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(5)有川 行雄
●造船できない。
年齢:昭和14年生まれ
経歴: 昭和29年15歳で串木野造船(壽工業)に入って、5年弟子をした。入った時から1日100円もらった。5年終わって親方からサシガネをもらった。昭和52〜3年(25年位前)頃からFRPに代わった。
船種:串木野造船で建造していた大型船の造船にかかわった。
船材:仕入れの担当がやるので知らない。
調査者:石原 義剛
 
(6)児玉幸一郎
●造船できない。
年齢:大正4年生まれ
経歴: 終戦(昭和20年)の頃、30歳で造船とかかわるようになった。串木野にあった岡下、浦和、串木野、児玉という4つの大きな造船場のひとつ児玉造船の3兄弟の中男で、海軍から帰ると直ぐ、兄からヨキをもたされた。(造船場へ出された)それから大型船の造船を(経営側として)やって来た。
船種: 39t型マグロ船、サバ船
50〜60t型漁船など。
   
調査者:石原 義剛
 
(7)吉行 昭
●条件付で造船できる。体力を考えながら。
年齢:昭和5年生まれ
経歴: 昭和10〜20年頃,14、5歳頃、枕崎木船補導所に入所。終戦後は父親に習った。経験は57年、動力付の櫓船を約90隻ほど造った。
船種: 薩摩型和船 ボラ網船、キビナゴ網船 長23尺、幅5尺 櫓
牛深型和船 一本釣り、カシ網 長18尺、幅4.5尺  櫓 長20尺、幅4.6尺 船外機
丸まげ 定置網 長33尺、幅9尺 動力付き
準船 鐘張 長20尺、幅5尺 動力付き
川船(新川船) 長25尺、幅5尺 動力付き
イサベ型 定置網伝馬船 長15尺、幅4尺 櫓 船外機
牛深型 イカヒキ船 長12尺、幅3.5尺 櫓 船外機
船材:スギ・地元釘・昔は鍛冶屋。現在は広島の尾道
 
調査者:大畑 和代
 
(8)大迫 紀雄・久光
●条件付きで造船できる。
年齢: 紀雄・昭和2年生まれ
久光・昭和31年生まれ
経歴: 紀雄は満州から帰って、(兵隊にとられんため)昭和18年16歳で広島・音戸の造船場へ見習い工員として2年行って終戦となり、笠沙に帰り叔父の西田成造について本格的に地元の木造船を習った。10年もしない昭和30年頃、独立した。FRPは木造船をやっていたので乗り遅れ、昭和54、5年に転換した。久光はコンピュータ関係の会杜に勤めていたが、昭和51年頃帰って父親・紀雄から造船を教わった。
船種: コブネ(サツマガタ)一本釣り、網漁用 カワラ長20尺位、幅4.2〜4.3尺 帆船では幅を広く造る。
漁船(6〜7t) 山川から東市来まで30隻位造った。
イサバテンマ 小型運搬用(100t位の船をひっぱる) 長2〜3m、櫓
船材:杉・地元の杉(ミヨシも) 釘・大阪から取り寄せた
調査者:石原 義剛
 
(9)藤野 寿吉
●造船できる。
年齢:昭和12年生まれ
経歴:昭和30年18歳で父親に習った。経験は47年。
船種: 一本釣り漁船 長12m、幅2.8m
アイノコ 漁 長8m、幅1.5m
船材:スギ・宮崎のオビスギ 釘・大阪から
調査者:安冨 俊雄
 
(10)坪山 豊
●造船できる。
年齢:昭和5年生まれ
経歴: 昭和33年頃28歳で船大工・海老原万吉に弟子入りし、4年習った。経験は44年。1800隻ほど造った。現在、奄美大島で行われる船競漕の船はほとんど坪山の造った船である。
船種: 和船 長12m、幅3m
サバニ 長12m、幅2.8m
アイノコ 船競漕用
伝馬船
船材: スギ・宮崎のオビスギ(日南・油津)。鹿児島タカクマ山。釘・尾道(ミツワ商店)
直近造船:現在建造中。
調査者:安冨 俊雄
 
(11)坪山 良一
●造船できる。
年齢:昭和38年生まれ
経歴: 平成4年30歳で父親・坪山豊から習った。まだ10年ほどなので、完全に一人で造るまでには至らない。
船種:アイノコ レース(船競漕用)長12m、幅2.8m
船材:父親に同じ
調査者:安冨 俊雄
 
(12)岩井 宏
●造船できる。
年齢:昭和7年生まれ
経歴:昭和27年頃20歳でめぐみ造船所(塩浜)に勤めた。経験は50年。数百隻造った。
船種: 漁船 サバニ
アイノコ 漁 長6〜8m、幅5〜6尺
板付け船
船材:スギ・宮崎(油津)オビ材 釘・天草や鹿児島市
調査者:安冨 俊雄
 
(13)堀江 勇
●造船できない。
年齢:昭和17年生まれ
経歴:昭和45年28歳で父親から2年習った。経験は30年。
船種: 渡し船 長15〜18m、幅4〜5m 動力
☆岸壁ができるまで、沖に本船が止まり渡しとして使用した。
船材:スギ・油津から 釘・鹿児島市中島船具店
調査者:安冨 俊雄
 
(14)吉川 良文
●造船できない。
年齢:昭和6年生まれ
経歴:昭和33年27歳で名瀬にでて5〜6年習った。経験は44年で10隻ほど造った。
船種:板付け船(くり船に近い) 漁 長7m、幅1.5m 5〜6馬力 櫂を予備
船材:スギ・宮崎油津 木ねじ・鹿児島市の方
直近造船:昭和37、8年頃まで。
調査者:安冨 俊雄







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