日本財団 図書館


宮城県
 
(1)岩渕 文雄
●造船できる。現在も建造中
年齢:昭和6年生まれ
経歴: 岩手県大東町の生まれ。昭和22年16歳で唐桑町の船大工・鈴木喜右衛門に弟子入りし、修業をつづけ、昭和33年宿浦港に造船所を構えて独立した。
その後、524隻の木造船を建造した。平成12年、宮城県卓越技能者として県知事賞を受賞した。
船種:
直近造船:現在、525隻目の木造船を造っており、予約が待っている。
調査者:インターネット他
 
新潟県
 
(1)室本徳太郎
●条件付で造船できる。(平成14年に引退したが)
年齢:大正8年生まれ
経歴: 昭和14年に20歳で船大工の父について5年習った。戦時中に合同造船に携わったほか、約60年の経験。
船種: フネ(あるいはカワフネ)
大舟(渡し舟・10m×1.3m・櫂)
中舟(荷舟・9m×1.2m・櫂)
小舟(サケとり舟・8m×1m・櫂)
材料: 現地の朝日村三面で材を整える。
落とし釘・村上の鍛冶屋
チキリ(リューゴ)使用
調査者:赤羽 正春
 
(2)小田勝之助
●造船できない
調査者:赤羽 正春
 
(3)中村 誠
●造船できる(サンパ)
年齢:昭和8年生まれ
経歴: 昭和25年17歳で、山形県温海町の鼠ケ関の舟大工五十嵐孝次郎に弟子入り。その前1〜2年地元釜谷の舟大工のところで下働きしていた。鼠ケ関では7〜8年修業した。修業中でも4〜7月は島に帰って定置網(ダイボウ)に乗った。24歳で独立し以来粟島浦で造船、サンパは47隻、チャッカは3〜4隻造った。定置網のドウアイは岩船の小田造船で造った。
船種: サンパ(アワビ、ウニとり、釣り漁用・23尺×5尺4寸5分×深さ1尺5寸・櫓と練り櫂)
チャッカ
定置網船 ドウアイ(大)、オキノミ(魚積み船)、タカフネ(小)、テンマ(コウラブネ)
材料:地元産のスギ 釘は尾道より仕入れ 道具は村上
直近造船:20年ほど前
備考:赤羽正春の紹介で尋ねた同島の本保建男の紹介による。
調査者:石原 義剛
 
(4)坂井 喜一郎
●造船できる
年齢:昭和19年生まれ
経歴: 昭和37年頃18歳で新潟市寺泊産業造船部に入り、3年間半習得してから家で父親の仕事を手伝った。父親は坂井造船。いままで経験40年。
船種: 動力船(10〜11間×3間・ヤキダマ→チャッカ→ディーゼル・出雲崎港の動力船の9割りを造った)
サンパ
材料:地元産 釘は尾道
調査者:赤羽 正春
 
(5)茂木 利夫
●造船できる
年齢:昭和4年生まれ
経歴: 昭和20年頃父が出雲崎造船をやっていたので手伝って技術を身につけた。戦時中は中島飛行機にいた。復員してからは親と一緒にやった。経験は50年。
船種: サンパ(地曳網・手繰網、7m×1.5m、2枚棚・櫓)
マルキ(釣り船、延縄、箱型8m×1.8m)
チャッカ(マルキに動力を積載したもの、8m×2.1m)
カワサキ(2枚棚、タラ延縄・櫓)
材料:地元産スギ 釘は近隣の鍛冶屋
直近造船:15年前に造って最後
調査者:赤羽 正春
 
(6)信田 恒雄
●造船できる。◎後継者・昌仁がいる。
年齢:昭和8年生まれ
経歴: 昭和25年17H8歳で赤泊の船大工金子三郎に弟子入りして7年、ついて歩いた。21歳の時、新潟市の本間造船、岩瀬造船で働き、独立した。
船種: 動力船(最大は19トン・底曳網・15m×3.5m・ディーゼル)
カワサキ船(5トン)は数艘造った。(10m×2.5m・5丁櫓)
磯船を専門としている。(長7m×幅1.5m・櫓)
☆サンドイッチという工法を使った。板のうえにFRPを吹き付けて船を造る。1日1尺といい、10尺の船は10日で形にした。
材料: 木は地元。船大工は山を買って材をもっていた。いい材を見立てて木挽きが板に挽いた。釘は新潟の山口鉄工、両津の野鍛冶屋・高野の釘が強くていいので使った。
直近造船:20年前(板にFRPを吹き付ける)
調査者:赤羽 正春
 
(7)山口 博
●造船できる。◎後継者・山口 学がいる。
年齢:昭和14年生まれ
経歴: 昭和32年18歳で父が船大工だったので兄弟でともになった。
20歳まで相川の加藤造船で修業、1年お礼奉公し(師匠、北海道小樽市古平で定置網主に3年船大工として雇われ徒弟期間は8年だった。昭和40年にのれん分けで独立。)
船種: イソミブネ(海のイソブネ、磯見漁・7m×1.2m・櫓、櫂)
サンパ(延縄・着火、焼玉)
オコシブネ(定置網の起こし・北海道・着火、焼玉)
材料: スギ・山を買っていい材を見つけると木挽きに挽いてもらう。材は山から馬で出したものだ。釘・自宅の隣の鍛冶屋
直近造船:現在も小船は造っている。両津市立博物館にあり。
調査者:赤羽 正春
 
(8)中川 仲一
●造船できる
年齢:昭和12年生まれ
経歴: 昭和24年20歳から船大工の父とその職人に木造船の技術を習った。弟子期間は5年。これまで23年の経験。昭和40年から木の船を本格的に造っている。
船種: サンパ(漁用・全長7.5m幅1.2m・櫂)
うち、ホンリョウブネ(本漁船・渡し舟)
 〃 ノウニンブネ(農人船・渡し舟)
コウリンボウ(木の20m以上の砂利運搬荷船で信濃川、阿賀野川水運で稼働した。14間半×幅4m×深さ4尺5寸)
(拡大画面:211KB)
材料: 杉・東蒲原郡谷沢〜北蒲原郡新保にかけて
釘・地元の鍛冶屋
直近造船:現在も造船している。
調査者:赤羽 正春
 
(9)塚田 定信
●造船できる
年齢:昭和14年生まれ
経歴: 昭和30年16歳で船大工の父親に習った。以降、独り立ちするまで親と一緒だった。経験は40年。昭和47年まで木造、48年からFRPに切り替えた。
船種: ドウリョクセン(底曳網・動力船6〜7トン・12m×3m・ディーゼル)
 ☆最初はサンパ型に動力を積んだ。焼玉エンジン、着火。
カワサキ船を父親が造ったのを見ている。
材料: 杉・地元の杉を父親が選んで木挽きが板にした。
釘・地元の鉄工所が作っていたのを使ったが廃業したので、尾道産に切り替えた。
調査者:赤羽 正春
 
(10)牛木 利夫
●条件付で造船できる ◎カワサキ船の寸法を覚えている。
年齢:大正15年生まれ
経歴: 15歳で父親の善茂に付き5年間弟子修業した。30歳になってすぐ任された。経験は45年。越後、越中のカワサキの寸法を覚えているので復元可能。
船種: チャッカ船(底曳船、手繰船・6間×2間・チャッカ、焼玉)
カワサキ(延縄・7間×2間半・櫓)
材料: 地元産の杉・名立川の西側にある杉
釘は鍛冶屋に頼んだ
調査者:赤羽 正春







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION