日本財団 図書館


◆スタッフに訊く・・・1
朝川 秀樹さん
●28歳 男性 ボランティアスタッフ 勤続年数10ヶ月
 
●施設について
 はぐれ雲は非常に家族的な場所です。自分は常に自然体であり、はぐれ雲という場所で生活していて違和感を感じたことはありません。子供達ものびのびと生活していると思います。
●在籍生の変化に気づくとき
 子供達の変化は生活習慣の改善で良く分かります。彼らのほとんどが入寮当初は夜型で、それが次第に朝方になっていくのを見るとだいぶ変化してきたなと感じます。
●在籍生との関わりで注意している点
 彼らが自分達で考え、解決方法を見つけていくことが重要だと思っています。こちらから指導的なことを言おうとは思いません。あくまでも全体を把握しての放任です。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 子供に良い変化の兆しが見えたときですね。
●辛いと感じるとき
 特にありません。
●施設での自分のポジション(役割)
 10代の子供が多く、共同生活をしている上で先輩的な存在で彼らと接しています。どちらかというと放任主義で、子供達のトラブル(ケンカ)については割って入り仲裁することはないですね。当然のことながら目は光らせていますが。
●代表・その他のスタッフについて
 代表である川又さんは理解不能です(笑)。佳子さん(川又さんの奥さん)はすばらしい人ですね。本当に。
 
◆スタッフに訊く・・・2
野本 大輔さん
●27歳 男性 正規スタッフ 勤続3年(内ボランティア1年)
 
●施設について
 初めてボランティアスタッフとしてはぐれ雲に来たときには、すごく賑やかで大家族的だというイメージを持ちました。まったく特別な場所ということはなく合宿のような共同生活場所です。
●在籍生の変化に気づくとき
 子供達が成長したな、変わったなと思うのは、やっぱり生活習慣や生活態度の変化じゃないですかね。朝起きて夜寝る。人に気を遣えるようになる。気がきくようになる。そんなちょっとした変化かもしれませんが、そこに気づいてあげることが大事だと思います。特にアルバイトに行くようになると、かなり変化するという印象を受けます。社会に出て行くことで、様々なことを子供達なりに学んでいるのでしょう。それに気づいたときが一番スタッフをしていてうれしいところですね。もちろん、そんな子供達から自分が勉強させられることもしょっちゅうです。
●在籍生との関わりで注意している点
 スタッフとしては、子供達の個々の状況を見て、踏ん張らせるためのサポートを最大限にしたいと思っています。初めは最低限の共同生活ルールすら守れない子供もいます。しかし、そこは根気強く彼らと付き合っていくことがスタッフの役目ではないでしょうか。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 先ほど述べたようにちょっとした変化であるかもしれないけれども、その変化に気づいてあげられたときですね。
●辛いと感じるとき
 ないですね。
●施設での自分のポジション(役割)
 農作業担当ですかね。農作業では土に触れたり、古い道具をあえて扱ったりすることで、子供達は様々なことを学んでいると思います。手で扱う古い道具は人間が生活してゆくための知恵の塊ですので。そのような生活するために使う五感を養うことも大切にしたいです。
●施設の今後について
 はぐれ雲は非常に地域に密着しています。老人や障害者、その他いろいろな人が触れ合い、関わりあうことができる場所です。それは自分にも子供にも非常に良い経験であり、社会に出たときにも多くの局面で役に立っと思います。ですから、これからも地域に密着し、地域に育てていただくような施設でありたいですね。
●代表・その他のスタッフについて
 川又さんはぱっと見た目普通のおじさんなんですよ(笑)。でも、佳子さんもそうなんですが、実はしっかり全体を見ている。視野の広さや気配りに非常に優れていて、スタッフやボランティアの足りない部分をフォローしてくれています。
 
★在籍生に訊く・・・1
●16歳 男性 在籍年数11ヶ月
●入寮する以前の状態と入寮のきっかけ
 中学生時代にちょっと悪ふざけが過ぎて(笑)、親のすすめで来ざるを得なくてはぐれ雲に入寮しました。
●入寮当時の施設の印象
 初めは嫌々でした。でも仕方なく・・・。帰るためにはここでがんばるしかないって思いました。
●現在施設で行っていること(作業・通学・勉強など)
 今は農作業を中心にしたプログラムをしています。
●施設で楽しいこと
 いろんな人がここで共同生活をしているので毎日が面白い。後は親友(注・・・次に登場する在籍生)と遊ぶときですね。
●施設で辛いこと
 辛いところといえば周りに何もないこと(笑)。コンビニがない。お菓子とか漫画とかが買えない。遊ぶ場所がない。門限が午後8時っていうのも結構辛いです。あとは朝6時半に起床・・・でも起きないと「つけ」(はぐれ雲ではルール違反に「つけ」制度を採用している。「つけ」は食事の片付けや掃除等で払わなくてはならない)がたまっちゃうから起きます。
●入寮後自分の中で変化したこと
 生活習慣と態度かな(笑)。
●今の目標
 バイトもやりたいと思うけど、今は高校の合否があるんで。合格したら兵庫県の高校に行くので、バイトを今始めちゃうと、合格したときにお店に迷惑をかけてしまうから。とりあえず合格が目標ですね。
●将来について
 できるだけ早く就職したい気持ちもあるのですが、今は自分が本当にやりたいことを探しています。早くお金を稼いで、家にお金を送りたい。家の事情もあるし罪悪感っていうか親に迷惑をかけているので・・・
●現在の施設の印象
 本当、毎日が合宿状態です。今は同じ部屋の親友もできて、それなりに楽しい毎日です。ここにはいろいろな人がいます、本当に。普通に生活していたら出会わなかった人ばっかりです。でも一緒に暮らして見て嫌なときもあるけど、全体的には面白いです。共存っていうか。
 
