確認を通知することが特定の仕様で必要とされている場合、そのような通知は何ら義務を生じさせるものではなく、単なる受信確認に過ぎないこととする。
 
 有効な電子署名の添付によって適切に署名され、かつ本協定書に従って、または本協定書第1.3項に規定するトランザクションもしくは他の協定に関連して伝送されたメッセージまたはドキュメントは、「書類」(writing)または「書面」(in writing)と見なされ、また、当事者間における通常の取引の過程で作成され、保持された電子ファイルや記録から印刷されたときは、それらの印刷物を「原本」(original)と見なし、書類の形式で作成され、保持されたその他の取引記録と同様の程度および条件で、管轄権を有する裁判所、仲裁、調停、あるいは行政手続では、両当事者間における証拠能力(admissible)があるものと見なす。
 
 両当事者は、拘束力を生じさせるために協定書が書面によって作成され、かつ当事者により署名されていることを要件とする適用法の条項の下に、署名されたドキュメントの有効性または強制可能性について異議を唱えないことに合意する。
 
1.8 デジタル署名(Digital Signature)
 各当事者は、適用される仕様または付属書に定められており、電子署名としてデジタル署名を使用することが求められているドキュメントには、他方の当事者に伝送する前にデジタル式の署名を施すこととする。各当事者は、他方の当事者から受信したデジタル署名付きドキュメントそれぞれについて、適用される付属書に規定されているデジタル署名のインフラストラクチャーに従って、その真正性および完全性を確認することとする。
 
1.9 処理(Processing)
 電子的に交換された情報は、適用される付属書に指定された受信コンピュータで受信側当事者がアクセスできるようになるまで適切に受信されたと見なされず、いかなるドキュメントも義務を生じさせないこととする。
 
 該当する付属書に別段の規定がある場合を除いて、電子情報の受信後、受信側当事者は、適切かつ速やかに受信確認の返信をすることとする。
 
 受信側当事者が受信確認を送信する義務を有するにもかかわらず、適用される仕様または付属書に規定されているとおり、発信者が受信確認を受信しなかったときは、発信者は、(a)受信者に対して、受信確認がなかった旨を通知し、確認の通知を受信する合理的な期限を指定することができ、(b)前記(a)に指定した期限までに確認の通知がされない場合は、宛先人(addressee)に通知のうえ、交換された情報を無効とするか、あるいは発信者の有するその他の権限を行使することができることとする。
 
 適切に受信された電子情報は、適用される付属書に規定されているとおり、必要に応じて情報発信元の当事者が適切に受信確認を受け取るまで、何ら義務を生じさせないこととする。
 
 伝送された情報が適切に受信されなかった場合、または伝送された情報が不明瞭であったり、破損していたり、複製された形式であった場合、受信側当事者は、その都度速やかに発信元当事者に通知することとする(受信した情報から発信元が明らかな場合)。このような通知がなされない場合は、発信元当事者が伝送した情報の内容の記録が支配(control)することとする。
 
1.10 運用上の要件(Operational Requirements)
 各当事者は、商業上のあらゆる合理的は方法で、(a)各々の機器、ソフトウェア、セキュリティ対策およびサービスを準備、維持ならびにテストして、有効、確実、かつ安全に電子情報の受発信を行うとともに、(b)適用される仕様および付属書に従った両当事者間の相互通信を妨げるようなシステム運用、ハードウェアまたはソフトウェアの変更を他方の当事者に通知することとする。
 
 各当事者は、(a)これらの仕様の実施、維持および使用、ならびに(b)各当事者が契約したサービスプロバイダーに関わるすべての費用を各々で負担することとする。
 
1.11 責任(Liability)
 交換されたトランザクションまたは情報に関連した債務の不履行が天災(act of nature)や当事者の予知しえぬ事由による場合には、いずれの当事者もかかる債務不履行に対する責任を負わないものとする。これらの事由には、情報の電子的な受発信を妨げる機械上の支障、電子的な支障または通信上の支障が含まれるが、これらに限定されない。
 
 損害の生じる可能性について事前に通知を受けていた場合でも、両当事者は、他方の当事者に対し、本協定に従った電子情報の電子的受発信の遅れ、欠落、またはエラーから生じた間接的損害(indirect damage)、特別損害(special damage)、付随的損害(incidental damage)、懲罰的損害(exemplary damage)、または派生的損害(consequential damage)の責任を負わないものとする。
 
 両当事者は、電子情報の受発信、保存、処理、または当事者のために行う関連行為に関する各々のサービスプロバイダーの作為(acts)および不作為(omissions)による直接的損害について責任を負うものとする。両当事者が同じサービスプロバイダーを使用して電子情報の交換を行う場合、交換された情報に関するサービスプロバイダーの作為または不作為の責任は、発信元の当事者が負うものとする。
 
 付属書に別段の規定がある場合を除いて、いずれの当事者も、契約を結んだサービスプロバイダーの費用について責任を負うものとする。
 
1.12 適用法(Applicable Law)
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1.13 本協定の終了(Termination)
 本協定は、いずれかの当事者により30日以上前に書面で解約の通知がなされない限り、有効であることとする。解約の通知には、協定終了の発効日を指定することとする。ただし、協定終了は、解約日までに交換された情報、または本協定および両当事者間のその他の協定から生じた各当事者の権利・義務に影響を及ぼさないものとする。性質上、義務が継続する条項は協定終了後も存続し、両当事者を拘束することとする。
 
1.14 無効規定の波及切断(Severability)
 本協定の一部の条項が無効または強制不可能と決定された場合、かかる決定の限定された範囲内で無効となるのであり、本協定書の他の条項を無効にしたり、またはその有効性や強制可能性に影響を及ぼすことはないものとする。
 
1.15 合意の完全性(Entire Agreement)
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