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はじめに
 私達、「介護を支えるヘルパーの会 in Sapporo」は、正職員、パートタイマー等の雇用身分を問わず又民間・公的施設等の所属事業所を問わない、ホームヘルパーなら誰でも入会できる任意の会です。ただ入会条件として挙げるのであれば、自分達ホームヘルパーが介護保険制度の一番大事なところを支えているのだ、という事を認識しているかどうかということと、今の介護保険制度を自分達の声でより良いものにして行こうという意志があることです。
 
 現在、当会に所属するホームヘルパーは、殆どが民間事業所の所属であり、9割以上がパートのホームヘルパーです。皆、それぞれ大変厳しい条件とはいえ毎日一生懸命にサービス活動をしております。それは、誰もが、自分達が手を抜けば、利用者に被害が及び、結局は地域で介護を支えるという、介護保険制度の趣旨が生かされないと考えているからです。
 
 でも、私達は最近、自分自身も含め、正直なところホームヘルパーは心身共に疲れ果てているのではないかと感じます。何故こんなに心身ともに疲れるのかと考えてみましたし、皆と話しもしてみました。その結果、一ついえることは、何かしら不安があるからだ、ということでした。国・道・札幌市で多くの時間を掛けて作った介護保険制度の中で、なぜ私達は心身ともに疲れるくらいの不安を持たなければならないのか。
 きっと何かが足りないのだと思います。私達は、その足りない何かは、ホームヘルパーへの配慮ではないかと考えました。実際、私たちの抱える不安に対する配慮は何一つなく、そして不安を聞いてくれるところもありません。
 
 私達は、この考え方について、他のホームヘルパーも同じ思いを持っているかどうか、そして、同じであるならばどうやって改善に取り組めるのかを考えるために、6月10日に「介護を支えるヘルパーの集会 NO.1」を開催致しました。
 この集会では、私達の職場に於ける働き方について、弁護士の中野先生から客観的且つ法律的視点も踏まえ、ご提言いただき、その後、職場・雇用形態の異なる2人のホームヘルパーそしてサービス提供責任者の方々の現場報告を中心にパネルディスカッションを開催致しました。
 様々な不安や問題点について意見が出されましたが、何れも現行制度下では事業所と労働者の関係では解決できる内容ではないと感じました。
 やはり、介護報酬単価の引き上げ改善やホームヘルパーに対する配慮の施策充実など、国・地方自治体等の行政レベルでの改善対応が必要であります。
 
 そのため、現状ホームヘルパーの生活・就労実態について直に「声」を集める事が大事であるとし、集会終了後より「ホームヘルパーの生活・就労実態に関する調査アンケート」を実施し、これまでに1500名に対して同アンケートを配布致しました。
 そして7月15日には、「介護を支えるヘルパーの集会 NO.2」を開催し、この時点で回収された243通のアンケートを基に中間集計報告を行い、今後、私達ホームヘルパーがすべき事は何かについて、議論致しました。
 
 本書は、その後回収されたアンケートの分析も含め、これら一連の活動及び内容についてまとめたものであります。私達は本書によって明らかにされているホームヘルパーの実態については是非改善をすべきであると考えることから、私達なりの改善提案も明らかにしてあります。
 私達は、本書を編集するにあたり、常に脳裏に浮かんでくるのは、中野弁護士が基調講演の中で私達ホームヘルパーに提言された、「これまでホームヘルパーの労働条件については一度も議論されていないのだから、自分達で主張しなければ」という言葉です。
 当事者である、私達が声を出さなければ介護現場の実態については明らかになりませんし、私達の処遇改善も実現しません。
 本書を手にされた方の協動を願って止みません。共に頑張りましょう。
 
2001年9月
 
介護を支えるヘルパーの会 in Sapporo
会長 島崎 理恵







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