日本財団 図書館


鉄道事業者ヒアリング調査 【T社】
I. 情報障害者(視覚障害者・聴覚障害者など)に対する情報提供の基本的考え方について  
(1)情報障害者に対する情報提供の対応がどのように行われているのか。 ・基本的には点字ブロックについては全駅にやっている。不足箇所については毎年、充実させている。
・点字案内板とかその辺については基本的に情報支援、あと情報が多いところ、視覚障害者や聴覚障害者の利用の比率が高い所、それから交通バリアフリー法が施行されてから基本構想がある・なしにもう一つの優先順位の基準になってくると考えている。そのような中で個々の順番に整備していく。点字運賃表は、点字券売機があるところには全部付いている。逆に付いていない所には、券売機は無い。
・接近の放送につきましても基本的に音声上で通過列車になる駅について通過列車が1日何本かの特急列車だけという所には、通過列車の放送装置は付けていないが通過列車がある駅には全部付けています。
・点字案内板については当初は障害者の方が多い駅に付けだしたが今は障害者の数に限らず設置している。
・ホーム、それから階段。段差のあるところはやっているが、改札口を音で示す駅はほとんどない。
・線で誘導している所だけ改札口からスタートしてやっているが、それ以外は改札口、設置?。ホームから階段への降り口とか上がり口の初めの段差、ここが中央出口であるとか、そういうのを音声付きで入れている所くらいである。
(2)情報提供の方法・位置・内容などについて、仕様・基準などがあるのか。 ・平成8年頃に当社独自の基準があった。
・視覚障害者誘導用ブロックについては、鉄道事業者によって基準がバラバラであったり、その後になってバリアフリー法、あるいは移動円滑化ガイドラインの改正版が出てきた中で、徐々にそのような形が出てきたという事で統一基準をめざしている。
(3)「公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン」に基づいて整備しているのか。  
(4)主要駅だけの対応の場合、その対象を決める基準があるのか。  
(5)平常時及び緊急時の情報提供について、対応方針などが定められているのか。  
(6)マニュアルを作成しているかどうか。 ・接遇のマニュアルはあるが、視覚障害者だけでなく、聴覚障害者の方達に対しても対象である。
・情報関係で設備が整っているのは、堺東、総合案内板とかもやり直したのでおおむねそろっている。堺市の中心部です。市役所の最寄り駅である。
II. 駅構内(改札口付近、昇降施設付近、ホームなど)における情報提供の状況について  
(1)サインシステムについて  
(1)設置しているサインの種類・位置・内容など  
(2)サインの種類・内容・大きさ・位置などについて標準の仕様・基準があるのか。 ・マニュアルはある。従来から当社で平成一桁の頃から策定していたものに手を加えて、見直したもの。
・ピクトやJIS化は結構変わってきていると。
・施設関係では会社の施設標準が状況に照らし合わせて見直しをしている。その中で、バリアフリー施設というのが、まあ以前から点字の貼り方とか独自の基準を作っていたのですが、色々バリアフリーの法律が出来た関係で状況が色々変わってきていますので、それに基づく改正というか見直しの作業をやっている。
・基本的に英語と日本語にしている。情報が増えると、高齢者にとってみにくい。日本語の大きさの取り方を厳密にやっている関係で、言語を沢山入れるというのは難しい。
・その代わりピクトグラムを必ず併記している。
(3)どのような旅客を対象として想定しているか。  
(2)可変式情報表示装置について  
(1)設置している装置の種類・位置など ・平常時は、いわゆる行き先案内板、列車の運行状況、異常があった時は行き先案内板
・駅の中で昼間であっても無人駅があり、そういった駅につきましては異常時にお客様にご案内する方法がないために列車接近電光表示を設置している
・基本的には、新型の行き先案内板がついている所にはそれ自体組み込んでいる
・旧型の行き先案内板には付いてない。古い行き先案内板に付いてる大きな駅である。しかし、当然次の電車が通過かどうかというのは表示は出る
(2)どんな内容の情報を提供しているのか  
(3)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 ・情報の自由度は司令所で、”ダイヤが乱れてます”などの案内を打ち込むと定型的なものが出る。
・変更は出来るようになっているが。個別の駅でも対応は出来る。コンパスネットが係員に繋がっておりまして、このシステムの文章の中では忘れ物など定型的な状況の事しか書いてませんけど、実はこの端末からも操作出来るようになっている。
・フラップ式とLED両方あるが、列車の案内だけでなく、まもなく列車が到着しますとか、列車が通過しますとか。今申しました列車が到着しますとか、列車が通過しますとかの案内はLED式のみで標示。
