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(6)ティラーの持ち方と乗艇位置
 実際には、状況に合わせて図14〜図16の持ち方を組み合わせて使いますが、まずは肩の力を抜いて、図14の体の横で持って練習を始めます。
 
ティラーとエクステンションティラー(補助テラー)の角度が、直角に近く、操作に必要な力が少なくてすむ、初心者はまずこれから。直角になるようにエクステンションを長く持ったり、短く持ったり調節する。
図14 体の横でテラーを持つ基本的な持ち方
 
 
艇の内側に座る必要のある時や、強風の波の高い風下帆走時など、力強い操作が必要な時に適する。
図15 ティラーとエクステンションティラーを一緒に持つ持ち方
 
 
持ち手が体の中心にくるので疲れない、大きな操作には不向き。ラダー操作がうまく、ラダーを動かす範囲が小さくてすむ上級者は、この持ち方が多い。
図16 体の前でティラー持つ持ち方
 
 
(7)ラダー操作とヨットの進路(基本操作)
 ヨットの進路は、舵(ラダー)で操作します。速いラダー操作や艇速が速い時は舵が良く効き艇もすばやく反応しますが、艇速のない時はラダーを動かしてもヨットは向きをかえません。まず走らせることが大切であること忘れずにおきましょう。
(1)ラダーを中央にする 一 直進 (図17)
 
 
(2)ラダーを切る(動かす)方向と逆に進路がかわる(図18)
 
 
(3)進路が変わり、目的の進路になったら、ラダーを戻す(再び中央)
 実際には少し早く戻すとちょうどいい。戻さなければ、さらにそこから回ってしまう。(図19)
 
 
(8)出艇、着艇の留意点
 OPヨットは、ラダーやセンターボードが船底よりも下に出ています。このため、出艇、着艇時には、十分な水深(大人の太もも)まで、出してから取り付けなければなりません。特に着艇時は海岸に乗り揚げてしまい、ラダー、センターボードを壊してしまうことがよくあるので、絶対してはいけません
 
 
ラダーをスターンのピンに取り付けます。ストッパーがある場合は、抜き方も覚えておきましょう。
図20 ラダーの取り付け
 
 
 各少年団の活動状況はスロープを利用するところや桟橋を利用して活動しているところなどいろいろでしょう。スロープでヨット引き上げる時は滑って転倒しないように注意し、ラダーを外してから艇を引き上げます。桟橋では桟橋の間にはさまれたり、艇がぶつからないように注意しましょう。それぞれの活動場所の条件が異なってもヨットを大切にすること、けがをしないようにすることは同じです。砂浜でのガラス片や大波にも注意しましょう。
 
 ここでの練習では、セーリングの前に、セールのついていないヨットで出艇、着艇の動作を練習しておきます。乗り降り、バランス、ラダー操作、艤装、解除、運搬、後片付けなどスムーズにできるようになりましょう。後片付けは、みんなで協力して、水洗いして塩出しをしておきましょう。わからないことは、コーチに遠慮せずに聞きましょう。
 一艇に2人の大人が付き添うことが望ましいので、お父さんやお母さんの協力を頼んでおきましょう。







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