(11)大塚 勝利
●造船できる。
年齢:昭和17年生まれ
経歴: |
昭和32年15歳で浜久須の久須造船所に勤め4年見習いして1年弱お礼奉公した。経験は45年。木造船は約70隻造る。 |
船種: |
テンマ 長6.8m、幅1.9m 櫓 ダンベ 運搬 長12m、幅3m 漁船 長11m、幅2m 舟ぐろ舟(6隻) 長12m、幅1.8m |
船材: |
スギ・舟ぐろ舟は地元材を使用。漁船は宮崎、対馬の両方。 釘・尾道 |
直近造船: |
平成14年に舟ぐろ舟を2隻造船した。 対馬の「舟ぐろ」舟建造できる船大工の1人。 |
調査者:安冨 俊雄
(12)木寺 新
●造船はできない。
年齢:大正13年生まれ
経歴: |
昭和14年頃16歳で代々船大工の家で父親に習った。5年間ほど修業した。経験は63年、120〜130隻ほど造船した。最後の木造船は20年前。 |
船種: |
漁船 イカ釣 長15m余、幅4m 地舟(少し)長5〜8尋位まで。原図を描いて造船する。 |
船材: |
スギ・対馬材。日向ベンコウ。 釘・広島(木江町) |
調査者:安冨 俊雄
(13)木寺 真盛
●造船できる。
年齢:昭和23年生まれ
経歴: |
昭和42年19歳で父親・木寺 新につき5年間習った。経験は35年、木造船は30隻くらい父親とともに造った。 |
船種:漁船 イカ釣 長15m、幅4m(5〜20t) |
船材: |
スギ・対馬や日向ベンコウ 釘・広島の木江町 |
調査者:安冨 俊雄
(14)木寺 悟
●造船できる。
年齢:昭和17年生まれ
経歴:昭和32年頃15歳で父親に習った。経験は45年、150隻位造った。
船種: |
漁船 一本釣り、延縄、タイ釣り 長11m、幅2.5m テンマ 長6〜7m、幅1.5m 櫓か船櫂 |
船材: |
スギ・漁船用は宮崎。テンマは地元 釘・尾道 |
調査者:安冨 俊雄
(15)権藤 昭
●造船はできない。
年齢:昭和7年生まれ
経歴: |
昭和26年頃19歳で西泊の船大工・財部住平(イ偏がつく?)に弟子入りし3年修業した。経験は23年ほど。 昭和47、8年頃から急速にFRPに代わり、木造船の注文が減ったので船大工をやめた。 |
船種: |
漁船 イカ釣 長8m、幅2m 長12mも。 定置網 長16m、幅4m 5〜7t |
船材: |
スギ・日向材、肥後材 釘・広島尾道 |
調査者:安冨 俊雄
(16)須川 寅雄
●造船できない。
年齢:昭和8年生まれ
経歴:昭和28年20歳で父親に習った。
調査者:安冨 俊雄
(17)山上 延夫
●造船できない。
年齢:昭和8年生まれ
経歴: |
昭和23年15歳で仁位浜造船所に弟子入りし5年勤めて1年お礼奉公をした。(最初のころは)子守や水汲みなど仕事以外のことを手伝った。経験は50年余。最後の木造船は30年前。 |
船種:テンマ船
船材:スギ・地元材と日向ベンコウ 釘・広島
調査者:安冨 俊雄
(18)阿比留一磨
●造船できない。
年齢:昭和8年生まれ
経歴: |
昭和24年頃16歳で父親について5年ほど習った。(父親?)は船大工の3代目。職人が10人ほどいる造船所で、製材所ももっていた。経験は50年で、木造船は20年前が最後。 |
船種: |
漁船 イカ釣、のべ縄 長・最大20m、幅12尺 ☆父親のころには和船(木船)を造っていた。ダンベや幅の広い漁船も建造していた。屋久島や鳥取県からも注文があったという。 |
船材: |
スギ・福岡の業者か、熊本の営材所。 マツ、ケヤキ、クスノキ・地元材 釘・尾道からクギ船が定期的にやってきていた。(シマヤ商会)木江町 |
調査者:安冨 俊雄
(19)服部 一見
●造船できる。
年齢:昭和30年生まれ
経歴: |
昭和46年に16歳で叔父に弟子入り見習い4年と1年のお礼奉公をした。経験は30年、昭和51年頃まで木造船を40隻位造った。 |
船種: |
漁船 イカ釣 長20m、幅4m テンマ(和船) 一本釣り 長8m、幅2m |
船材:スギ・対馬材、福岡。ケヤキ・対馬 マツ・対馬 釘・広島(尾道)
調査者:安冨 俊雄
(20)永留 末広
●造船できる。
年齢:昭和35年生まれ
経歴:昭和51年16歳で父と兄について4年習った。
船種: |
漁船 3隻 一本釣り 長6尋4尺、幅8尺 舟ぐろ舟 4隻 長12m、幅1.6m |
船材:スギ、ヒノキ・舟志(地元) 釘・広島(尾道)
直近造船: |
10年前、厳原と豊玉の舟ぐろ舟を造船した。(父と兄と)現在、対馬南部で競漕用船を造船できる唯一人の人。 |
調査者:安冨 俊雄
