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2.7 第7回貿易手続簡易化特別委員会(平成15年1月15日)
2.7.1 「ADRおよびODRに関する考察」について
 早坂委員より、平成14年度報告書「ADRおよびODRに関する考察」の内容に関して概要説明がありました。内容構成は以下のとおりです。
(1)ADRやODRが推奨されている理由
(2)ADRのメリットとデメリットの分析
(3)ADRの種類
(4)仲裁についての考察
 
2.7.2 「港湾物流分野のEDI普及の現状と課題」について
 山内委員より「港湾物流分野のEDI普及の現状と課題」と題する資料により報告書の概要説明が行われました。内容構成は以下のとおりです。
(1)行政手続電子化の進展と計画概要
(2)民間EDIネットワークの進展と計画概要
(3)Web-POLINET、Cyber-POLINET
(4)POLINETとSea-NACCSの競合
(5)海貨業および船社・代理店のEDI事情
(6)官民情報ネットワークの問題点と対応策
(7)海貨業務システムASPサービス(eForwarder)
(8)官民EDIネットワークのあるべき姿
(9)港湾物流情報プラットホーム構想
(10)今後の展望と期待
 
2.7.3 平成15年度国際貿易におけるEDI化調査特別委員会事業計画(案)」について
 事務局より、「平成15年度国際貿易におけるEDI化調査特別委員会事業計画(案)」について報告がありました。これについて意見交換が行われました。
 
2.8 第8回貿易手続簡易化特別委員会(平成15年2月18日)
2.8.1 「貿易取引電子化における文書標準化について」
 四方田委員より、「貿易取引電子化における文書標準化について」と題する資料について概要説明がありました。「商社(荷主)・ユーザーの立場より書きました。技術ではなくあくまでビジネス文書の標準化について述べました。帳票標準化の延長線上にEDI標準化が進展してきたがスムーズではない面があります。EDIの意義は処理高速化、業務効率化などですが、その意味で文書標準化は必須です。個別EDI、完全統一化EDI、標準フォーマット中心EDI、を種類別に説明しました。TEDIを事例にフォーマット標準化の動向を書きました。普及に向けての標準化の課題として、文書標準化の困難さ、項目共通化の困難さ、マッピングの困難さ、差別化戦略と標準化、標準化のコスト/効果、手続き申請制度の規制問題があります。標準化は避けて通れないものであり最終的にはトップダウンの経営戦略になります。課題解決への道としてBPRの必要性やマッピング作業の重要性を述べ、自発的普及促進の限界の項では民間の自発的努力とともに政府・公的機関のバックアップが望まれることを書きました。」
 
2.8.2 「損害保険に関わる電子商取引」について
 塩野委員より平成14年度報告書「損害保険に関わる電子商取引」についての説明がありました。「貿易金融EDIの損害保険における効果。EDI化のメリットには直接的効果と間接的効果があるが、現状メリットの享受はない状況と考えています。電子保険証券の作成作業は個別に始まっています。商法上の保険証券必要項目はシンプルです。電子証券の開発にあたり標準化の取組みが行われています。ボレロやTEDIでの使用を目指してXML方式が採用されています。項目数も絞られ、実用化を検討する段階に入ってきています。
 保険証券の譲渡においては、保険証券は流通するが有価証券ではないためEDIの場合、裏書が必要でないことを述べています。シングルウィンドウ化と損害保険では、シングルウィンドウ化における輸入通関時のデータ項目、今後の方向を述べました。最後に、ペーパレスのリスクと保険について触れました。
 
2.8.3 「輸出入通関業務におけるEDI化の現状」について
 飯田委員より「輸出入通関業務におけるEDI化の現状」と題する報告書の内容について概要説明がありました。「輸出入・港湾関連手続のシングルウィンドウ化に関連し、通関業界にかかわる3つのシステムを紹介しました。まず 『JETRASとNACCSの連携』ではその連携による機能追加、連携後の業務の流れ、連携時の注意点を書きました。次に『NACCSへのインターネット接続(netNACCS)』では、netNACCSの稼働日、netNACCS概要、netNACCSと現行NACCSの関係図、netNACCSの留意点、netNACCSの特徴、等について述べました。3番目の 『税関手続申請システム(CuPES)』では、対象業務は308業務であるが、一般申請等の業務、インボイス関連業務、輸出入申告(NACCS)とインボイス関連業務(CuPES)、CuPESの総括、NACCS回線利用者におけるCuPES連携、に分けて説明しました。2月6日にNACCS回線利用者でGW接続およびDI接続の場合にはCuPESへの接続ができない事になり、ユーザーにとって使い易いというシングルウィンドウ化の考え方から外れたものになりました。」
 
2.8.4 「ebXMLにおける電子取引合意手法」の表題について
 菅又委員は既に報告済みであるが、同委員の報告書の標記の表題に関して、同委員および各委員に確認を行った結果、以前の説明時に用いた表題「コンピュータ間における電子交換合意形成」を採用することに合意しました。
 
2.8.5 「ODRに関する勧告案(Rev.12)」について
 朝岡委員長より、「オンライン裁判外紛争処理(ODR)に関する勧告案(Rev.12)」および「ICCのODR勧告案に対するコメント」が提出され、その説明が行われました。「ICCは、各国政府がB2C ODRについて、関連法の制定、強行的認可制の導入に動くのは時期尚早であると考えています。その基本的立場は、(1)自己規律的規則の開発奨励、(2)グローバルなODRの開発奨励、(3)法廷手続要件を求めない、(4)管轄権と適用法に関する法的枠組みの提供です。」ICCは「勧告案に対する全般的コメントで、勧告案の説明理由と適用範囲の明確な記述を求めています。個別的コメントでは、5勧告のうち第1、第2については歓迎指示、第4には反対、第5では一部文言(ODRの指示に従わない者、権限を濫用した者)の削除を提案しています。」UNCITRALからも詳細コメントが出ています。
 
2.8.6 「UN/CEFACT運営グループ(CSG)概要報告」
 伊東氏(国連CEFACT副議長)より、「UN/CEFACT運営グループ(CSG)概要報告」の説明が行われました。SSP(サポートサービスプロバイダー)の指名でOASISとの成果物の取り扱いが議論されました。国連は、IPR(知的所有権)は国連に帰属し無料公開するとの原則を主張しています。また、UN/CEFACTの運営費用徴収是非についての議論がある等の報告がありました。
 
3. 平成14年度EDIセミナー開催
 平成14年10月10日(木)13:00〜17:00、メルクパルク東京3階「牡丹の間」において、「電子貿易取引における国際ルールの構築について」という共通テーマの下に、平成14年度EDIセミナーを開催しました。セミナーの演題及び講師は次のとおりです。
(1)「国連CEFACTにおけるEDI標準化への取組み」
 講師:伊東健治氏 (国連CEFACT副議長、(財)日本貿易関係手続簡易化協会理事)
(2)「電子商取引の法的側面:取引当事者間協定書(TPA)への取組み」
 講師:朝岡良平氏(早稲田大学名誉教授 商学博士)
(3)「国際電子貿易取引の動向:実例(ボレロ)を中心に」
 講師:服部平典氏((株)UFJ銀行EC業務部調査役)
(4)「新世紀EDIの技術展望:ebXMLによる電子ビジネスコラボレーション」
 講師:菅又久直氏(電子商取引推進協議会主席研究員)
 
(朝岡 良平)







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