★在籍生に訊く・・・2
●17歳 男性 在籍年数1年3ヶ月
●入寮する以前の状態と入寮のきっかけ
 こいつ(前出の在籍生)と似たようなもので(笑)。ちょっと悪ふざけが。親に言われて仕方なくはぐれ雲に来ました。ただ、自分でもそのとき、周りの環境を変えたいと思ったので、本当は嫌々でなかったかもしれません。嫌は嫌だったんですけどね。
●現在施設で行っていること(作業・通学・勉強など)
 今は道路工事のアルバイトをしています。家にいたときは親がいつも忙しくて家の事情なんて全然分からなかった。でも親と話すようになってから、実際に家計が大変だっていうことを知りました。早く一人前に仕事ができるようになり親に送金してあげたいです。
●施設で楽しいこと
 仲間がいるから楽しいですよ。
●施設で辛いこと
 風呂が共同ってことと、使いたいときに使えないのはつらい。後は朝のトイレとか(笑)。
●入寮後自分の中で変化したこと
 昔はその瞬間が楽しければ何でも良かった。でもここで生活して先のことを少し考えて行動できるようになった。視野が広くなった気がします。仕事のことなんか昔は考えもしなかったし。ずっと地元には帰りたいんですけど、数年は帰らないと思います。帰っちゃうと甘えてしまうし。
 何か悩んだり問題を抱えたりしたときに自分で解決する方法を考えるようになりました。もちろんスタッフにも、川又さんにも相談するんですけど、まずは自分で考えようっていうように変化しましたね。
●今の目標
 一人前の仕事ができるようになることです。
●将来について
 親を楽させたい。今はそれぐらいっすかね。
●現在の施設の印象
 ここでは仲間だけではなくいろいろな人がいるし、多くの人と会う機会がたくさんあります。それが本当に楽しいです。毎日が合宿状態なので、みんなでワイワイした感じで暮らせるのも良いですね。一緒に食事したりとか。
●他の在籍生との関係
 みんな仲いいっすよ。親友もできたし。
●代表・スタッフの方との関係
 川又さんは友達みたいです。対等に何でも話せちゃうっていうか。佳子さん(川又さんの奥さん)はお母さんです。その他のスタッフの方は友達であり、お兄さんお姉さんみたいな存在です。
 
▼団体詳細
団体名称●NPO法人 北陸青少年自立援助センター Peaceful House はぐれ雲(ピースフルハウス ハグレグモ)
代表者名●川又 直(力ワマタ ナオシ)
所在地●〒939−2204 富山県上新川郡大沢野町万願寺144番地(カミニイカワグンオオサワノマチ)
電話番号●076−467−0969 FAX●076−467−3597
URL●無し E−MAIL●farmfirm@tateyama.or.jp
設立年度●1987年 在籍生平均在籍年数●1年
入寮生数●男・・・11人 女・・・6人(平均年齢・・・20歳) 入寮定員●男・・・12人 女・・・6人
通所生数●若干受け入れ有り。
年齢制限●無し 性別制限●無し 相談業務●有り 家庭訪問●有り
親の会●有り(会員105人) 会報発行●有り(年4回)
特記事項●隔月で寮生の両親参加の一泊父母研修会を行っている。通所生は原則的に受け入れていない。
スタッフ状況●日中・・・作業にはスタッフが必ず付く。夜間・・・共同生活のため夜間にはスタッフも代表も同じ場所に宿泊。
スタッフ●正規・・・男2人・女2人/ボランティア・・・男1人・女―人/その他・・・男―人・女―人
 
▼通所費・入寮費
通所生●―
入寮生●入会費・・・30,000円/月額負担金・・・148,000円。寮から学校やアルパイトに通う寮生は142,000円/設備拡充費・・・30,000円
 
▼生活
日課スケジュール●[午前]6:30・・・起床・散歩/6:50・・・朝食・清掃/8:00・・・勉強会/9:00・・・作業開始。これが基本スケジュールで農作業組、アルバイト組、通学組によって多少異なる。[午後]12:00・・・昼食/1:30・・・作業又はスポーツ/5:00・・・風呂/6:00・・・夕食。以降自由時間。就寝時間は他人に迷惑をかけなければいつでも良い。
週末・休日●繁期を除いて土曜日の午後と日曜祝日は休みになる。但し、食事当番はある。
食事●食事は当番制でスタッフと一緒に当番の寮生が作る。アルバイト組、学校組、作業組等の食事時間に幅がある。朝食、日・祝日の食事当番はじゃんけんで決めている。
清掃●自分の使っている部屋は自分で清掃し、共同場所は毎日の日課としてスケジュールに組み込まれている。清掃区域があり、それもじゃんけんで決める。但し、風呂とトイレは持ち回り。
年間スケジュール●1月・・・スキー合宿・陶芸教室・父母研修会・鴨鍋祭り・地区ビーチボール大会。1〜2月は合宿と別に頻繁にスキー/2月・・・全国雪合戦大会・メキシコ研修旅行/3月・・・父母研修会。3〜10月は農作業プログラム/4月・・・地域春祭り参加/5月・・・父母研修会・親子田植え/6月・・・町内ビーチバレー大会/7月・・・立山親子キャンプ/9月・・・親子稲刈り合宿/10月・・・町内ビーチボール大会/11月・・・町内駅伝大会・父母研修会/12月・・・クリスマスパーティー
※この他にも月に一度奈良、大阪等へのソフトボール交流試合や青創協キャラバン隊参加等のイベントがある。







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