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鉄道事業者ヒアリング調査 【L社】
I. 情報障害者(視覚障害者・聴覚障害者など)に対する情報提供の基本的考え方について  
(1)情報障害者に対する情報提供の対応がどのように行われているのか。 ・点字ブロックによる誘導及び警告。
・発売機に点字を設置。点字運賃表の設置。
・行き先案内表示案内、旅客用列車設置表示器の設置。
・エレベーターに点字表示及び着床階の音声案内、階段手すり点字設置。
・自動放送により列車接近及び行先案内を実施。
・スレッドライン(横浜・湘南台)により列車の発着時の注意喚起(進入前、発車前)。
ドア番号は横浜−番号は変わっていない。
・固定式ホーム柵(横浜)による転落防止。(注意喚起)→全ホーム  他の???及ばない。
・車両内に案内表示器、ドアチャイム、各ドア号車点字シールを設置。(どこに貼るかは検討)
・駅係員による列車接近及び行き先案内の放送。(4駅に常設列車監視員を配置、その他の駅は朝ラッシュ時及び夕ラッシュ。(一部の駅)に配置)
・乗務員による車内放送。
・案内係(横浜・二俣川・大和・海老名→最低1名)による案内サービス 2003年〜 声かけ 案内のみ21名、終日 制服違う。
・ホームページによる駅施設及び運行情報等の案内。
(2)情報提供の方法・位置・内容などについて、仕様・基準などがあるのか。 ・業務掲示・車両・点字ブロックの敷設に関しては、車内基準を作成している。
・基本的には「公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン」、車両に関しては「移動円滑化のために必要な旅客施設及び車両等の構造及び設備に関する基準」に則っている。
(3)「公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン」に基づいて整備しているのか。 ・基本的に上記ガイドラインに基づいて整備している。
(4)主要駅だけの対応の場合、その対象を決める基準があるのか。 ・主要駅だけに限定して対応するものではない。
(5)平常時及び緊急時の情報提供について、対応方針などが定められているのか。 ・点字ブロック:誘導・警告ブロック敷設基準
・サイン関係:業務掲示基準→新しいものを???
・車両関係:車両実施基準→従来 共通鉄道構造基準 現在運輸局に提出中で、決定になっていない。 9月接遇の研究会各50名→職場に持ち帰り指導
(6)マニュアルを作成しているかどうか。  
II. 駅構内(改札口付近、昇降施設付近、ホームなど)における情報提供の状況について  
(1)サインシステムについて  
(1)設置しているサインの種類・位置・内容など 誘導サイン:乗車ホーム、トイレ、エレベーター、バスターミナル等
位置サイン:駅名(屋外用、ホーム用、社用)、発売機、精算機、駅総合案内所、定期券発行所、トイレ、エレベーター、番線表示、乗降口、駅事務室
案内サイン:町名(出入口案内)、公共施設、路線図
規制サイン:通行区分、禁煙、危険物持込禁止
(2)サインの種類・内容・大きさ・位置などについて標準の仕様・基準があるのか。 「業務掲示基準」に則り、大きさ・字体・設置位置等を決定している。
基本方針として
1)業務掲示類は、旅客に対し最も見易い位置に優先的(広告類に優先して)に設ける。
2)文章・文字は簡潔、明瞭を旨とする。
3)掲示類は常に清潔な状態に保守管理し、老朽化により不体裁な場合は遂次交換する。
4)広告とのタイアップは原則行わない。
5)基準に添えない場合、または異型な場合は、仕様書を作成し協議する。
(3)どのような旅客を対象として想定しているか。 普段からご利用の方から、初めてご利用になられる方まで。
(2)可変式情報表示装置について  
(1)設置している装置の種類・位置など  
(2)どんな内容の情報を提供しているのか  
(3)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 ・行き先案内表示装置(発光ダイオード方式)
設置駅:横浜・二俣川・海老名・いずみ中央・湘南台(6駅)
