日本財団 図書館


1−2−3 マリーナ整備の前提としての整備候補地へのアクセスの向上
 1−2−1および1−2−2で概括したとおり、ポイント「L」、「O」ともに主要道路からのアクセスの状況が決して良好ではない。
 マリーナ整備を推進していくためには、伊勢市内から宇治山田港湾方面へむけた陸上交通アクセスの整備構想の推進が求められる。
 なお、伊勢市内から宇治山田港湾方面への陸上交通アクセスの現状と整備構想は、下図および次頁の図のとおりである。
 
図 伊勢市内における交通アクセス
(拡大画面:331KB)
 
図 宇治山田港湾周辺の交通アクセス
(拡大画面:432KB)
 
[参考] マリーナ整備構想策定の一般的な流れ
(1)マリーナ整備計画策定フロー
 一般的なマリーナの整備計画策定においては、下図に示すフローに従い検討が進められる。ただし、下図のフローは広域的若しくは候補地が多数存在する場合等から適地を選定し、具体の計画を策定する場合のフローである。
 本検討においては、既に候補地が2箇所に絞り込まれているため、各候補地の具体の整備計画策定から作業を進めることとする。(下図のフローにおいては、「基本計画(整備方針等)」以降(点線の枠内)からの作業となる。)
 
図 一般的なマリーナ整備計画作成フローと本調査における作業内容
(拡大画面:168KB)
(資料) 「マリーナの計画」鹿島出版界、「海洋性レクリエーション施設 計画とデザイン」技報堂出版 等を参考に作成。
 
(2)整備構想策定における検討・留意事項
 マリーナの整備計画策定において検討・留意する事項として、一般的に「表 自然条件の一般的な検討指標」、「表 社会経済条件の一般的な検討指標」、「表 観光・海洋レクリエーション条件の一般的な検討指標」に示す項目が示されている。
 これらの検討項目の内、本検討においては候補地が一つの港湾の中に近接していること等から、各候補地がほぼ同一の自然条件、社会経済条件を持つと考えられ、それらの検討項目は限定される。
 また、候補地を含む周辺地域は、歴史的に伊勢神宮への海からの玄関口であったこと、放置艇対策として周辺のマリーナ・ボートパーク整備構想も立てられていること等に鑑みた検討を行う必要がある。
 以上のことから、候補地周辺の地域性を重視した検討・留意項目を抽出し、基本計画(整備方針等)策定の際に、十分留意することとする。この抽出を行った検討・留意事項を「表 本整備計画の中で特に検討・留意を図る項目」に示す。
 
表 本整備計画の中で特に検討・留意を図る項目
検討・留意事項
自然条件 風況 ・艇の常時係留方向は、横風をできるだけ受けない配置とする。
景観 ・周辺の景観と調和のとれた各種構造物の形状、デザインとする。
具体には、伊勢市の「風景条例」等を参考とする。
社会経済条件 土地利用 ・将来の土地利用に鑑み、将来の背後土地利用に支障がないようにする。
・法規制による影響に十分鑑みる。
交通体系 ・現状及び将来の交通網整備状況に配慮したアクセスの確保を行う。
・勢田川の「川の駅」等と連携し、地域の新たな水上交通の核となり得る整備、運営方法を検討する。
水域利用 ・既存利用、法規制に与える影響に十分鑑みる。
港湾の種類と施設利用状況 ・他の航行船舶との共存を図る。
関連計画 ・関連計画、上位計画との整合を図った整備方針とする。
観光・海洋レクリエーション条件 観光資源の利用状況 ・地域特性を踏まえ、他地域との差別化を図る。
・施設、施設の立地上、高いアピール性を持たせる。
・既存の施設、資源とのネットワーク化を図る。
既存マリーナの分布とその利用状況  ・計画されているマリーナ、ボートパーク等との機能分担を図る。
・クルージング寄港地として適切な施設整備を図る。
他の観光レクリエーション資源 ・他の観光、レクリエーション資源との連携を図る。 







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION