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第3回 里山体験セミナー ご案内
里山整備とソーセージ・ハム作りに挑戦!
 
 里山体験セミナー(4回連続)は、前回はビッグイベントだったピザ窯作りを真夏の暑さに負けず、全員で協力して見事に完成させました。秋の第3回は、三良坂の山の上を開拓・開墾し、手作りの家を建て、さまざまな家畜や動物を飼い、大変ユニークな生き方を展開されている山本泰章さん・睦美さんご夫妻を迎えて、下記のように行います。お二人はご自分の家や、山を多くの人に開放し、事前や動物に触れることで、色々疲れている人たちを癒す機会を提供しておられます。特に引きこもりや不登校の子ども達・障害を持つ人たちを暖かく迎え入れ、みんなに愛されるスペースを見事に創り出しておられます。お二人の生き方から多くを学ばせていただきたいと存じます。
 山本さんは有機資料と十分な配慮ある飼育で豚を飼い、とてもおいしい豚肉を提供しておられます。その何とも美味な肉を存分に使ってソーセージやハム作りにみんなで挑戦したいと存じます。夜には囲炉裏を囲んでじっくりお話を聞き、語り合いたいと思います。開発教育のワークショップも楽しみましょう。
 共生庵の裏山の里山整備にも汗を流し、下草刈りや、雑木の除伐体験もしていただきます。自然の精気を一杯もらい、元気になりましょう。山から丸太を担ぎ下ろし、薪割りをしてピザ窯でのピザ焼きや、風呂たきにも使用して、エネルギーの循環型生活の一端も味わってみましょう。
 おもに引きこもり・不登校の子どもたちやその両親のご参加をお待ちしています。今回も日本財団の助成事業としてさせていただきます。
 
◆とき:11月10日(土)14:00−11日(日)15:00 ◆会場:共生庵とその里山
◆費用:5000円(1泊3食) ◆定員:20名(先着順)
◆講師:山本泰章さん・山木睦実さん (農家・豚飼育)
◆持ち物:防寒着・寝間着・シーツ・作業着・長靴・作業手袋・帽子・筆記用具
 食べ物・飲み物などの差し入れは大歓迎です。
 
★参加申し込み:11月5日(月)までに共生庵へ電話かFAXでどうぞ! Tel&Fax 0824−52−7038
問い合わせは:お気軽に共生庵までどうぞ! 電子メールでも受け付けます。juntaro@enjoy.ne.jp
 
◆プログラム
時聞 3月2日(土) 時間 3月3日(日)
14:00 集合・受付・登録 7:30 起床
オリエンテーション
15:00 里山整備作業 裏山へ 8:00 朝食(食後・麦踏み作業)
下草刈り・除伐・枝打ち
16:30 ハーブティでひと休み 9:00 開発教育ワークショップ
シイタケ苗打ち 「人生の切り札」
17:00 再度、ソーセージ作りに挑戦 KERU CARDを使って
それを燻製にしてみよう! ハーブティでブレイク
17:30 薪割り→薪で風呂焚き 10:00 里山整備作業 裏山ヘ
18:30 囲炉裏を囲んで 夕食 11:00 ソバ打ちに挑戦
薪ストーブ歓談 ピザを薪で焼こう!
20:00 講師:中岡和己さんを囲んで 12:00 ランチパーティ
「今一番必要なこと」
22:30 入浴・就寝 13:00 春野菜の畝作り
ジャガイモの種芋植え付け
14:00 まとめのセッション
15:00 散会
 
 
第3回里山体験セミナー 報告
★日時:2001年11月10日(土)14:00〜11日(日)15:00
★会場:共生庵および里山・農園
 
1. プログラム:案内状のプログラムに沿って行われた。
(1)裏山での里山体験(枝打ち・除伐・下草刈り)
(2)ソーセージ作りと燻製に挑戦
(3)裏山から持ち帰った丸太で「薪割り体験」
(4)薪での風呂焚き体験
(5)囲炉裏を囲んで講師から講演を聞く その後ディスカッション
(6)農体験「落花生の掘り起こしと乾燥」
(7)開発教育ワークショップ「私のせいじゃない」
(8)薪窯でのピザ焼きに挑戦
 