設置位置:出改札ラッチ付近、コンコース、上下ホームが基準
内容:
【平常時】案内情報は発車番線・発車時刻・列車種別・行き先・車両数(横浜のみ)を固定表示、列車接近を点滅表示
【緊急時】異常時の案内情報をスクロール表示させる。予め用意されている案内文を選択する方法と運転司令所からの運行状況をもとに、駅で案内文(初期段階でもある。自由度ある)を作成する方法がある。
・軸、状況の文章を各駅の担当者が予め入力。見通し状況を提供しない。あとは構内放送。
・一括で全駅一斉表示はない→HP関係のみ。iモード運行情報(運転指令、提供本社)
・列車接近表示器(発光ダイオード方式)
設置駅:横浜(降車ホーム)・平沼橋・星川・和田町・上星川・西谷・鶴ヶ峰・希望ヶ丘・三ツ境・相模大塚・さがみ野・南万騎が原・緑園都市・弥生台(14駅)内、下線の駅については同時に音(電子音 通過・停車の区別なし)による合図を行う。
→どのようにおこなうのか。
・設置位置:ホーム各番線ごとに2台(横浜は3台)
内容:
【平常時】列車の接近を停車又は通過別に点滅表示
【異常時】ダイヤが乱れた場合は、駅係員の手動介入により(どのようにおこなうのか)ダイヤ乱れの点滅表示を行う。※星川駅、鶴ヶ峰駅については、列車種別情報(各停・快速)も行う。
→要望ではない。
・音がうるさいという要望により、音の案内。
・当初は音がなくても対応出来ると考えていた。視覚障害者にも対応。今後は音付き。
(4)装置の種類・内容・大きさ・位置などについて共通の仕様・基準があるのか。 ・基準等は設けていない。
・設置位置は、旅客の流動・動線を検討の上最適な位置を設定し、大きさ等はメーカー標準規格のものを、その場所に適合した寸法に変更し設置する。
(5)異種装置との連携が行われているか。 行き先案内表示は、運行管理システム(運転司令所)と連携。 列車接近表示器は、列車選別装置(現地設備)と連携。
(6)どのような旅客を対象として想定しているか。 全てのお客様を対象としているが、特に文字表示により耳の不自由なお客様を対象としている。また音付き列車接近表示器では目の不自由なお客様に対しても注意喚起ができる。
(3)点字情報について  
(1)設置している点字情報の種類・位置・内容など ・発売器機に点字シールを添付(S40年代後半から、全25駅の全144基)
点字運賃表を併せて設置。
・階段手すりに点字を設置(10駅)。
・エレベーター乗降口及び内部には、点字(階数・開閉)を設置。
・視覚障害者誘導ブロック
【誘導用】通路、発売機、精算機、階段、ホーム、エレベーター、トイレ(一部)
【警告用】階段・エスカレーターの上部、下部、ホーム端部
(2)点字の種類・内容・大きさ・位置などについて標準の仕様・基準があるのか。 ・点字ブロックについては車内基準を設けている。
(4)音案内(音響案内・音声案内)について  
(1)実施している音案内の種類・位置・内容など ・自動・非常放送設備 運行管理システムから情報を受け、列車の接近放送(到着番線・列車の種別・行き先・注意喚起)、到着情報(駅情報・乗り換え案内)、出発情報(出発番線・列車種別・行き先・注意喚起)をホームに設置したスピーカーより行う。
(設置駅:横浜・星川・西谷・二俣川・大和・海老名・いずみ野・いずみ中央・湘南台(9駅)。 ・簡易自動放送装置 列車選別装置からの情報を受け、接近放送(到着番線・列車種別(通過停車別)・注意喚起)を行う。上記以外の16駅に設置。
・列車接近表示器に付加されたチャイム音
・エレベーターでの到着階の音声案内
・車両のドアチャイム
(2)案内放送では、どんな内容の情報を提供しているのか  
(3)音案内装置の内容・位置・ボリュームなどについて標準の仕様・基準があるのか。 自動放送・簡易放送設備においては、7:00〜19:30(二俣川〜海老名は20:00)は通常のボリューム、それ以外の時間帯はボリュームを下げている。
(4)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 異常時やダイヤが乱れた時など、運転司令所からの情報等により、駅係員がお客様へ適宜案内放送を行う。自由度はある。
