I. 情報障害者(視覚障害者・聴覚障害者など)に対する情報提供の基本的考え方について |
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(1)情報障害者に対する情報提供の対応がどのように行われているのか。 |
○提供する情報は3種類(基本的な情報、保安上注意を喚起する情報、異常時の情報)に分類している。
基本:切符の購入から列車の乗降、トイレ・エレベータ等施設利用に関する情報
保安:電車の接近、車両とホームの間隙に対する注意喚起等 異常時:事故状況、内容、見通し・振替輸送等 ○情報機器は、
聴覚障害者対応:
基本情報(案内看板・サイン・行先案内板、車内電光表示板)
注意喚起(列車接近の電光表示、間隙注意)
異常時 (改札口に電光表示板を全駅設置し、文字情報を提供)
視覚障害者対応:
マイクロホンによる放送装置、自動放送装置の2種類
基本情報(自動放送装置、係員による放送で対応)
異常時 (係員による肉声の放送で対応)
その他 (触知総合案内板(構内案内)、点字案内(運賃表、手すりによる方向案内)、列車接近を示すブザー・ドアチャイム、視覚障害者誘導用ブロック、トイレのレイアウトを示す点字案内)
接遇対応:
マニュアルを作成し、積極的に介助の必要有無について問いかけるように教育を実施。また、聴覚障害者対応として、筆談器具を全駅に配置している。 |
(2)情報提供の方法・位置・内容などについて、仕様・基準などがあるのか。 |
○情報提供の基本的考え方は、全駅で絵柄や内容の均一化を図る。 |
(3)「公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン」に基づいて整備しているのか。 |
○ガイドライン以前:東京都独自のガイドラインに従っていた。
○ガイドライン施行後:ガイドラインに沿った整備を行っている。既往施設についても、改修時に対応している。 |
(4)主要駅だけの対応の場合、その対象を決める基準があるのか。 |
○駅毎のランク付けは行っておらず、利用実態を把握し効果的な箇所から順次対応している。 |
(5)平常時及び緊急時の情報提供について、対応方針などが定められているのか。 |
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(6)マニュアルを作成しているかどうか。 |
○「ハート to ハート」を作成し、営業関係の係員に配布し周知を図っている。 |
II. 駅構内(改札口付近、昇降施設付近、ホームなど)における情報提供の状況について |
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(1)サインシステムについて |
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(1)設置しているサインの種類・位置・内容など |
○誘導サイン:出入り口、乗降場、トイレなどを案内 位置サイン:各施設の場所を示す
案内サイン:路線図、時刻表、構内案内などを案内
規制サイン:階段の通行方向、禁煙、立入禁止場所を示す |
(2)サインの種類・内容・大きさ・位置などについて標準の仕様・基準があるのか。 |
○全駅で統一を図っている。文字の大きさ・位置は状況により異なるため、ケースバイケースとなっている。 |
(3)どのような旅客を対象として想定しているか。 |
○旅客を限定していない。 |
(2)可変式情報表示装置について |
○行先案内板は概ね2〜5カ所/ホーム程度であり、利用者の滞留状況を勘案し設置している。 |
(1)設置している装置の種類・位置など |
○行先案内板:平常時(発車時刻、種別、行先、発車番線、乗継案内、停車駅)
○運行情報サービス(電光表示板):異常時(遅延理由、現状、見通し、振替輸送 を主眼に提供)
○現在の状況及び今後の見通し、代替手段の情報を正確に提供することを主眼としている。 |
(2)どんな内容の情報を提供しているのか |
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(3)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 |
○電光表示板の内容は、状況に応じて専任者(情報管理センター)が文字を打ち込んでおり自由度は高い。
○過去に提供した文言は蓄積している(定型化されているものもある)。 |
(4)装置の種類・内容・大きさ・位置などについて共通の仕様・基準があるのか。 |
○電光表示板は全駅で統一を図っている。
○既往の行先案内板で発車時刻表示ができないものがあるが、これらも徐々に更新していく。 |
(5)異種装置との連携が行われているか。 |
○部分的な連携は行っている。
○発車時刻が遅延に応じて自動的に切り替わるような装置ではない。 |
(6)どのような旅客を対象として想定しているか。 |
○旅客を限定していない。 |
(3)点字情報について |
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(1)設置している点字情報の種類・位置・内容など |
○券売機:全駅で視覚障害者への対応を実施。点字シール(ボタンの上部に点字シールを貼り付け)、タッチパネル
○手すり:段差がある駅全てに点字付き手すりを設置(67/67駅)。
○触知図:触知図による構内案内を設置(8/69駅)。−昨年末時点 トイレの中も案内(42/69駅)。
○視覚障害者誘導用ブロック:全駅で対応済み。 |
(2)点字の種類・内容・大きさ・位置などについて標準の仕様・基準があるのか。 |
○ガイドライン以前:東京都のガイドラインに従っていた。
○ガイドライン施行後:ガイドラインに沿った整備を行っている。既往施設についても、改修時に対応している。
○点字運賃表などの設置位置は、東京都の設置基準等や視覚障害者の意見に基づき設置している。 |
(4)音案内(音響案内・音声案内)について |
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(1)実施している音案内の種類・位置・内容など |
○音響案内:チャイム(点字案内板の位置を示す、点字運賃表の位置を示す、トイレの点字案内の位置を示す)
ブザー(列車接近を示すブザーを設置(66/69駅))。
終端駅など利用者の多い駅は係員の肉声による案内を実施している。