(21)平山 清之
●造船できる。
年齢:昭和13年生まれ
経歴: |
昭和28年頃15歳で父親に習った。昔は30人位職人がいた。 設計図にあわせるより、木に合わせて船をつくらされた。 |
船種: |
伝馬舟・地舟 長16〜20尺。6m、幅1.5m 漁船(5t未満)一本釣り 長7尋2尺。 11m、幅1.2m(長さの1割位の幅) 作業舟 ダンベ舟 長50尺。15m、幅4.5m |
船材: |
スギ・対馬材、日向・福岡から。 作業船はスギとマツ 漁船はスギ、ヒノキ、ケヤキ 釘・広島(尾道)地元の鍛冶屋 |
直近造船:平成12年に伝馬船を造船した。
調査者:安冨 俊雄
(22)中庭 一義
●造船できる
年齢:昭和8年生まれ
経歴: |
昭和24年頃15歳で父親につき5年ほど習った。(4年見習い、1年お礼奉公)経験は52年、100隻ほど造った。 |
船種: |
漁船(象ハナ型から流線型へ) 一本釣り 長9m(6尋)、幅1.8m、動力 伝馬船 ケイづきデンマ 海女、男用 長5m、幅1.2m 櫓いまは動力 地舟も少々(地元の人か造っていた) |
船材: |
スギ・対馬材や福岡から。ヒノキ・対馬より 釘・厳原の石井船具店 |
直近造船:小伝馬は平成13年まで造った。
調査者:安冨 俊雄
(23)阿比留日昭
●条件付で造船できる(道具があれば)
年齢:昭和15年生まれ
経歴: |
昭和40年25歳で父親にならって、35年の経験。2,300隻位造った。父親の時代には20人位の職人がいて、軍港だったので、軍の船も建造したという。 |
船種: |
漁船 長12m、幅2.7〜8m 真珠作業船 長8m、幅2.5m 船外機 地舟 長7m、幅1.6m 櫓 |
船材: |
スギ・対馬、福岡から(日向材)。 釘・広島、木江町(イワミ商店) |
直近造船:10年前まで木造船をやっていた。
調査者:安冨 俊雄
(24)山川 光重
●造船はできない。
年齢:大正9年生まれ
経歴:昭和10年頃14歳で父親に3年習った。経験は67年、数百隻造った。
船種: |
漁船 イカ釣 長キール45尺、幅12尺 運搬船(35t)貨物船 テント船 |
船材:スギ、ヒノキ・唐津 釘・広島(尾道)
直近造船:14年前に郷ノ浦町の競漕船を2隻建造した。
調査者:安冨 俊雄
(25)土肥 衛
●造船できる。
年齢:昭和5年生まれ
経歴: |
昭和20年15歳で勝本町の船大工・大久保に弟子入りし、7〜8年修業した。その後、一時、福岡造船へ就職した。経験は57年ほど。 |
船種: |
漁船 一本釣り 長8尋、幅9尺 イカ釣 長12m、幅2.7m 舟ぐろ舟 ミーキブネ 長8m、幅1.6m |
船材: |
スギ・熊本から。 釘・広島(木江、イワミ商店) |
直近造船: |
平成3年に勝本町聖母神社の祭典で現在も競漕がおこなわれており、その船を建造した。 |
調査者:安冨 俊雄
(26)丸谷 満義
●造船できる。
年齢:昭和11年生まれ
経歴: |
昭和26年15歳で祖父と父親に10年位習った。経験は55年、550隻位造った。木造船は24年前まで。 |
船種: |
漁船 一本釣り、延縄 大 長25m、幅4.5m 小 長4.5m、幅1.5m |
船材: |
スギ、ヒノキ・福岡、唐津 釘・広島(尾道) |
調査者:安冨 俊雄
(27)小金丸吉正
●造船できる。
年齢:昭和12年生まれ
経歴: |
昭和28年16歳で父・小金丸定一につき5年ほど習った。経験は50年、1200隻位造った(と思う)。最後の木造船は22、3年前まで。 |
船種: |
漁船 一本釣り 長11.5m、幅2.3m 真珠の作業船 |
船材: |
スギ、ヒノキ、クス・唐津より。大きい船は福岡の野田林業。 熊本、宮崎のイゲスギ 釘・尾道(イワミ商会) |
調査者:安冨 俊雄
(28)小金丸晴俊
●造船できる。
年齢:昭和22年生まれ
経歴: |
昭和45年23歳で父親につき5年習った。(5年見習い1年お礼奉公)70隻位造った。広島の大崎上島の造船学校で技術を習ったという。木造船は約15年前、昭和61、2年頃まで。 |
船種: |
漁船 一本釣り、イカ釣、海人用 大 長24m、幅3.4m 小 長7.5m、幅1.7m 海人船 検査船 |
船材: |
スギ、ヒノキ、マツ・小型 福岡、佐賀、熊本、地元 ベイマツ、タイワンケヤキ・大型 釘・尾道の靹で地域分けをする。木江(イワミタカノリ商店) |
調査者:安冨 俊雄
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