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関連資料
a. エコドライブ研修について
 ディーラーが研修会を定期的に開催しているほかに、ある程度の台数がまとまれば、普段使用している車両に流量計を取り付けて行う出張研修を実施してくれるところもあります。
 10分ほど通常通りに走行した場合と、エコドライブに関する講習後、再度走行した場合とを比較することによりエコドライブの効果が体験できます。その場ですぐに、パソコンを用いた燃費の解析を行うことが可能です。
 
○研修センター
自動車安全運転センター安全運転中央研修所
(JR常磐線勝田駅よりバスで約20分)
茨城県ひたちなか市新光町605番地16
電話029−265−9560
FAX029−265−9552
中部トラック総合研修センター
(名鉄線三好ケ丘駅より徒歩約20分)
愛知県西加茂郡三好町大字福谷字西の洞21−127
電話0561−36−1010
FAX0561−36−1210
埼玉県トラック総合教育センター
(秩父鉄道永田駅より徒歩約25分)
埼玉県大里郡花園町大字黒田字元川端2091−1
電話048−584−0055
FAX048−584−0090
クレフィール湖東交通安全研修所
(JR東海道線能登川駅より送迎バスで約30分)
滋賀県愛知郡湖東町平柳22−3
電話0749−45−3872
FAX0749−45−3877
自動車安全運転センター安全運転中央研修所以外は、トラック用に設置された施設です。
これまでは、安全運転研修が中心でしたが、近年ではエコドライブ研修も実施されています。
研修内容については、オーダーメイド・プログラムによる対応も可能です。これについては、大阪バス協会主催で実施した実績があります。
 
○研修センターでの研修内容の例
【座学】エコドライブ走行とは
エコドライブの重要性:環境保全、経費削減、安全運転につながること
エコドライブの実践方法:ディーゼル車の特性、燃費向上の特性
エコドライブテクニック:実際の走行データをもとにした環境・経済効果の検証
【実技1】通常運転での走行→エコドライブでの走行
1cc単位まで測定できる燃料流量計を装着した車両を用いて、設定されたコースを通常運転で走行した場合とインストラクターの指示に従ってエコドライブ走行した場合の燃料消費量の違いを検討しながら研修する
【実技2】省燃費につながる日常点検
省燃費につながる保守点検箇所やポイント、日常点検の勘所を研修する
 
○研修センターでの受講費用の例
エコドライブ研修1日コースの場合
普通トラック 18,000円(昼食代、教材費含む)
大型トラック 21,000円( 〃 )
安全運転研修とエコドライブ研修を組み合わせた1泊2日コースの場合 
普通トラック 39,000円(食事・宿泊費、教材費含む)
大型トラック 45,000円( 〃 )
 
○研修センターでのエコドライブ研修1日コースのプログラムの例
9:20 集合
9:30 ストレッチ体操
9:40 開講式 オリエンテーション
9:50 走行方法説明
10:00 第1回目走行 Aグループ(10名:70分) Bグループ(10名・70分)
11:10 省燃費運転/VTR鑑賞
12:00 昼食
13:00 第2回目走行 Aグループ(10名:70分) Bグループ(10名・70分)
14:20 視界特性と死角 *データ集約時間を利用してコースにて安全研修
15:10 実技研修結果データ解説/省燃費運転解説
15:40 閉講式 修了証授与
16:00 終了
 
b. 燃料消費計付き車両を用いた実技教育の具体例(西日本鉄道株式会社)
 西日本鉄道株式会社では、自社の自動車教習所にある教習車(バス)の車内に、燃料消費量が計測できるメスシリンダーを取り付け、新人乗務員に対して実施される実技教育において、省エネ運転を意識すると、燃費は必ずよくなることを指導しています。
 訓練の方法は次のとおりです。
(1)1回目に普通に運転した場合の燃料消費を計測する(教習コース、500m)。
(2)省エネ運転のポイントを説明する。
・アイドリング1分間で約25〜30ccを消費する。
・早めのシフトアップ、ギアチェンジ(エンジン回転数は1,200〜1,500rpmで、できるだけ上のシフトを使用する)
・アクセル操作はなめらかに
・エンジンブレーキを使用すると燃料消費ゼロ
(3)2回目に燃費を意識して運転した場合の燃料消費を計測する。
 メスシリンダーによって燃料が減っていく過程(アイドリングの状態、アクセルを吹かした状態、省エネ走行時)と、1回目と2回目の消費量の差が目の当たりに出来るため、省エネ運転の指導に効果をあげています。
 
