日本財団 図書館


視覚障害者ヒアリング【13】
ヒアリング実施日 H14.10.11
属性 年齢 38
性別
1. 障害の状況等について 全盲 左目は小学の頃、右目は中学の頃から
2. 鉄道の利用状況について 西武池袋線中村橋駅 中村橋〜西早稲田 ほぼ毎日 中村橋駅〜池袋駅、大江戸線練馬駅、有楽町線、三田線、JR中央線阿佐ヶ谷、高円寺、荻窪、渋谷など
3. 外出前(外出計画時)の情報入手方法等について ・知らない駅と言っても何回か使うだろうと思われる駅に関しては予め調べたりしている。
・何口に行くにはどの辺で降りればいいかを駅員に聞くことはある。
・例えば神戸など遠い所に行く場合は駅員さんに頼んで神戸の駅員さんに迎えに来てもらうようにお願いしたりしている。
・乗換や時間に関しては最近はインターネットの「駅前探検クラブ」などで調べている。
・池袋テレフォンセンターに電話して聞いたりすることもあり、インターネットと電話の両方を上手く活用している。
・その他詳しい友達に聞いて情報を入手している。
4. 鉄道利用時(平常時)の情報入手方法等について  
(1)駅構内(改札口付近) ・点字の案内板が、わかりにくい場所に立っていることがあるので、音で案内しているのは良いと思う。
・点字案内板の縮尺は滅茶苦茶なので、方向を知るためだけのものと考えないと、かえって案内板で惑わされてしまう。内容を把握するのに時間がかかるので人に聞いてしまうことが多い。
・券売機に人がたくさん並んでいるときに列の最後につくのが難しい。並んでいても列が動いていくのを把握できるかどうかいつも不安な気持ちで並んでいる。なるべく点字ブロックで誘導されている券売機に行くようにしている。
・改札口は出る方と入る方が分からないので困る。入る方と出る方を固定して、点字ブロックで誘導して欲しい。
・電子音はどういう形で鳴らしても、遠くからは確認しづらいと思うので、点字ブロックは必要だと思う。
・トイレについて、女子トイレと男子トイレの区別を音で流してくれる方がいいと思う。
(2)ホーム上 ・エスカレーターもブロックで誘導して欲しい。
・ホーム上の放送で「何番線に電車が来ます」という放送があるが、行き先をはっきり言ってほしい。
・階段手すりに「上り階段」としか書いていない場合がある。どこ方面のホームかという情報が必要である。
・終電の場合は、まめにアナウンスして欲しいと思う。
・ホームドアはいいと思うが、電車が入ってきた事が分かりにくい。費用もかかると思うので、三田線や埼玉高速鉄道のようにホームゲイトにすれば、電車が入ってきた風も分かるので良いのではないか。
(3)車両内 ・新型車両の中には、アナウンスがきれいで、わかりやすい車両がある。
・その時々で一番的確だと思われるアナウンスをしていると思うので、それを頼りに行動している。
・手すりに付いているドア番号の点字表示は、入って左側の手すりと統一されているので、手すりに掴まっている人がいるときは一言言って触らせてもらっている。
・各駅や準急などが停まる駅では、どのホームのどの電車が止まっているかという情報をきちんと案内して欲しい。
・以前電車に乗って立っていたら、前に座っていた人達が声をひそめるように「この人優先席に行けばいいのにね」と話していた。優先席が空いていれば座りたいが、優先席の場所が分からない。車両の端の方にあるのはわかってきたが、優先席の場所に足ざわりの違うものがあれば分かりやすいと思う。バスに乗った時に優先席が分かるように点字ブロックが付いているものがあった。
5. 鉄道トラブル発生時(異常時)の情報入手方法等について ・放送だけが頼りである。
・振替輸送するときはきちんと誘導してほしい。
6. 総合的な評価について ・有人改札で、急ぎたいので誘導してくれるように頼んでくださいとお願いしたら、今忙しいので行って適当に捕まえてくださいと言われたことがある。
・最近の駅は駅員の数が少ないので、障害者の人が窓口に行った時はサポートしてくれるような体制を即座にとれるようにしてほしい。
 