(4)装置の種類・内容・大きさ・位置などについて共通の仕様・基準があるのか。 ・特に規格とはしていないが、基本的に全駅同じである。
(5)異種装置との連携が行われているか。  
(6)どのような旅客を対象として想定しているか。  
(3)点字情報について  
(1)設置している点字情報の種類・位置・内容など ・例えば難波駅にある商業施設のエリアを通って駅に向かう動線があって、そこに全て点字ブロックを敷くというのも問題があるかなという事もあるが、現在はある程度経路を絞っている。
・他の駅は、基本的に可能な限り。複数の出入り口がある駅には両方をスタートしてホームに至るまでの経路については視覚障害者誘導用ブロックを配置している。
・一部小さい駅では、まだ整備されていない所もある。
・エスカレーターについては基準に入れてなかったので、今後考えていきたい。
・駅の大規模改良とか改装工事とかに合わせて徐々にエスカレーターにも点字を敷設している。
・誘導はせずに警告のみである。エスカレーターの誘導を希望される方もいるが当社の考え方からでは、誘導をするのはまずい。点字を頼られる方ほどあまり???????話を聞きますし。
・券売機について当社は全て押しボタン式である。
・ごく一部、特急の券売機とかパンチパネルなんかもある、通常の運賃については押しボタン。
・点字はボタンの上か、下か。上です。関東と関西で逆だとか、色々とある。まあ付けられないってことはないのですが。
・視覚障害者の方も、最低運賃を買って、目的地の有人改札で精算とか、多分こちらですとするっと関西とか利用される方が多いと思う。
・ガイドラインが出来たことにより、移動円滑化基準の方も変わった。
・通路とトイレの前は、点字よる案内板等だったが、点字による案内板又は音による案内という形になったので、どちらかが設置されていれば良いという事です。どちらかで、移動円滑化基準を満たしていると考えます。
・触知板とかトイレの案内板は駅舎によって違うため、それぞれ特注になると思うので、コストもかかる。音であれば一つつくれば何か似たものを作れる。
(2)点字の種類・内容・大きさ・位置などについて標準の仕様・基準があるのか。  
(4)音案内(音響案内・音声案内)について  
(1)実施している音案内の種類・位置・内容など ・音関係について、点字の案内板だけである。難波の駅での触知板の音声はセンサーである。
・盲動鈴というのはカナリアの声がかなり本物に近いのですが、その後に下り階段ですとかいうのが入るんですか。
・関西国際空港会社の設備は、その駅だけはピンポンです。階段の場所ですが。
・音響案内について鳥の鳴き声は、京阪さんが最初に整備してそれをウチが真似した。
・ホオジロとかカッコウなどの種類もある。
・音声案内については、基本的に自動だが、手動に切り替え操作することも出来る。
(2)案内放送では、どんな内容の情報を提供しているのか ・行き先とか列車種別の情報である。列車が接近した場合に案内している。小さな駅は、電光案内板と同じで「通過します」か「停車します」かのどちらかしか無い
・自動放送は、到着前と発車前です。 基本的に駅員さんがみんなしゃべる
(3)音案内装置の内容・位置・ボリュームなどについて標準の仕様・基準があるのか。 ・案内装置の基準について実際に設置する際、聞こえ方なんかを確認するために視覚障害者の方に立ち会ってもらってはいないです。比較的に早朝・深夜は音を落とすんですね。
(4)提供する情報の内容について自由度はあるのか。  
(5)どのような旅客を対象として想定しているか。  
(5)駅員による対応について  
(1)無人改札口における窓口対応に代わる対応方法 ・終日無人は3駅が終日です。あと2駅、ラッシュ時のみ無人の駅があります。それとですね、和歌山の所に終日無人の駅が3駅あります。いずれも乗客数が100人未満です。これ以外は、原則係員がいるんですけど一部時間帯無人というのはかなりありまして、極端な話、区間急行と特急の止まらない駅は全部です。
・無人の駅というのは、インターホンはない「ここに電話して下さい」と電話番号が書いてあります。カメラもないです。券売機も無いです。本当のローカルな所ですから。逆に障害者の方がそういう駅を利用されませんからね。 たとえばそういう駅を車いすの方が使うとなった場合、前もって何月何日の何時頃乗りますっていうことを電話して、それでその日他の駅から駅員さんが来て対応する。
(2)接遇による対応方法・役割分担などは具体的に定められているのか  
(3)ろうあ者対応の窓口があるか ・ろうあ者対応について改めて窓口は用意していない。
・FAXは、主要な駅にあります。元々業務用で使っているFAXなんですけど障害者の方に使用頂く事はできます。
・異常時については基本的には、コンパスネットで主な運行情報が流れるので、その中で情報提供する。それで手書きも出来、そのままプリントアウトして使用できる。
(4)ろうあ者対応として手話または、筆談用の器具を準備しているか  
その他 ・車両内で異常時等の情報を流す装置は、一般車両と特急車両と装置の中身が違いまして、この部分については可変と言ってもあらかじめ入力した文しか出ない。
