I. 情報障害者(視覚障害者・聴覚障害者など)に対する情報提供の基本的考え方について |
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(1)情報障害者に対する情報提供の対応がどのように行われているのか。 |
・視覚障害者に対しては誘導警告ブロック ・勾配の上部や券売機の位置など、盲導鈴を全駅に設置 ・ピンポンパンポンという4点式の音で統一 ・構内全部を表す点字案内板がある駅は83駅中3駅だけ ・そのうち音声機能がある所は、3駅中1駅だけ ・誘導としては、杖に反応して施設の案内をしていく音声ガイドを伊丹駅の一駅だけに設置 ・あとは駅での電車の接近に関する放送は全駅で行っている
・聴覚障害者に対しても、一般の方が利用されている行き先案内表示器 |
(2)情報提供の方法・位置・内容などについて、仕様・基準などがあるのか。 |
・設置基準がある。バリアフリーに関する施設や行き先案内表示器をどこに付けるかなど、細かな仕様で決めていくものもあれば、おおまかな方針で変えていくものもありまして、これは昔に作った物なので改訂作業を進めていく予定です。 |
(3)「公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン」に基づいて整備しているのか。 |
・ 整備は移動円滑化基準やガイドラインを参照にしながら進めている ・新設駅にはバリアフリーの整備義務があるので、移動円滑化基準と可能な内容についてはガイドラインも取り入れた形で整備を進めている。 |
(4)主要駅だけの対応の場合、その対象を決める基準があるのか。 |
・構内案内版は3駅に設置しているのは、西宮北口、桂、伊丹 ・大規模な整備をした時に点字案内板も併せて整備した。 |
(5)平常時及び緊急時の情報提供について、対応方針などが定められているのか。 |
・基本的には放送と、手書きで掲示類を貼る。 ・方針は特に決まっていない。 ・緊急事態のマニュアルの中でお客様に向けての情報提供を充分に行うという程度の記載はある。 |
(6)マニュアルを作成しているかどうか。 |
・平常時の対応については、従業員教育用のテキストの中に車いす使用者や障害者への対応方法が書かれている。 |
II. 駅構内(改札口付近、昇降施設付近、ホームなど)における情報提供の状況について |
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(1)サインシステムについて |
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(1)設置しているサインの種類・位置・内容など |
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(2)サインの種類・内容・大きさ・位置などについて標準の仕様・基準があるのか。 |
・平成7年につくられた、駅施設内の案内サインについて統一の仕様を定めたものがある。
・デザインや文字の大きさなどは全駅で基準に基づいて統一されている。 |
(3)どのような旅客を対象として想定しているか。 |
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(2)可変式情報表示装置について |
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(1)設置している装置の種類・位置など |
・設置している装置は、パタパタと板が変わっていくソラリ式のものが主流。 ・最近はLED式の表示が増えている。 ・時刻表示、行き先、停車駅、英字表示、ホームに来る電車が今どこを走っているかを表示、電車が接近してくると「列車が到着します」といった表示に変わる。 ・現在は10駅で設置されている。 ・98年以降の整備はこういう方式でやっている。それ以前はフラップ式、駅によっては情報が少なくていいものがあるので、点灯式の比較的簡単な表示板がある。 ・行き先案内表示としてはその3種類と、梅田駅のホームにラガールビジョンという大きな情報表示板があり、京都、神戸、宝塚線それぞれ一面ずつ設置している。 |
(2)どんな内容の情報を提供しているのか |
・他線でダイヤが乱れている場合に、雪害や台風によってダイヤが乱れていますという情報を出せるようにはしている。 ・内容は基本の文例があって用語を組み合わせていく形になっています。 ・駅の信号所に操作機があり駅ごとに情報を出せるようになっている。 ・平常時の運行状況については梅田のTCセンターから送っているので、連動しています。 |
(3)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 |
標示の文章は自由に入力できるようにはなっているがこの機能は実際、使ったことがない。 |
(4)装置の種類・内容・大きさ・位置などについて共通の仕様・基準があるのか。 |
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(5)異種装置との連携が行われているか。 |
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(6)どのような旅客を対象として想定しているか。 |
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(3)点字情報について |
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(1)設置している点字情報の種類・位置・内容など |
・トイレの便器の配置で改良したものは点字案内板を付けている。
・貫通式のエレベーターであれば入り口に貫通式であることが分かるような案内板を付けている。