視覚障害者ヒアリング【14】
ヒアリング実施日 H14.11.6
属性 年齢 54
性別
1. 障害の状況等について 視覚障害、中途失明 1種2級 ほとんど点字を利用。
2. 鉄道の利用状況について 地下鉄東西線早稲田駅 早稲田駅〜三田駅 月に4、5回
3. 外出前(外出計画時)の情報入手方法等について ・時刻表は拡大読書器で読むことができる。
・盲人用のパソコンを使ってインターネットで確認したりしている。
・例えば早稲田から浅草に行きたい場合、日本橋を通って上野に出て銀座線で行ったり、飯田橋で大江戸線に乗り換えて御徒町で銀座線に乗るなど、いろいろな経由方法をある程度頭の中に知識として入れている。
4. 鉄道利用時(平常時)の情報入手方法等について  
(1)駅構内(改札口付近) ・切符の購入は、券売機で後ろに人に並ばれるのが嫌なので、できるだけ窓口で購入するようにしている。
・知らない駅では、駅員さんや売店の人に聞いている。
・券売機に付いている点字料金表は利用することがある。
・大きな駅だと方角が分からなくなってしまって、改札口やトイレ、ホーム、コンコースの位置にどのように行けばよいのか不安になる。
・駅構内で点字ブロックが途切れていたり、とんでもない所から始まっている場合があり、不便である。
(2)ホーム上 ・行き先は放送を聞いて判断している。東西線は朝では3つの行き先があるのですが、駅員さんのマイクと音声で案内してくれている。
・ドアの位置については、多少視力はあるので、何両目のどのドアに乗れば一番改札口が近いとか、あのベンチのあるところは3両目だなというように、ある程度経験で判断している。
(3)車両内 ・音が頼りであるので、きちんと放送で情報を提供して欲しい。
・新型車両の車内放送(機械放送)は良いと思う。
5. 鉄道トラブル発生時(異常時)の情報入手方法等について ・まずは放送を聞いて、自分で判断して行動している。
・事故時に振替乗車券をどこでもらえるか分からなかったので、駅員に聞いたら「あっちです」と言われたことがある。
・車両内では車掌の放送だけが頼りである。
6. 総合的な評価について ・音声による情報が一番大事であり、わからない場合は駅員に確認するしかない。
・シルバーシートはあっても無いようなものである。若い人が座ってしまっていて座れないことが多い。あれは鉄道会社が体の不自由な方やお年寄りに対して当てつけているのではないかと思う。結局は「ある程度スペースを作っていますよ」「でも若い人が座ってしまえばそれっきりですよ」と言っているみたいである。
 
視覚障害者ヒアリング【15】
ヒアリング実施日 H14.11.6
属性 年齢 59
性別
1. 障害の状況等について 視覚障害、片眼は全く見えず、片眼は0.03程度 1級 文字はルーペで読める。大きい文字ならある程度読める。点字も使う。
2. 鉄道の利用状況について JR総武線、営団丸ノ内線荻窪駅 荻窪駅〜千葉駅、荻窪駅〜新宿駅 ほぼ毎日
3. 外出前(外出計画時)の情報入手方法等について ・初めて行く場所では、携帯で時間や運賃が調べられるので、子供に調べてもらっている。
4. 鉄道利用時(平常時)の情報入手方法等について  
(1)駅構内(改札口付近) ・全然知らない駅では、人に聞くしかない。
・点字付きの案内板がどこに設置されているのかわからない。
(2)ホーム上 ・少し見ることができるので、ホームでのドアの位置は下の表示を見ると分かるが、はっきりしている場合は良いが、薄くなっているとわからない。
・ドアの真ん中に並んでいると、電車から下りる人とぶつかってしまうので危ない。秋葉原の駅はドアの左右に並ぶようになっているので良いと思う。
・大きい駅では放送で行き先も案内しているが、「上り電車が来ます」と言うだけで行き先を言わないので困る。
・階段の縁の部分を目立たせて欲しい。
(3)車両内 ・やはり車内放送が一番頼りである。
・車内放送の音が小さくて聞こえない時がある。機械放送の方がはっきりしていると思う。
5. 鉄道トラブル発生時(異常時)の情報入手方法等について ・やはり駅員のアナウンスが一番頼りである。
6. 総合的な評価について ・トイレの位置は、点字ブロックで誘導している所が多いと思うが、男子と女子の表示を分かりやすく弱視でも見えるようにしてほしい。
・トイレで水を流す時のボタンの位置がどこへ言ってもまちまちなので困っている。間違えて非常ボタンを押してしまう事があるので、統一したらいいのではないかと思う。
 
