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2.2.3 移送サービス
 
(1)移送サービスの実施状況
 
 平成14年8月現在、移送サービスの運行を「実施中」の自治体(市町村、東京特別区)は49.0%、「計画中」の自治体は2.4%である。「実施中」と「計画中」合わせて51.4%の自治体が移送サービスに取り組んでいる。
 人口規模別で実施率に大きな差はない。
 
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図2-9 移送サービス実施状況
 
表2−19−1 移送サービスの実施状況(人口規模別)
  実施中 計画中 実施もしくは計画していない 回答自治体数
合計 49.0% 2.4% 48.6% 455
100万人以上 44.4% 0.0% 55.6% 9
30万人以上 47.8% 0.0% 52.2% 23
10万人以上 50.6% 1.3% 48.1% 79
3万人以上 48.0% 2.8% 49.2% 250
1万人未満 51.1% 3.2% 45.7% 94
 
表2−19−2 移送サービスの実施状況(都市部・地方部別)
  実施中 計画中 実施もしくは計画していない 回答自治体数
合計 49.0% 2.4% 48.6% 455
3大都市圏 55.0% 1.0% 44.0% 100
その他 47.3% 2.8% 49.9% 355
 
(2)移送サービスの運行目的
 
 移送サービスの運行目的で最も多いのは、「病院への送迎(74.2%)」である。次いで「高齢者施設への送迎(57.3%)」、「公共施設への送迎(42.7%)」、「障害者施設への送迎(42.3%)」といった、障害者・高齢者の生活に必要不可欠な運行目的が多い。
 自治体の人口規模別にみると、「病院への送迎」は、人口1万人未満の自治体が3万人以上の自治体に比べて高い。「公共施設への送迎」「障害者施設への送迎」「買い物」「レジャー」といった移動目的は、人口10万人以上の都市部の自治体の方が、人口10万人未満の自治体に比べて高く、自治体の取り組みも積極的と考えられる。
 自由回答では、「通院時間が重なり予約が取りにくい」利用者の要望を、課題として挙げている自治体もある。
 
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人口
10万人以上(72) 3〜10万人未満(135) 1万人未満(53)
73.6% 71.9% 81.1%
54.2% 59.3% 56.6%
55.6% 39.3% 34.0%
51.4% 40.7% 34.0%
34.7% 18.5% 9.4%
15.3% 20.7% 9.4%
19.4% 11.1% 0.0%
4.2% 7.4% 3.8%
2.8% 3.7% 5.7%
1.4% 3.7% 1.9%
5.6% 1.5% 0.0%
〈回答事業数合計:260〉
注. 
ひとつの自治体で複数の移送サービスを導入しているケースがあるため、以下の質問は、実施中(一部計画中を含む)の事業数をベースにして集計した(導入時期を除く)。
図2-10 移送サービスの運行目的(複数回答)
 
表2−20−1 移送サービスの運行目的(人口規模別)(複数回答)
  病院への送迎 障害者施設への送迎 高齢者施設への送迎 公共施設への送迎 通学 買物 レジャー その他 回答自治体数
合計 74.2% 42.3% 57.3% 42.7% 5.8% 21.2% 11.2% 16.9% 260
100万人以上 75.0% 75.0% 50.0% 50.0% 0.0% 50.0% 0.0% 25.0% 4
30万人以上 76.9% 69.2% 61.5% 76.9% 15.4% 53.8% 38.5% 7.7% 13
10万人以上 72.7% 45.5% 52.7% 50.9% 1.8% 29.1% 16.4% 16.4% 55
3万人以上 71.9% 40.7% 59.3% 39.3% 7.4% 18.5% 11.1% 20.7% 135
1万人未満 81.1% 34.0% 56.6% 34.0% 3.8% 9.4% 0.0% 9.4% 53
 
表2−20−2 移送サービスの運行目的(都市部・地方部別)(複数回答)
  病院への送迎 障害者施設への送迎 高齢者施設への送迎 公共施設への送迎 通学 買物 レジャー その他 回答自治体数
合計 74.2% 42.3% 57.3% 42.7% 5.8% 21.2% 11.2% 16.9% 260
3大都市圏 71.4% 58.7% 60.3% 58.7% 12.7% 36.5% 25.4% 22.2% 63
その他 75.1% 37.1% 56.3% 37.6% 3.6% 16.2% 6.6% 15.2% 197
 
導入の経緯の具体例は、次のとおり
【移動制約者の外出支援】
・住民、障害者の請願、ニーズにより運行。
・要介護高齢者及びその介護者の福祉の向上を図るため。
・在宅の高齢者及び重度身体障害者、肢体不自由者等の社会参加、移動を促進し、健康の増進。福祉の向上を図るため。
・町内のコミュニティバスを導入するにあたり、バスを利用できない人に対して導入された。
【関連事業の代替、補完】
・住民要望に応え障害者にタクシー券配布(市制度あり)を廃止した代わりに移送サービスを始めた。
・市内3カ所の老人センター開設に伴い運行。
・地区診療所の廃止に伴い運行。
【事業の継続、支援】
・福祉バスの利用が難しい方、自家用車での移送が困難な人を対象とし、社協が行っていた事業を正式に認可を受けた事業とした。
・ボランティア活動を行政が追認し、委託事業として支援するに至った。
【介護保険制度の補完】
・平成12年度以前は福祉ハイヤー事業として障害者用に市単独で実施していたが、介護保険制度が始まり高齢者用にも拡大。
・介護保険での訪問介護サービスの外出退院介助を対象外とした事を受け、それに代わるサービスとして実施する必要があった。
・介護保険制度導入に伴い「非該当」となった高齢者への介護予防・社会的孤立感の解消、自立生活の助長を図ることを目的とし実施。
【補助制度の活用】
・車両の寄附を受けたので。
・国土交通省と県から福祉タクシーの補助交付があり、応募し当選した。
・民間の定期乗合バス路線外を対象に、県補助事業のへき地医療対策事業(車両購入費100%助成)で導入。







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