・さっき挙げた3駅は、駅全体を案内するものという意味で、個別の設備を案内するものは最近整備しているものにはほとんど全部に整備している。 ・移動円滑化基準を見ると全体を表す点字案内板を出入口に設置するように書いてあるが、ガイドラインどおりに整備を進めていくところまでは至っていない。 ・付けようと思えば全駅に付けられるが、すでに設置してある点字案内板は使われている形跡がほとんど無い。 ・伊丹の委員会でも、音声ガイドシステムをつけようとして出てきた議論としては、点字案内板はあるけれども使われることのない施設NO.1という前提から議論が始まっており、それで音声ガイドシステムを付けていったらいいのではないかという話がありましたので、これは便利だという使える点字案内板の基準のようなものがあったとしたら、設置してもいいとは思っているのですが。 他社さんでもあまり使われている例がないということや障害者の方も無いよりあった方がいいが、どうしても全駅にすぐ設置して欲しいというわけではないので、整備を進めていくにはまだちょっと早いかなという気がします。
・点字や誘導ブロックの整備は基本的にはガイドラインに基づいて行っている。 |
(2)点字の種類・内容・大きさ・位置などについて標準の仕様・基準があるのか。 |
・点字運賃表は全駅に設置しております。 ・券売機は乗り入れの切符を買うと値段が変わってくるので、自社線内のみで点字表示している。 ・3年ほど前から導入している新型の券売機ではテンキー式で音声案内の付いたものを各改札口に1台ずつ設置している。 ・新型の券売機は順次設置を行ってきた、駅によって機械が違うため、使う側にとってはあまり好ましくないという意見が障害者の方からあり、誘導ブロックの方はすべて旧式の券売機に誘導するようにしている。 ・新型の方に誘導ブロックを変えることは、全駅が短期間で変えられるのであればそのほうがいいのですが、作業的な面からしても難しい。 |
(4)音案内(音響案内・音声案内)について |
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(1)実施している音案内の種類・位置・内容など |
・実施している音案内については、案内板に併設する音声案内装置が1駅。点字による案内板などの位置を知らせる音響案内装置が1駅。車両などの運行に関する案内放送は全駅。 ・視覚障害者誘導用ブロックと連動させて主要地点を知らせる音声案内装置は伊丹だけ。 |
(2)案内放送では、どんな内容の情報を提供しているのか |
・行き先表示器を設置している駅では、基本的に自動の案内放送がある。 ・到着番線が必要なところには到着番線。到着時間はありません。列車の種別、行き先、停車駅など基本的な情報は自動放送で行っている。 ・それ以外に行き先表示器のない駅でも列車の接近に関しては警告を放送する装置がある。 ・駅係員が肉声で放送している駅はない。その代わりにラッシュ時は除きますが、車両に車外マイクを設置しておりますので、自動案内放送がない駅では車掌が車両マイクを使って種別と行き先の案内を行っている。 ・異常時は、機械的な放送は行っていませんので、係員の肉声で放送している。各駅や線ごとの異常時のマニュアルで基本的な文例を定めていますのでそれに基づいて放送している。 |
(3)音案内装置の内容・位置・ボリュームなどについて標準の仕様・基準があるのか。 |
・放送内容そのものは統一的な基準を決めている。 ・車掌の車外マイクを自動放送のある駅でもやっていて、だぶってしまうので車掌の放送を止めて駅の自動放送だけにしていた。 ・放送するタイミングが、電車がホームに入ってきてから流れるタイミングにしていたので、それがやはり視覚障害者の方にとっては危険なので、電車がホームに入る前に放送して欲しいという意見があり、今は電車がホームに入る前と入った後、二段階に分けて放送している。 ・行き先表示器があっても自動放送がない駅はある。 ・自動放送がある駅では基本的に行き先案内表示器が付いている。 ・自動放送がある駅とない駅では、基本的には急行列車が止まる駅から整備をしている。 ・自動放送を今後全駅に設置していく予定は現実問題として一方向、一種別しか通過しない駅に対しても設置するというのは難しい。 ・現段階では通過接近装置と到着電車に関しては車掌が車外マイクで案内している。 |
(4)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 |
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(5)どのような旅客を対象として想定しているか。 |
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(5)駅員による対応について |
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(1)無人改札口における窓口対応に代わる対応方法 |
・接遇による対応方法、またろうあ者対応の窓口などについて、全駅終日係員がおりますが、改札口が2箇所以上ある駅では、係員が常駐するのは1つの改札口だけ。 ・無人になる改札口には券売機、改札機、精算機のそれぞれにインターホンを設置していて、同じ駅にいる係員につながるようになっている。 |
(2)接遇による対応方法・役割分担などは具体的に定められているのか |
・ろうあ者対応の窓口というのは設置していないが、基本的には改札口に係員がいますし、筆記用具も用意してあるので対応できると考えている。 |
(3)ろうあ者対応の窓口があるか |
・ろうあ者対応の窓口というのは設置していないが、基本的には改札口に係員がいますし、筆記用具も用意してあるので対応できると考えている。 |
(4)ろうあ者対応として手話または、筆談用の器具を準備しているか |
手話の方は、一部の係員が自主的な学習を行っている。統一的な対応にはなっていない。 |
その他 |
・FAXでのサービスは、全部で17駅で行っている。主な駅にサービスセンターがあり、FAXを用意している。 |
III. 車両内における情報提供の状況について |
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(1)設置・実施している情報提供の種類・位置・内容など |
