■東京都
(1)平野 喜一
●造船はできない
年齢:昭和2年生まれ
経歴: |
昭和18年16歳で父・平野倉吉(明治32年生まれ、故人)について習った。徒弟期間ははっきりしないが、船一隻を手掛けるようになったのは22歳ころから。戦後は弟の明義(昭和7年生まれ)と兄弟で船を造った。昭和43年に廃業するまで25年間。 |
船種: |
ベカブネ(養殖海苔採取用・長14.5尺、幅2尺5寸〜3尺1寸・櫓、櫂) ノリブネ(沖合海苔養殖漁場へのベカブネ搬送用・長12.6m、幅1.8m(様々な寸法あり)・動力付き) |
材料:杉、ケヤキ・近在より入手 釘は地元・大森の船釘鍛治より。
直近造船:平成8年、大田区立郷土博物館へ「ベカブネ」を造船提供した。
調査者:藤塚 悦司
(2)小島 康信
●造船はできない
年齢:大正6年生まれ
経歴: |
父・小島竹次郎(明治19年生まれ、昭和45年没)の仕事を子供の頃から見習っていた。昭和12年から終戦頃まで、羽田〜横浜の造船所へ手間取りに行っていた。昭和37年廃業。 |
船種: |
ベカブネ(養殖海苔採取用・長14、5尺、幅2.5〜3.1尺・櫓、櫂) チュウベカ(養殖資材運搬用・長約6m、幅約1.4m・櫓櫂) ノリブネ(沖合海苔養殖漁場へのベカブネ積載搬送用・長約12.6m、幅約1.8m ☆寸法に各種あり・動力船) ツリブネ(遊漁客用の釣船・長約6.8m、幅1.8m・櫓櫂) |
材料: |
船材は多摩川上流の八王子あたりまでの範囲で入手。釘は地元大森の船釘鍛治から入手。 |
直近造船: |
平成8年「チュウベカ」「ツリブネ」を大田区立郷土博物館へ、同年「ベカブネ」を小学校資料として造船した。 |
備考: |
下記の船大工の存在が報告されたが、未調査。 ・藤原 一善 昭和2年生まれ ☆江東区の親水公園の船を造船している。 ・佐野造船所 ☆現当主・龍太郎の父が木造船の船大工で、10数年前に江東区でビデオを作成していたと思う。 |
調査者:藤塚 悦司
(3)ダグラス・ブルックス
●造船できる
年齢:1960年生まれ(アメリカ)
経歴: |
船大工であり、船舶雑誌ライター、海洋史家。古船の造船を専攻し、アメリカの数多くの博物館で伝統的な船の建造に携わって来た。日本にきて、和船の造船に関心をもつ。 1985年24歳の時に、佐渡で藤井孝一、東京で宇田川信治、藤原一善に和船の造船技術をそれぞれに習った。藤井に1ケ月、宇田川に1ケ月、藤原に6ケ月。 通算15年の造船経験になる。 |
船種: |
佐渡のタライ船5隻、ベカ1隻、伝馬船1隻、猪牙船1隻。 材料:ヒノキ、スギ 釘・横浜大村物産 |
直近造船:2003年
調査者:ジェイムズ・ハフマン
|