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蔵王いこいの里
ザオウイコイノサト
 
代表者名●岩川 松鶴[イワカワ ショウカク]
所在地●〒999−3114 山形県上山市永野字蔵王山2561−1
電話番号●023−679−2214(代) FAX番号●023−673−2610
URL●無し E−mail●無し
 
大自然の中、山荘手伝いを通して考える自立への道
●報告―河野久忠
[NPO法人青少年自立援助センター北斗寮代表]
 
 蔵王いこいの里はその名のとおり山形県の蔵王山麓にある。里をめざして車窓から景色を眺めていると、次第に民家もなくなりそれと並行して積雪も増してきた。近隣にはスキー場が多数あり、そこから望める雄大な景観はとてもすばらしいものだった。
 私たちが到着すると在籍生がスキーの道具を一式抱えゲレンデヘ向かっていった。職員の方に聞くと冬の間はスキー中心の活動になるとのこと。いこいの里に来る子どもの多くはスキーの経験がほとんどなく、初期的にはいこいの里の生活を含めて積極的になれない子どもが多いと聞いたが、私たちが見た子どもたちは生き生きして、心底楽しそうに見受けられた。その辺のお話を聞いてみると、最初こそ家に帰りたがる子もいるが、自分の役割や目標ができるとだいぶ変化してくるという。そして、そのきっかけになるのがスキーであると。最初こそ転んでばっかりだが、職員たちの親身な指導である程度滑ることができるようになると、あとは自分自身で積極的に、早く次のステップに進めるようにのめりこんでいくとのこと。一冬を越えると多くの子どもたちは一級のスキー検定に合格するというから充実の度合いもそこからはかれる。また、そのようなレベルまで到達した子どもたちは、数多く訪れる小学生のスキー学校のインストラクターをやり始めると言うから驚きである。おそらくこの大自然の中で体を無心に動かしていくことによって、頭の中を雪のように白くし、余計な不安や恐怖を取り除いていっているのだと思う。その中から自信を取り戻し元気になってきているのだろう。
 
蔵王いこいの里は、スキー場としても有名な蔵王の恵まれた大自然の中にある。代表の岩川さんはエコー山荘という民宿も同時に経営しており、在籍生は自立支援プログラム・社会勉強を兼ねてお店を手伝うこともある。
 
一歩出れば、そこには広大なスキーエリア。在籍生は通常年間パスを購入して冬の間スキーで体を鍛えている。
 
山荘経営と一体化していることもあり、子どもたちは自然と広いスペースのある食堂へ集まってくる。
 
 また、いこいの里の雰囲気はとても家族的で、在籍生の話からも時には厳しく、そして全体的にはとても温かい環境であると感じられた。代表である岩川さんもけじめの部分には厳しく、その他の時はとても穏やかな人柄で、その辺のメリハリが子どもたちに良い影響を及ぼしていると思う。職員の方たちもそれぞれに個性があり、大家族としてのポジションが適切に決まっていた。よって子どもたちも甘えられる場所が分かっており、うまい具合に利用していっている。その上さらに雄大な自然との絶妙なバランスがあり、いこいの里というスペースは成り立っているのだと感じた。[調査日―2002.02]
 
食事は当番制で、食堂の大きなキッチンを利用する。食事は全員で一緒に取り、片付けは各自で行う。
 
在籍生の作業所兼遊び場。奥には卓球台やビリヤード。ここの床や壁の張替、天井修繕も在籍生の手で行った。
 
山荘内以外にも同じ敷地内に在籍生用の寮がある。
 
お風呂はエコー山荘の大きな温泉を利用。脱衣所のペンキ塗りや破損箇所の修繕なども在籍生の手で行われている。
 
スタッフ・富谷さん「本当に完成すると思えなかったが、部屋をみて大工仕事を覚える速さと正確さに驚いた」。
 
現在利用されている二人部屋。建物がしっかりして、幅のある断熱材が使用されてるので内部はかなり暖かい。







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