(車両内に設置している情報提供の種類や位置、放送の内容や自由度、仕様・基準などについてお伺いしたいと思います。) ・路線図は全車の中に設置している。車両番号はない。 ・優先座席には「全席優先座席」というシールを貼っています。 ・以前は優先座席が1車両につき1箇所だったが、全席優先座席として宣言して、定着してきている。 ・毎年マナーキャンペーンを行って、その中で障害者の方に座席を譲って頂くお願いを放送するといったことを重点的にやる期間を設けている。 ・可変式の情報表示装置は98年の12月から順次設置をしている、新造車には全部に設置している。 ・表示内容は停車駅、次駅などで、ドアの開閉についてはまだ表示できない。 ・音声情報はドアの開閉時にピンポーンというチャイム音が鳴る装置は設置を進めている。 ・扉の開閉をランプで点滅させるものは、現在3編成に設置している。扉操作をするスイッチに連動して点滅する。 |
(2)どんな内容の情報を提供しているのか |
・車内放送は全て車掌の肉声で行っていて、マニュアルを定めており、統一的な文例で放送している。種別や次駅名などは当然ですが、始発駅の出発時点で主要駅の到着時刻などを放送したり、カーブしている駅などでは電車とホームの隙間が広い所がありますので、「足下にご注意下さい」といった放送をしている。 ・異常時については、典型的な文例はマニュアルの中で定めている。 ・列車全て運転席と車掌側に無線があり、運転司令所から各列車に情報が流れる。 |
(3)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 |
・異常時は可変式の情報装置には今のところは表示されない。一時期ポケベルで情報を流すようなテストをしたが、電波の問題がありまして、今課題になっている。 ・可変式の方は決まった内容のものを表示している。異常時には車輪の回転数から列車の位置を割り出す簡易なシステムなので、ずれてくる可能性があるので、異常が起こって遅れの時間が長くなってくると表示そのものを止めているのが実状。 |
(4)車両内の情報提供に関する標準の仕様・基準があるのか。 |
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(5)どのような旅客を対象として想定しているか。 |
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(6)接遇による対応方法・役割分担などは具体的に定められているのか |
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IV. 各種情報提供の検討手順・主体などについて |
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(1)各種情報提供を設置・実施する際の、情報内容・設置位置などの検討手順 |
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(2)検討主体 |
・情報の内容については、何を出せばいいのかというのは当社の方でも把握しており、業者でも売り込みをしているので、行き先案内ではコンペ方式をとりたいと考えている。最終的にはそのうちの何社かを使いたいと考えている。 ・表示する情報の内容というのは統一した上で機械を決めている。 |
(3)メーカーとの関係 |
・業者は複数の会社のものを使用している。他の装置との連携部分が出てきますので、おおもとはCTCシステムなので、その辺の相性やシステムへの影響などが分かっている業者が強い。 |
V. 各種情報提供の管理方法・主体などについて |
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(1)各種情報提供の管理方法 |
・駅施設内の案内看板などは駅施設の担当の部署で管理していて、日常の管理(運賃表、点字など)は各駅の責任者(駅長)、駅員が管理をする。 ・車内の情報装置は車両を担当する部署が管理をしている。 ・駅の行き先表示器については技術部の電気担当が行っている。 ・駅係員の基本は担当者を決めて毎日駅構内を巡回しており、おかしな所があったらすぐメンテナンスをする部署に連絡をするようにしている。 ・点字運賃表や点字標示などは物理的に壊れた場合はすぐ連絡できますが、内容までは分からないので今後は何が書いてあるのか分かるようにしておくことが必要だと考えている。 |
(2)検討主体 |
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(3)メーカーとの関係 |
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(4)管理・変更等の頻度 |
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VI. 利用者(特に視覚障害者、聴覚障害者など)からの要望・課題などについて |
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(1)実際に障害者からの要望・指摘で改善した例はあるか |
・点字案内での利用者からの指摘は、間違っているという指摘はありませんが、剥がれているといった指摘は受けたことがある。また点字の標示は長くなってしまうので、略字を使っているために、特殊な施設を示す場合にはこういう略し方では分かりにくいといった指摘は受けたことがある。 ・情報提供に関して障害者の方から要望や意見などについては人為的なサービスが足りない、車内放送が聞こえにくい、乗務員の対応の仕方が適切でないといった指摘を受けたことがある。 ・年に1回ですが関西鉄道協会で障害者団体の方と懇談を行っています。 ・意見の内容は、人為的な面が一番多いが、最近はホーム柵の問題がある。ホームドアの付いていないホーム柵は付けないで欲しいといった指摘があり、列車が停車する際に誤差がでてくるために扉の開口が大きくなってしまうので、転落の危険性があるという意見があった ・社員教育で数年前にインスタントシニア体験を始めている。もとは高齢者の疑似体験だが障害者の場合も同様の体験をして、社員にも好評だった。 ・主催は自治体だが、18市町ある中の10の市町でバリアフリーの基本構想策定を進めていて、障害者団体との現地見学などが行われている。 |
VII. 情報提供施設に関する今後の整備計画について |
・視覚障害者の方に対するガイドラインの見直しや、ガイドライン通りの整備が出来ているわけではないので、順次整備をしていくということがありますが、更新する際に費用がかかるのでなかなか進めにくいというのが現状です。 |