・設置位置は、一般車両というのは一両に4箇所、ドア上に千鳥配置鳥である。特急車両は出入り口の上の部分の2箇所。
III. 車両内における情報提供の状況について  
(1)設置・実施している情報提供の種類・位置・内容など  
(2)どんな内容の情報を提供しているのか  
(3)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 特急も一般車もです。それはあくまでも、あらかじめ作ったものを車庫の中で組み込み、流せますよという程度の話であり、特急車両に流れる常時情報も完全にリアルでなしに、定型である。具体的に言いますと、接続している船が欠航しているとかですね、そういった情報です。ニュースしか流してませんから。常時といっても限られた内容しか流れません。
(4)車両内の情報提供に関する標準の仕様・基準があるのか。  
(5)どのような旅客を対象として想定しているか。  
(6)接遇による対応方法・役割分担などは具体的に定められているのか  
IV. 各種情報提供の検討手順・主体などについて  
(1)各種情報提供を設置・実施する際の、情報内容・設置位置などの検討手順 ・マニュアルがコロコロ変わるのはまずいという事で、割と厳密にやっている。
・ですからLED表示装置についても関西ではフラップ式をやってる会社が多かった。と言うのも列車種別に基づいて色を変えるというのを徹底していたのでマニュアルに色を規定しており、メーカーから色を出せるLEDの提案があれば受け入れる。JRでもいまだに駅名はLEDでも特急だとか急行だとかいうのはフラップ式。うちも同様ですが、最近やっとカラーが出始めた。
・電車のドアチャイムについて、いろんな音が氾濫している。障害者の方からわかりにくいというお話を頂いた。
(2)検討主体  
(3)メーカーとの関係  
V. 各種情報提供の管理方法・主体などについて  
(1)各種情報提供の管理方法  
(2)検討主体  
(3)メーカーとの関係  
(4)管理・変更等の頻度  
VI. 利用者(特に視覚障害者、聴覚障害者など)からの要望・課題などについて  
(1)実際に障害者からの要望・指摘で改善した例はあるか ・関西の私鉄では、年に一回視覚障害者の方の団体さんと座談会をしている。
・11月に。そういう会を何年も続けておりまして、その場で、その団体さんの方から事前に各社の統一した質問なり要望なり送られてきます。各社で協議した上で書面でお返しした上でお互いの意見交換をしております。その中から色々な意見を頂いております。大体共通のご意見です。障害者の方だけですからね。
・座談会の中で、それぞれ事情があるので、横並びである。中身は各社によって変わりますから。当然各社に対するそれぞれの??。当然自分が使っている路線に対しての要望という事になる。あえて横並びの????しているわけじゃないですけど、横並びにならざるを得ない。そういったものについては統一する。
・これは逆に鉄道業者として統一していかなければならないので。具体的な要望を言いますとエスカレーターで音声で案内してくれという要望があります。車内の何号車というのを点字で案内して欲しいとか。山手線とか営団でやってましたよね。この場合関東と違いまして、昼間とラッシュ時で編成が毎日変わりますから。なかなか統一して何号車という案内は出来にくいんですけど、出来る所からやって行きましょうと。
・例えば乗車口位置これも点字ブロックと警告ブロックとホーム間についてますけど、そのホーム間に付いてるブロックを利用してドアの位置を案内して下さいっていうのがあります。大阪市営地下鉄さんがやってます。大阪市の場合地下鉄は10両なら10両と決まってますので我々8両のホームで案内して、来た車両が4両だったら危ないですから。
・点字は関東でも取り入れてるのは若干で、営団が手すりの点字を入れているんですよね。JRの山手線と相鉄線がドアの点字やってるんですけど、視覚障害者の方に聞くと、ドア点字は殆ど知らないんですよ。位置が160cmという事で高いので、女性の方は殆ど場所を知らない。
・特急車両だけドア点字やってまして、ドア点字プラス弱視者の方のために数字も大きめにコントラストを付けて書いている・・・。
VII. 情報提供施設に関する今後の整備計画について 基本構想で絶対出てきますからね。すでに。ただ、移動円滑化を図らなくてはならない駅が現在27駅残ってるんですけどそれを全部するのは困難である。難しいが故に後送りになっています。数億単位、今現在やってる金剛駅なんかもう一桁上の金額がかかるので、なかなか難しいというところです。
そのため、どうせやるならここに示されている障害者の方々のための情報関係施設は完全に整える。タイミングに合わせて、まあ金剛駅の場合はちょっと接近表示等ないんですけど、その辺の表示も含めて、今回整備します。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION