区分 |
取組事例 |
1 環境保全に係る方針の展開 |
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環境方針 |
(バス協会の取組・見解)
・業界の方針としては、「地球温暖化防止ボランタリープラン」を作成している。
・環境への取組としては、自家用車から公共交通機関への乗り換えを重視している。 |
(B社)
・企業理念に“あんしん”“かいてき”を掲げ、環境保全へ取り組む姿勢を表現している。また、「地域とともに歩み、ともに発展します」と謳っている。 |
(E社)
・明文化された環境方針は持たないが、社長は折りにふれて環境への取組の重要性を訴え、これは社員にも浸透している。 |
環境目標 |
(A社)
・経営計画の中に燃費目標を設定している(エコ運転推進運動開始前の平成10年度比燃費向上率110%)。 |
実施計画の策定 |
(B社)
・「燃料節約および環境保護強調月間」を年2回(5月、9月:準備月間、6月、10月:本月間)設定し、実施している。 |
(D社)
・「エコドライブ強化月間」(11月)を設定し、実施している。 |
2 推進体制及び責任 |
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推進体制の整備・権限責任の明確化 |
(A社)
・全体方針は総務課・経営企画課、燃費の向上・エコドライブ等は整備課が所管。 |
(B社)
・教育安全推進室(安全・環境対策の責任組織)を設置。 |
(C社)
・全体の環境担当組織は設置せず、バス企画チームの労働指導チームが事務局となっている。 |
従業員に対する教育 |
・エコドライブに関連して実技講習会などを行っている例はあるが、体系的な教育は行われていない。 |
3 燃費改善に向けた取組 |
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燃費の把握 |
(A社)
・燃費を営業所ごとに集計(燃費は車両ごとの把握)。 ・燃費計付車両による詳細データの把握。 |
(B社)
・燃費は車両別および営業所全体で把握。 |
(C社)
・燃費は車両別および営業所全体のものを把握。 |
燃費の把握 |
(E社)
・走行距離は路線距離に回送などの情報も付加して計算。
・燃料使用量は給油時に実測値として把握。
・走行距離や燃料は車両別に把握。
・データは月次で本社のホストコンピュータにより集計し、各営業所に通知。
・運転日報には、出勤及び退社時間と担当したダイヤを記入。
・レボカウンターにより、一定のエンジン回転数を越えた回数を、ドライバーが手書きにより記入。 |
燃費改善目標等 |
(A社)
・平成10年度比10%向上
・速度基準設定(高速道路90 km/h、追い越し車線100 km/h)。 |
(C社)
・1990年レベルから10%の燃費向上。 |
4 エコドライブの実施 |
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エコドライブに関する取組と結果の確認 |
(バス協会の取組と見解)
・「黒煙クリーンキャンペーン」「エコドライブ強化月間」等により、エコドライブに取り組んでいる。
・運転手向けのエコドライブ推進のステッカーを作成し、PRに努めている。
・「バス月報」に運行管理者のための研修教材に資料として、環境関連の記事や「エコドライブ実践記録」入賞事業者の取組事例を掲載している。
・技術委員会で取り組んでいる発明考案に対する表彰にも、環境への取組が含まれている。この結果については報告書にまとめ、全事業者に配布している。
・アイドリングストップについて、燃料使用やCO2排出の削減量を定量的に示すと、事業者にとって理解しやすく受け入れられやすい。 |
(A社)
・タイヤ空気圧、エアクリーナーの点検と清掃。 |
(B社)
・燃料節約運動として展開しており、「乗務の手引き」(運行マニュアル)に重点取組項目として11項目を挙げ、ドライバーに義務づけている。
・成績の伸びないドライバーのチェックと指導を行っている。
・成績の伸びない場合、燃料を満タンにしない。
・速度基準を超えた場合には、その回数によって個別指導を行うこともある。
・機器を用いた指導としては、燃料体験車、燃料消費計、エンジンカットカウンター、レボタコグラフ等を活用。
・乗務指導表(チェックシート)をもとにドライバーを指導。
・燃料節約については小集団活動として取り組んでおり、毎月の業務常会(2時間程度)の中で整備主任が指導している。 |
(C社)
・アイドリングストップは、運転方法の改善にポイントをおいて実施している。
・第1段階として、起点・終点でのアイドリングストップを励行(ただし、乗客からの要望で、冷房使用期間には運転開始10分前からアイドリングを実施)。
・第2段階として、エコドライブ運転講習会をメーカーの協力を得て実施。以下の点(特に(1)と(4)の2点)に留意した体験型の走行テストを実施。
(1) シフトアップ時のエンジン回転数の低減(1,000回転でシフトアップ)
(2) 高速段の多用(低エンジン回転で走行)
(3) 一定速運転の励行
(4) 減速時のエンジンブレーキの多用
