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(11)
(11)―法会の祈りで、意識を集中するために尼僧が結んだ曼陀羅の印。中央に立てた二本の中指が曼陀羅の中心、すなわち宇宙の中軸にそびえ立つ須弥山である。
 
(12)
(12)―カーラチャクラ砂曼陀羅の制作。描かれているのはいわば宮殿であって、カーラチャクラ本尊をこの中心に招聘し、法王みずからがその本尊と一体化して灌頂法会を行う。法会が終わると曼陀羅は毀され、砂は川に流される。
 
(13)
(13)―草原で行われたラパプ・ドゥチェンの祭に参加し、翌朝野宿から目覚めた二人の男。季節は十一月中旬、標高四千七百メートルのこの場所の最低気温は氷点下十度に達していた。それなのにこんな薄着で夜を明かすとは。
 
(14)
(14)―ヤクの乳搾り。牧草の豊かな夏の間は、朝夕二度の乳搾りができる。しかし牧草のほとんどない厳冬期になるとヤクは痩せ細り、乳を出さなくなる。そのため遊牧民たちは、越冬の前に多くの家畜を売る。
 
(15)
(15)― 一本のロープを使い羊を数珠つなぎにして乳搾りをするチャンタンの遊牧民。平均標高四千九百メートル、ヒマラヤの高峰に遮られた、西チベットのチャンタン高原は乾ききっており、八月というのに雨はほとんど降らず牧草もまばらにしか育たない。







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