MHPC(マインドヘルスパーソナリティーセンター)付属
うつみね健康学園
ウツミネケンコウガクエン
代表者名●矢吹孝志[ヤブキタカシ]
所在地●〒963−1244 福島県郡山市田村町栃本字水沢527
電話番号●024−985−1005 FAX番号●024−985−1007
悩み傷ついた若者にとってのゆったりとした癒しの場
●報告―若月 正勝
[NPO新潟青少年自立援助センター代表]
国道49号線から車で数分、うつみね山の麓に位置するうつみね健康学園は、近所でおじいさんが炭火焼をしているような自然豊かなところである。代表の矢吹さんが1993年に私財を投じて作り上げた、悩める青少年が見失った自分を再発見し、立ち直るきっかけを見出すための施設である。
矢吹さんは1974年にマインドヘルスパーソナリティーセンターを設立し、健康、教育、産業に関するトータルカウンセリングを行っており、精神心理面のケアを中心に自らの“気付き”の中で心的葛藤に対して自己処理する技術の習得を図ることを指導理念としている。不登校やひきこもり、就業困難に対する訪問カウンセリングを行っており、悩める青少年の共同生活の場としてうつみね健康学園を活用している。
施設は、入所者用宿泊棟、来客用宿泊棟、食堂、大型風呂、散策コースなど立派なものである。代表の「これからの若者のための理想郷を」という熱意が感じられるものだった。
「自然の家うつみね」の玄関に続く道。周りには豊かな自然があり、空気も非常に良い。また、とても静かな場所であり、在籍生にも評判が良い。 |
きれいな内装の食堂は清潔感があり、風通しの良い造りになっている。スタッフと在籍生は毎日ここで食事をする。 |
在籍生が使用する共同部屋。畳もとてもきれいである。整理整頓は各自の責任で行われる。 |
入所者の日常のスケジュールは非常にゆったりしたものになっていた。朝のミーティング、食事の手伝い、掃除、草むしりなどである。悩み、傷ついた若者にとっての癒しの場としては最適な環境だと思ったが、次のステップである実社会に適応するための研修施設があれば尚よいと思う。現在地鶏を350羽飼育しており、これを規模拡大し実体験の場とする構想があるという。今後に期待したい。[調査日―2002.06]
■代表者に訊く
矢吹 孝志さん
●MHPC(マインドヘルスパーソナリティーセンター)付属うつみね健康学園代表
●団体の特徴
代表の矢吹孝志氏は独自の指導理念を考案し、理想郷「自然の家うつみね」を福島県郡山市郊外の自然豊かな地に自力で建設し、主に東北近県で講演活動や家庭訪問などを精力的に行っている。
施設は70名が居住可能で、木工工作棟、屋外バーベキュー場、風呂棟、来客用宿泊棟などが完備されているが、きめの細かいケアをするために入所者数を20名に限定している。
鶏(地鶏)を350羽飼育しており、その卵を近くのスーパーなどに出荷販売している。将来的には飼育規模を拡大し、入所者の社会復帰のための作業施設として本格的に活用する計画を持っている。
●卒設の基準
本人が自覚的行動を取れることです。しかし、卒設は本人次第(本人が出たいと言えば原則として止めない)となっています。
研修部屋。ここで様々な研修を行う。普段は生徒の卓球場として解放されている。中央にあるのが卓球台。 |
鶏飼育場では350羽の鶏を飼っている。生みたての新鮮な卵は近くの店に出荷している。 |
普段の食事は代表の奥さん(写真右)とスタッフ、そして食事当番の在籍生が作る。 |
自然に囲まれた場所にある、外装内装ともに非常にきれいな来客用の宿泊棟。 |
お風呂棟への道。まるで温泉に向かうような気分になる。両脇の緑が爽快感を与える。 |
お風呂もまるで温泉のようである。きれいな浴槽の外に広がるのは緑豊かな自然。 |
●年代別目標
特に年代別に目標は設定していません。
●施設における自立の定義
自立とは自己選択、自己責任、自己管理、さらに自己“気付き”による自己処理です。(生活リズム、対人コミュニケーション、自分自身の葛藤の処理)
●在籍生の就職状況とその支援体制
入所者の就職については各自に任せていますが、必要があれば代表やスタッフが相談に乗ります。また、アシスタントになるという選択肢もあります。
●在籍生のアルバイトの可否・その状況と支援体制
現在、アルバイトをしている生徒はいませんが、本人の意思に任せているので、やりたいという希望があれば応援します。
●作業(有償/無償)の有無・その内容と状況
現在の作業(鶏の世話)は無償です。将来的には鶏の飼育を本格的にやり、有償にすることも考えています。
●教科学習の必要性とサポート体制
通信教育:そのための時間を午前中に取っています。分からない箇所はスタッフがアドバイスします。
●在籍生の心理的サポート体制
普段は佐々木チーフスタッフ(次に登場するスタッフ)が主にサポートをしています。必要に応じて心のケア(カウンセリングなど)を行います。
●外部医療機関との連携
特にありません。
●在籍生の保護者へのサポート体制
親からの相談にはいつでも電話で応じられる体制になっています。
|