視覚障害者ヒアリング【16】
ヒアリング実施日 H14.11.6
属性 年齢 52
性別
1. 障害の状況等について 先天性視覚障害、片眼は光程度
2. 鉄道の利用状況について JR総武線、営団丸ノ内線荻窪駅 荻窪駅〜高田馬場駅 ほぼ毎日 荻窪駅〜阿佐ヶ谷・高円寺駅、荻窪駅〜新宿駅、荻窪駅〜立川駅・八王子駅
3. 外出前(外出計画時)の情報入手方法等について ・初めて行く場所ではその近くの友人・知人に尋ねたりしている。
・子供に携帯で確認してもらっている。
・駅に電話して確認しようとしても、つながらないことが多い。駅員自体少ないということもあると思う。
・携帯電話について、視覚障害者にも簡単に情報入手ができるような機種が早く出来ればいいと思う。文字で出るのであればそれを音声化すればいいわけで、そうすれば人に聞いたりせず自分の意思で確認して行動を起こせる。
4. 鉄道利用時(平常時)の情報入手方法等について  
(1)駅構内(改札口付近) ・有人改札ではチャイムが鳴っているので、それが一つの目安になる。
・小さい駅であれば改札口や券売機などは比較的探しやすいが、大きな駅では位置がわかりにくい。
・駅構内でたくさんブロックがある場合に、どのブロックに伝って行けばどこに出るかが分からないので、分岐点等で音声で情報を案内して欲しい。
・券売機やトイレの位置などは、音でわかるようにして欲しい。小型の発信器のようなものを携帯して、近づくと音声やチャイムで知らせてくれるようなシステムがあると良い。
・目に見える表示では、いろいろな情報が提供されていると思うが、それと同じ情報を音声等でも案内してくれると良いと思う。
(2)ホーム上 ・以前に比べると、ホームでの案内放送の内容は充実してきたと思う。
・駅によっては電車が接近していることを音で知らせてくれるところが増えてきており、良い方法だと思う。
・ホームで何か知りたいと思っても、ホーム上にあまり駅員がいないので、周りの人に聞くしかないが、聞いても快く答えてくれる人もいれば迷惑がる人もいるので、そういう点ではホームで困ったときの情報を得るのは非常に難しい。
・ホーム上での移動が一番怖いので、安全に移動できるように何とかしてもらいたいという要望を出しているが、最近点字ブロックの内側に線ブロックを1本ひこうという話が出ているそうなので、もし実現してくれれば非常に助かると思う。
(3)車両内 ・やはり車内放送が頼りである。
・何か事故が起きたり車両が止まった時こそ、乗務員の方は何が起きてどうして電車が止まっているのか、いつ頃電車が出発するのかという状況をきちんと提供する義務があると思う。
・車内放送は、乗務員によって非常に丁寧で音量も明確な方もいれば、駅名だけさらっと言うだけで音量も小さい場合もあって、様々である。
・東京は全国から多くの人が出てきて、表示が見える方だけとは限らないので、放送が唯一の頼りになる。
・特に初めて行くところでは耳をそばだてて自分の降りる駅を聞いている。
・機械でセッティングしておけば間違いなくどの電車に乗っても情報提供してくれるのではないか。
・乗務員には、お客様にきちんと情報を提供するということを忘れないで職務としてやってほしいと思う。
・出来れば1両に1箇所ぐらいドアの出入口を確認できる点字ブロックを設置してほしい。
5. 鉄道トラブル発生時(異常時)の情報入手方法等について ・事故でダイヤが乱れると機械放送は一切だめになってしまうので、そういう時こそ、乗務員がちゃんと情報を提供して欲しいと思う。
6. 総合的な評価について  







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