c. 燃料消費計付き車両を用いた乗務員別燃費把握の具体例(遠州鉄道株式会社)
 遠州鉄道株式会社では、各営業所に2〜4台の燃料消費計付き車両が路線バスに配備されています。同社では燃費を車両別ではなく営業所全体で把握していますが、燃料消費計付き車両を運行した乗務員は、その都度、個人の燃費を計算し、報告しています。
 燃料消費計付き車両が運行する路線を固定しておくことにより、一定の条件のもとでの乗務員の燃費の比較が可能となっています。
 なお、個人燃費の成績は、人事考課の一部に反映させたり、燃費の良くない乗務員を重点的にその車両の運行に当てることにより、教育指導にも役立てています。
 
d. ドライバーに対する表彰の具体例(関東鉄道株式会社)
 関東鉄道株式会社では、表彰方法として、個人に対してチャート紙の分析結果に基づいたエコドライブの実施状況を評価するとともに、営業所に対しても燃費の値による評価を行っています。受賞者及び受賞営業所の代表者を集めて表彰式が開催され、社報を通じて従業員に伝達されています。
 
e. 営業所に対する表彰の具体例(遠州鉄道株式会社)
 遠州鉄道株式会社では、(社)日本バス協会によって開催される「環境対策を強化する月間」にあわせて、年に2回(6月と11月)営業所ごとの燃費を比較し、表彰を行っています。
 成績の評価に当っては、平成10年度(エコドライブへの取組を本格化する直前)を基準年として、営業所別の燃費を基準年の値に対する燃費の向上率をもとに、各営業所を比較評価しています。営業所別に基準値からの向上率で比較することにより、各営業所が受持つ路線の状況や、車両の構成(大型、中型、小型)等の違いに関わらず営業所同士の比較を可能としています。なお、全社的な目標としては、基準年比で10%の向上を目標に掲げて取り組んでいます。
 取組結果については、毎月1度の所長会議において全所長に伝達され、毎日の所長による点呼などを活用して、全乗務員に周知されています。それと並行して、毎月の営業所別の燃費データが掲示される仕組みとなっているため、乗務員にもすぐに結果が伝わります。
 この省燃費運転への取り組み結果は、会社として各営業所の給与や賞与の原資を配賦する際の評価項目の一つとして、無事故やサービスに加え、燃費も取り入れることによって、反映されています。
 
f. 営業所に対する表彰の具体例(西日本鉄道株式会社)
 西日本鉄道株式会社では、3か月ごとに、燃料消費率で前年対比1%以上の節減を行った営業所を表彰しています。
 前年比によって燃費の改善を評価しているため、改善が進めば進むほど、評価が厳しくなってきていますが、事業所によっては連続して表彰を受けることもあります。
 なお、営業所に対する賞金は、節減した燃料の金額を基準に算出しています。
 
節減率1%以上1.5%未満 節減額×50/1000
節減率1.5%以上2%未満 節減額×70/1000
節減率2%以上 節減額×100/1000
 
 この方法に基づいて出される賞金は、200名規模の営業所で約10万円弱となりますが、その賞金の多寡ではなく、表彰されるという仕組み自体が乗務員の取組を継続させる動機づけの一つとなっています。
 
g. 添乗員による運転・接遇チェックの具体例(西武バス株式会社)
 西武バス株式会社では、乗務員のお客様への接遇サービスレベルが、日常どのように行われているか、専属の添乗員による調査を実施しています。
 添乗員は、各営業所の全路線に配置されており、おおむね起点から終点まで乗車し、各乗務員が基本に忠実な運転操作とあわせて接遇サービスを実施しているかについて、1ヶ月間あたり約1000名の乗務員に対して調査しています。
 添乗員がチェックする項目のうち運転・乗り心地については、発進・停止時の加速の強さや引っ張り運転、急停車、速度や車間距離といった、エコドライブに関する項目も盛り込まれています。
 これらのチェック項目のうち、一つでも不適切な評価があった乗務員に対しては、直接内容を確認したうえで指導が行われます。また、不適切な評価が全く無いという良い結果が一定以上の回数になった乗務員に対しては、表彰が行われます。







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