日本財団 図書館


●施設における自立の定義
 はじめ塾の子供たちは小・中・高校生と、まだ若い子が多いので年齢相応のことができればいいと思っています。例としては、中学3年生・高校1年生ぐらいなら合宿所で全員分の食事が作ることができる、といったことです。年齢相応のことができるということを毎年積み重ねていくことが、最終的に、生活力を身に付け、自立につながると考えています。
●在籍生の就職状況とその支援体制
 中卒で就職を目指す子もいます。ここでは、様々な活動の中で出会った人々の職業に魅せられて、その業界で就職する子も少なくありません。できるだけ多くの体験と人との接触を子供たちに提供し、彼らに「やりたいこと」を見つけてほしいです。すべての活動が子供たちの未来に良い影響を与え、可能性を広げていけるように工夫しています。
●在籍生のアルバイトの可否・その状況と支援体制
 自分を取り戻した後に、親への負担を気にし、生活費を補うという理由ならばアルバイトを認めています。高校に行かない子で、親の負担を減らすためにアルバイトに従事する子もいますが、遊ぶ目的でのアルバイトは原則的に認めていません。
●作業(有償/無償)の有無・その内容と状況
 私たちが行っている活動のすべてにおいて、無償作業(ボランティア)という意識はありません。すべての活動・時間・場所で自分たちがその担い手であり主人公であるからです。言葉で自覚していなくとも、実際に活動風景を見るとその子が主人公としてがんばっているかどうか分かります。学習も作業も生活の一部であり、「自分のためにやっている」のだからボランティアという意識はありません。必要なときに必要なことを自分のために行っているだけです。
 
地域の方々から提供された杉林。ここを雑木林にしようと代表と親子が一緒に伐採・植林。
 
山北町にある合宿所・市間寮。週末は全員ここで合宿。薪を拾ったり米を釜で炊くなどを全員で協力して行う。
 
市間寮の中心には昔の農家に手入れをした母屋。そこが集会や食事をする場所になる。片隅には囲炉裏もある。
 
芸術家の方々と一緒に切った木を利用して様々なものを創っている。
 
市間寮でのすべては、自立した生活を送ることへの訓練となっている。
 
市間寮に隣接したゲストハウス。子供たち建設した。他にも陶芸や炭焼きができる設備も市間寮にはある。
 
●教科学習の必要性とサポート体制
 不登校児には学習拒否に陥っている子が多いので、自分を取り戻せたときに初めて学習会活動に参加をさせます。いきなり勉強をさせてしまうと、最終的な自立が遅れます。学習拒否をしてきた子には学習以外の活動を通じて、自分を取り戻し、学習意欲の自然発生を待つことにしています。
●在籍生の心理的サポート体制
 もちろんカウンセリングを含めた心理的サポートは24時間です。
●外部医療機関との連携
 医療体制は外部との提携を密にしています。
●在籍生の保護者へのサポート体制
 親御さんへの心理的サポートも当然24時間です。また、はじめ塾では「母の会」がしっかりしているので、それもまた大きなサポート体制になっていると思います。
 
近隣の農家の方から農地や山林(下の写真)を借りて、お米や野菜を栽培している。
 
広大な土地。どう楽しく利用するか、面白い遊びを考えるかも子供たちの創造性次第。







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