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撮影:昭和50年
 
 
撮影:昭和50年
 
 
 昭和40年以後、全国的にFRP(強化プラスチック)船が普及しました。泊でも昭和57年頃からFRP船が普及し、木造船は徐々に減少しています。しかし、荒い岩礁での漁は、船底が岩にあたるため、丈夫な木造船の方が向いていて、古くなった木造船をFRPで補修して使っている人もいます。
 丸木船のほかに、カッコ(ムダマハギ型漁船)、シマイハギ型漁船などの木造船が使われ、ワカメ、コンブ、アワビなどを、長い柄のついた漁具でとったり、カレイ、油目、ソイの一本釣りが行なわれます。普通、船には一人で乗り、船の操船、採取を器用に行ない、たくさんの船がところせましと漁をしました。
 
 
撮影:昭和50年
 
 
 泊の沿岸は岩礁が多く、磯漁をするのに木造船が向き、その中でも丸木舟が一番使い勝手がよいといわれます。
 丸木舟の利点は、一本の木をそのままくりぬいているので厚くて丈夫であり、荒い岩に船底があたっても耐えられること、重いので波や風に流されず、漁をするときに同じ場所で安定すること、また船の片側から身を乗り出して漁をする時に体重に合わせて船が傾むくため、長時間漁をしていても疲れにくいことなどがあげられます。







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