○音声案内:自動放送装置(列車の接近をブザーや音声で案内(67/69駅))。
係員の肉声による案内(マイクロホン)。
間壁の注意を促すため、自動放送と間壁注意灯を設置。 |
(2)案内放送では、どんな内容の情報を提供しているのか |
○音響案内:構内案内にチャイムを付けたり、運賃表にチャイムを付けることも考えられるが、ガイドラインの公表後に具体的に対応していく。
○音声案内:駅や車内の放送は、社内研修で統一を図っている。自動放送も基本的には統一で整備している。 |
(3)音案内装置の内容・位置・ボリュームなどについて標準の仕様・基準があるのか。 |
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(4)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 |
○マイクロホンを用い、係員が肉声による案内を行っていることから、自由度はある。 |
(5)どのような旅客を対象として想定しているか。 |
○旅客を限定していない。 |
(5)駅員による対応について |
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(1)無人改札口における窓口対応に代わる対応方法 |
○早朝・深夜に無人となる改札では、インターホンを設置している。
○早朝・深夜無人駅は7駅、複数改札があり一部の改札が無人となる駅もある。
○無人の際の対応は、以下のいずれかである。
(1)ガードマンが対応(駅係員は不在)
(2)監視カメラを設置し、監視駅で監視している。 |
(2)接遇による対応方法・役割分担などは具体的に定められているのか |
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(3)ろうあ者対応の窓口があるか |
○乗務員は筆談用の器具を携帯している。
○全駅に筆談機を設置している。 |
(4)ろうあ者対応として手話または、筆談用の器具を準備しているか |
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その他 |
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III. 車両内における情報提供の状況について |
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(1)設置・実施している情報提供の種類・位置・内容など |
○電光表示板:新造車両は全て対応、既往車両も徐々に対応を図る。(204/843車両)
○車内案内表示機・開閉時のチャイム(204/843車両)
○ワンマン化(京王競馬場線、多摩動物園線)等は自動放送化されている。 それ以外は係員の肉声放送で対応している。 |
(2)どんな内容の情報を提供しているのか |
○平常時:種別、行先、停車駅の案内、乗り継ぎの情報、開く扉の方向
○異常時:駅の電光表示板と同様の内容に切り替わる仕組みとなっている。 |
(3)提供する情報の内容について自由度はあるのか。 |
○自由度のある仕組みを導入している。 |
(4)車両内の情報提供に関する標準の仕様・基準があるのか。 |
○情報の内容・機器の統一化を図っている。
○係員についても、社内研修による教育を実施している。 |
(5)どのような旅客を対象として想定しているか。 |
○旅客を限定していない。 |
(6)接遇による対応方法・役割分担などは具体的に定められているのか |
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IV. 各種情報提供の検討手順・主体などについて |
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(1)各種情報提供を設置・実施する際の、情報内容・設置位置などの検討手順 |
○ニーズ等を含む利用実態を把握し設置箇所を検討している。検討にあたっては効果の高いところを重視している。 |
(2)検討主体 |
○内部で実施。 |
(3)メーカーとの関係 |
○視覚障害者対応施設は、障害者等が検査員になっているメーカーを意図的に選定している。 |
V. 各種情報提供の管理方法・主体などについて |
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(1)各種情報提供の管理方法 |
○運輸部管理センターで一元管理を行っている。
○全駅一斉および特定駅のみを対象とした情報提供も可能である。
○駅毎の独自情報は、各駅で提供している。 |
(2)検討主体 |
○運輸部で実施。 |
(3)メーカーとの関係 |
○なし |
(4)管理・変更等の頻度 |
○平常時:適宜行っている。
○異常時:状況にあわせて行っている。 |
VI. 利用者(特に視覚障害者、聴覚障害者など)からの要望・課題などについて |
○モニター制度等は行っていない。
○HPで常時意見・問合せの窓口を設けている。
○沿線代表者による懇談会を実施し意見を吸い上げているが、障害者の参加を意識しているものではない。 |
(1)実際に障害者からの要望・指摘で改善した例はあるか |
○視覚障害者からの要望が多い。
・構内触知案内の充実
・音声案内の統一・充実
・トイレ案内(男女の区別等)
○また、段差解消に関する苦情・要望が多い。新宿駅や飛田給駅でホームの嵩上げを行い、段差解消を図っている。
○聴覚障害者は健常者と同様にサインを視認できることから、間隙や列車の接近など保安に関する整備を主眼。
○LED(列車運行情報サービス)は急告版との併用であるが、改札口の上部に設けることから見やすくなったとの意見がある。
・設置は複数改札が設けられている駅も含め、主要な改札に設けている(90改札/69駅中)
・箇所は駅改札口、車内(千鳥で設置)である。また、HPで同様のサービスを提供している。
・列車が通過する際に定点で電波を受信し、車内に情報提供を行う仕組みとなっている。 |
VII. 情報提供施設に関する今後の整備計画について |
○視覚情報:行先案内板の更新・充実、構内触知案内版・トイレの触知案内板の整備 車内案内表示器の整備 ○音響案内はガイドラインの公表待ちの状態であり、社としての方針はまだでていない。 ○新宿駅や間隙が広い下高井戸駅では間隙表示を行っているが、将来的に他の駅に広げることはない。他駅では間隙注意灯を設けることにしている。 |