・次いで、自社での簡易方式の研修会「安全運転と燃費節約運転講習会」を実施。約750名の乗務員のうち、年間100名の受講を目標にしている。
・エコドライブ運転講習会等の「体験」は、乗務員のプロ意識を啓発し、意識付けを図る上で非常に効果がある。 |
(D社)
・強化月間における重点事項:
アイドリングストップ
急発進、急加速の防止
速度に適したギアでの走行並びに適応ギアへの早めのシフトチェンジ
車両の点検整備の確実な励行
燃料の適切な管理
運転者用ステッカーの貼付
ポスターの掲出
・燃費を向上させるための車両要因チェック項目として17項目をあげている。
・月ごとに重点取組目標を定め、取組結果を報告させている。 |
(E社)
・制度上は指導運転手による新人教育を行っている。
・指導運転手は約50人につき1人の割合で配置し、特に技術面と接客面の指導に当たっている。
・社内監査制度を設け、企画調査部員10数名による添乗監査を行っている。安全確認の励行および接客態度を中心にチェックを行うが、アイドリングストップ装置などを使っていない場合にも指導。
・バス乗り場でのエンジンストップの励行を呼びかけているが、冷暖房についてサービス面との兼ね合いは難しく、苦情を受けることもある。
・車内外にアイドリングストップのステッカーを貼り、車内アナウンスでもアイドリングストップについて放送している。 |
エコドライブ実施のための条件整備 |
(A社)
・乗合バス400台のうち、アイドリングストップ装置付きバス(低床式バスでもある)を121台導入。
・すべての車両にタコグラフを搭載。 |
(C社)
・550台のうちアイドリングストップ装置付きバスを50台導入。 |
(D社)
・エンジン回転数記録計付きタコグラフを全車に搭載。 |
(E社)
・平成10年度以降の新規購入車輌は全てアイドリングストップ装置付きの車輌。
・保有する車輌約2,000台のうち463台がアイドリングストップ装置付き車輌。 |
5
低公害車の導入 |
(バス協会の取組・見解)
・低公害車の導入については、大型4社の技術開発の遅れ、インフラの未整備、経営上の状況等により進んでいない。
・地方によっては車両を20年間使用するケースもある。法規制により使えなくなった東京都等の車両が地方で再使用される例も少なくない。 |
(A社)
・「ひと」「まち」「環境」にやさしい新機能を備えたバスを「オムニバス」と名付け導入・運行している。オムニバスは最新規制適合車であり、アイドリングストップバスであるので、環境にやさしいバスとして位置づけている。 |
(B社)
・低公害車としてCNG車を1台購入。
・地域の渋滞が著しいのでDPF(ディーゼル微粒子除去装置)の装着を検討している。 |
(D社)
・高速バス15台と観光バス45台が東京都に乗り入れており、DPFの装着を検討している。 |
(E社)
・車両代替の基準はとくに無く、5ヵ年の中期計画で計画的に進めている。
・近年、車令は伸びてきたが、今後5年程はNOx・PM法の施行や猶予期間に合わせて、200台/年のペースで代替を予定している。
・今後、県の条例が厳しいものになる見込みであり、DPFの装着によって対応していく予定。 |
6 自動車の点検・整備 |
(バス協会の取組と見解)
・環境配慮に対して関心が低いばかりではなく、従来はきちんと行われていた点検整備に関しても、十分な取組ができていない事業者も存在する。 |
(A社)
・地域ごとに整備センター(整備工場)を設置。
・整備工場では車検、営業所で対応出来ない重整備を実施。
・各営業所では、法定点検、ワンマン機、軽作業を実施。
・外注する作業としては、燃料噴射ポンプ、電装系、内装関係などがある。
・近隣他社とは、整備に関する情報を交換している。
・自主的な点検として1.5ヶ月または1万km点検を実施。
・セルモーターの点検は2年毎だったものを1年に短縮。
・タイヤの空気圧は高めに設定(設定値については、タイヤメーカーに確認)。
・アイドリングストップを行うようになり、モーターのブラシの磨耗が激しい。
・車種や使用条件ごとの違いを把握した対応を行っている。
・年間700台程度の車検の結果や路上故障発生報告書、整備発注記録等のデータをもとに、毎年作業内容の見直し、車種にあった整備基準を策定している。 |
(B社)
・整備工場を設置している。定期点検は外部に委託している。
・部品の悪くなるまでの期間を把握し、その前に清掃、交換を行うための基準(インターバル基準)を設定している。
・整備基準は車種ごとに設定している。
・車種別整備基準の見直しについては、車種ごとに傾向値を把握し、故障対策会議において見直しを行っている。
・自主的点検として、1.5ヶ月点検を実施している。
・エンジンカットを行うことによりセルモーターに負担をかけるので、セルモーターの点検は従来より早めに実施じている。
・環境に配慮た点検事項としては、目視(45日ごと)、スモークテスターを用いてのチェック(3ヶ月ごと)、エアエレメント(湿式)の交換(1年ごと)等
・住民からの苦情としては黒煙に関するものが多い。
・黒煙防止対策としては、黒煙濃度30%以上(規定50%以上)の車両の整備、黒鉛街頭調査を実施している。 |
(C社)
・整備工場は別会社化、ただし、専属的な存在。
・古い車両は走行キロに応じた1ヶ月点検を実施している。
