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3. パネル討論会
 
 3.1 学会活性化への寄与と今後の方向性について
 YME派遣事業を、今後どのように学会活性化に反映させていくことができるかを中心に討論した。今回のメンバー6名のパネラーに加え、第1回および第2回使節団リーダーの幅田望氏、および段智久氏にもパネラーとして出席頂いた(写真8、9)。
 まず、「YMEネットワークの構築」について意見が述べられ、これまでのYMEメンバーがメーリングリストによってネットワーク上で情報交換、意見交換を行えるようになっていること、ひとりの発言が全員に配信されることで、ネットワーク上での会議が成立する体制になっているとのことであり、今後はYMEメンバーに限らず若手会員が自由に参加できるようにして行きたいとのことであった。マリンエンジニアリングに関する様々な議論や情報交換をネットワーク上で行い、あるまとまった意見が固まった段階で、本学会の理事会、あるいは各種委員会に若手会員から提言してゆけるような体制作りを行い、YMEネットワークから学会の活性化に貢献できるようにして行きたいとのことであった。
 
写真8
 
 
写真9
 
 
 次に、「YMEデータベース」の構想についての意見があり、YME各使節員が派遣事業での訪問先の情報、具体的には「誰がどこに行って、どんな分野の人とコンタクトをとったのか」をデータベース化し、本学会にHPとして立ち上げ、会員全員の共有財産としてゆきたい、というものであり、利用者がコンタクトをとりたい海外の訪問先、相談先の窓口に、YMEメンバーが担当者としてコーディネートできるように体制を整えて行きたい、とのことであった。
 研究委員会に対しても、何かYMEメンバーとして貢献して頂きたい、という意見も出され、具体的にはYMEデータベースの人脈を活かして、ISMEなどの国内での国際会議に海外からの講演者を招へいする、などの案も出された。
 
 3.2 フロアーからの意見 続いてフロアーからの意見を求め、畔津前国際交流委員長からは、本委員会をどのようにしたかったかについて述べられた。第1期では「若手の育成」と「学会としての国際化」であり、第2期に2つに分岐して研究委員会が一つの柱となって活性化してゆき、もう一つの柱として若手の活性化としたことで現在に至っているが、未だまとまったベクトルになっているとは言えず、YMEネットワークを活用して、若手からの企画を研究委員会に反映して行って頂きたい、とのことであった。同様の意見として、従来の古典的な方法から脱皮するべきで、若手から提案していってもらいたい、との期待が大きいとのことであった。
 
4. おわりに
 総括として葉山会長より、今回の派遣事業でYMEメンバー達は貴重な経験をして、大いに自己研鑽されたと思うので、今後に活かして行って頂きたい、会長ご自身の若かりし頃、欧州の各企業を見て周られたときの経験を述べられ、「行って、見て、討論してくる」ことが1番であり、人脈も出来て行き、その経験が大きな士気となる、それはやはり行った者でないとわからない、それゆえ多くの若い人達に経験してもらうべきである、また国際会議発表に関して、どのような論文のテーマがあるのか、それだけでも最先端の情報収集である、と若手会員を海外に派遣する意義について述べられ、今後も本事業を続けて行けるようにお願いして行く、とのことであった。
 最後に、志摩委員長から、今回討論された内容は国際交流委員会で検討していき、できるところからやって行きたいとの言葉をもって、本帰朝報告・討論会を閉会した。







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