(5)どのような旅客を対象として想定しているか。 全てのお客様を対象としているが音声案内であることから目の不自由なお客様を対象としている。
(5)駅員による対応について  
(1)無人改札口における窓口対応に代わる対応方法 筆談用器具は特別に配備していないが、有人ブース等窓口には必ずメモ用紙と筆記具を用意している。
(2)接遇による対応方法・役割分担などは具体的に定められているのか  
(3)ろうあ者対応の窓口があるか  
(4)ろうあ者対応として手話または、筆談用の器具を準備しているか  
その他 ・情報提供の種類:車内案内表示器、路線案内、車両番号、号車点字シール
・位置:車内案内表示器 5000系
ドア上部(2ヶ所)
7000系 車両妻側部(2ヶ所)・ドア上部(2ヶ所)→昼間部の千鳥配置 又はドア上部(4ヶ所)
8000系 車両妻側部(2ヶ所)又はドア上部(4ヶ所)
9000系 車両妻側部(2ヶ所)又はドア上部(4ヶ所)
→当初??つけていた−ドア
ドア開閉に連動してチャイム(一部車両)
近部他社 300R/442R
10000系 各ドア上部(8ヶ所)
号車点字シール 各ドア案内側の床面より高さ1.6mの位置に添付。全車に設置。
その他 車両妻側部及びドア上部
車いすスペースは、先端車両に各1ヶ所設置。車体内外部に車いすマークを表示。
・内容:路線案内、行き先、列車種別、乗り換え案内、ドア開放方向(一部車両)、車号番号
III. 車両内における情報提供の状況について  
(1)設置・実施している情報提供の種類・位置・内容など  
(2)どんな内容の情報を提供しているのか 車内案内表示器:【平常時】行き先、列車種別、次停車駅、乗り換え案内、ドア開閉方向(一部)
【異常時】リアルタイム情報は提供していない。
→JR 液晶があるが対応していない
(3)提供する情報の内容について自由度はあるのか。  
(4)車両内の情報提供に関する標準の仕様・基準があるのか。 情報の自由度はない。
(5)どのような旅客を対象として想定しているか。 車両実施基準により仕様を決めている。機器に対する標準的な仕様は定めていない。
(6)接遇による対応方法・役割分担などは具体的に定められているのか 耳・目の不自由なお客様
IV. 各種情報提供の検討手順・主体などについて  
(1)各種情報提供を設置・実施する際の、情報内容・設置位置などの検討手順  
(2)検討主体 可変式情報装置については、情報内容・仕様等を社内検討し、設置位置は関係部署と協議しながら旅客動線を最優先に建築上可能な位置かつ運転上支障ない位置を選定し設定する。
車両に関しては、新造及び改造工事の設計会議(社内)において、車両実施基準に適合しているか検討・確認を行う。
(3)メーカーとの関係 基本的に資産管理部署が検討。
V. 各種情報提供の管理方法・主体などについて 社内協議した内容を基に、メーカーと具体的な仕様決定を行う。
車両に関しては、メーカーより試作品の提案があり、それに対し当社規定などに適合させていく。
(1)各種情報提供の管理方法  
(2)検討主体 各資産管理部署を中心に関係部署と調整し管理する。
(3)メーカーとの関係 資産管理部署
(4)管理・変更等の頻度 社内協議をした内容をもとに、メーカーと具体的な仕様等の決定を行う。
VI. 利用者(特に視覚障害者、聴覚障害者など)からの要望・課題などについて 内容の変更等を必要と判断した時。
(1)実際に障害者からの要望・指摘で改善した例はあるか  
VII. 情報提供施設に関する今後の整備計画について 現在のところ特に大きな要望等は、直接いただいていない。
身障者補助犬法(聴導犬)に対する制度の整備を今後進めていく。
  列車接近表示器は、平成16年度までに全駅へ設置。
階段手すり点字は、駅改良時に併せて整備していく。
車両は、移動円滑化基準に適合している10000系新造車両へ代替を進めていく。
また、既存車両においても、平成17年度までにバリアフリー化(案内表示器、ドアチャイム等の設置)を行っていく。
点字案内板については、交通バリアフリー法に照らし合わせ整備することを検討中。







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