・整備は1ヶ月点検がベース。車両の使い方、年式にあわせて実施。
・整備方法は検視がベース。部品点検やクリーナーの清掃について基準値は法的な基準に準じて実施。
・黒煙については目視で確認。測定器の点検は1ヶ月点検では行っていない。
・エアクリーナーの清掃は、1ヶ月点検を実施。 |
(D社)
・車検整備は外部に委託している。
・1ヶ月点検、3ヶ月点検については、営業所ごとにある認証工場で点検整備。
・整備に関する社内基準を設け、定期交換部品の時期設定等を行っている。
・整備基準の見直しについては、月1回の整備主任者、整備管理者が出席する会議において情報の集約を行い、随時、改定を実施。
・エンジン内部洗浄や排気ガス削減装置の取付けについて検討中。
・小型車についてはエンジン内部洗浄を実施。
・乗合バスについては再生タイヤを使用している。 |
(E社)
・整備工場は各営業所にあり、ほとんどのところで車検も行える。
・1ヵ月点検は、廃止せず実施している。
・黒煙対策についてはお客様や社内の黒煙についての声は活かすようにしている。
・独自の点検項目があるが、全ての項目について数値を定めているわけではない。
・整備に関して営業所間では情報交換を行っているが、他社と情報交換することまでは行っていない。 |
7 廃車・廃棄物の排出抑制、適正処理およびリサイクルの推進 |
(A社、B社)
・フロン回収と再利用。 |
(E社)
・代替の際、古い車両は中古車として販売。 |
8 バスの利用促進、
運行の効率化 |
(A社)
・バスの定時性の確保が重要である。 |
(B社)
・公共交通機関の利用促進については、運賃政策が重要。(1)分かりやすい運賃体系、(2)バスカード、共通バスカードの導入、(3)高齢者向け定期券、(4)乗り継ぎ運賃割引等を実施。
・自動車の流入規制を行うのが効果的である。
・平均速度を上げることも重要で、このための方策としては、バスカードの導入など運賃収受システムの改善が必要である。
・一部エリア内のバス運賃を100円とする「100円バス」を運行しているが、これにより乗客は8割増した。
・「100円バス」へのマイカーからの乗り換えは23%となっている。
・運行の効率化については、毎朝夕、バス優先レーンに対する自家用車利用者への理解を求める立ち番を実施している。 |
(C社)
・利用者は、早く、安く、回数が多いという利便性で交通機関を選択している。
・現金での利用者は少なく、共通バスカードの利用者が多い。
・郊外から市内に流入するエリアにバス専用レーンを設け、県警で駐車違反などの取締りは厳重に行ってもらっている。
・地域が電車通勤とマイカー通勤とに区別でき、マイカー利用との関係は、競合というより、棲み分けと考えている。
・慢性的に渋滞が著しい地域なので、マイカーとバスでは所要時間がかなり異なり、マイカーからの乗り換えを図るのは難しい。 |
(D社)
・6ヶ月定期の発行、老人向け割引チケット、「1日全線フリー乗車券」、「環境定期券」を導入。 |
(E社)
・環境定期や高齢者や児童を対象とした運賃制度を導入している。
・今後は、新規免許の関係から、小型バスも増やしていく予定である。 |
9 貸切バス・高速バスについて |
(A社)
・アイドリングストップ装置を装着している。
・サービスエリアなどでのチェックや指導を行っている。
・レボタコを装着し、エンジン回転数に注目している。
・貸切バスの場合のアイドリングストップについては、テレビやカラオケなどが装置の影響を受けてしまうことや、実際のところエンジンストップを行うかどうかはドライバー任せとなることもあり、取組の効果が上がっていない。
・整備について、高速バスと一般の貸切では使用条件が異なるため、期間や距離によって整備内容を変更している。 |
(B社)
・貸切バスはどちらかというとドライバー付きで車両を貸し出しているという感覚が強いので、乗合バスと比較して公共性は薄いと考えている。
・サービスエリアでの冷暖房なども客の要望に応える必要があり、エンジンカットを実施することは難しい。 |
(C社)
・高速バスは等速走行を励行している。
・東京への乗入路線はDPFを装着しなければいけないと思っている。 |
(D社)
・高速バス15台と観光バス45台が東京都に乗り入れており、DPFの装着を検討している。 |
(E社)
・観光仕様のものにはデジタコを装着している。 |
10 管理部門における境保全への取組 |
(A社)
・ごみの減量:裏紙の利用、分別収集を実施している。 |
(C社)
・紙の節約などは本社で実施している。 |
11 社会とのコミュニケーションの推進 |
(C社)
・環境保全への取組をとくに社会にアピールするための材料として考えてはいない。アピールすると市民の目がさらに厳しくなる。 |
(D社)
・住民からの苦情としては、アイドリングや黒煙に関するものが多い。
・苦情が寄せられた場合は、苦情処理簿に記録し、月ごとにとりまとめ、その内容について各営業所へ周知している。
・他の企業と一緒に駅前の清掃や、桜祭りへの協力等を実施している。 |
(E社)
・一般の方30名程度のモニター制度も設けて、サービス等に関する意見を収集し、年に3回程度、一般モニターと社長が同席する会合を開いている |