2. 参加者:大人16名 大学生1名 高校生2名 中学生2名 幼児2名 総計23名
 
3. 講演:山本泰章さん「色々な人との出会いから」要約 報告
 気取らない気さくな講師は、まとまった講演という形を避けられ、囲炉裏端での自由な雰囲気の中でとつとつと語られた。神戸から農業を志して、何カ所かの土地をめぐりながら最終的に求められた庄原市の現在地に至るまでの経緯を語られた。現在は豚を飼育して生計を立てている。土地を分けていただいた隣家が、牧場であったため、最初は山の頂上に何もなく木を沢山植え、自分たちの住む家を手作りで建てた。広大な牧場あとに、現在は池もある自然豊かな環境の中で豚舎・鶏舎・牧場・住居・倉庫などが立ち並ぶ。
 ポニー・牛・鶏・豚・犬等の動物や家畜が飼われており、これらとのふれあいの中で癒される思いを持つ人たちが次々と訪ねてくるようになった。特に同じ思いを持つ、スイス村の木原信行さんの所や中岡和己さんの指導する引きこもり・不登校の親子などが定期的に交流を持っている。その他福山市などからも障害を持つ人たちのグループが訪問してくる。
 そういう人たちを受け入れる中で「自分たちは何もしていないのですよ」と謙虚に言われる、そのお人柄や、奥さまを含めた生き方を見るとき、多くの方をあの山の上まで惹きつけていくのだろうと感じた。
 ソーセージ作りを通して「安全でおいしい豚肉」の作り方や有機農産物の話まで、身の回りの身近な問題を具体的にわかりやすく、豊かな経験を通して語っていただき、一同多くを学ぶことが出来た。
 
4.ワークショップ
 二日目の朝食後には、開発教育ワークショップを暖かい日差しのもと屋外でグループ討議を中心に行った。
 教材はレイフ・クリスチャンソン著「わたしのせいじゃない」(岩崎書店)という絵本である。14人の登場人物が、なぜか泣いている子どもの前でそれぞれに「わたしのせいじゃない」と言い訳するというものである。二人でペアになって、配られたそれらのカード2−3枚ずつを手にして、たとえば「泣いている男の子なんて最低よ。おもしろくない子なのよ」等という背景にはどんな心理的な心の動きがあるのか、先ずマイナス要因から考えた。「無関心・切り捨て・恐怖・自己中心・攻撃」などの相手への配慮に欠けた心を探り出した。みんなが意識的に・無意識的に抱いている心の内のマイナス要因を色々な角度から浮かび上がらせた。次に「プラスのストローク」として、どんな言葉の投げかけをしたらその子は慰められ、力づけられ、立ち上がることが出来るだろうかということを考えた。「そうだったの。ごめんね知らなかったの」「君だけが悪いんじゃないんだよ」「どうしたの。お話ししてくれない?」「一緒に先生の所へ行こう」などの言葉かけを14通り違う表現ですることが目標だが、これがなかなか出来ない。普段からプラス要因を身につけ、優しく思いやりのある表現をあまりしない日本人の特性のようなものが現れ、みんな苦労した。
 これらの学びから、引きこもりや不登校になってしまっている人たちへの思いを共有することが少し出来たのではないだろうか。
 
5. 参加者の感想。
◆また新たな出会いがあった。それぞれの人生をあゆんでこられた初対面の方と、瞬く間に旧来の知り合いのごとくうち解けることが出来る。これは何故だろう。みんなこよなく自然を愛し、地球を愛している仲間だからだろう。わずか2日間の短い時間だったけれど、濃密な時間を共有し、多々気づきがあった。また財産が積み上げられた。小さな出会いから大きな広がりが起き、自然と共生する仲間のネットワークが活性化することを心から願う。次回も是非参加させていただきたい。
◆2日間お世話になりました。大学と家の行き来のみという単調な毎日、また何をやっているのか分からないけれど、ひどく忙しい日々に嫌気がさして少し休養と言う意味で参加させていただきました。実家が農家であるにもかかわらず、触れようともしなかった鍬を使っての落花生の収穫に汗を流し、そしてその後一から作ったピザのおいしかったこと!! 色々なお話を伺うことが出来て楽しかったです。
◆山には入って久しぶりにいい汗かきました。山から下りたときのハーブティとケーキのおいしかったこと。共生庵はいつ来ても心が和みます。そして食べ物がおいしいです。ソーセージ作りも楽しかったです。もっと沢山作りたかった。おいしい空気・おいしい食べ物・そして荒川先生ご夫妻の暖かいお人柄にひかれて、また来たくなるところです。このたびの里山セミナーでまた新しい出会いがあったことも嬉しいです。
◆ここに来るのは5回目ですが、お会いするたびに自然のありがたさを身にしみて感じます。2日間楽しい出会いをありがとうございました。色々な角度から先生のご活躍を記念しています。また不登校や引きこもりのことで相談に乗っていただくことがあろうかと思いますが、その時はよろしくお願いいたします。
◆この2日間突然におじゃまして申し訳ありませんでした。参加者の皆さんと同じものを見て、同じものを食べて、同じように先生のお話を聞き、今、正直に感動しています。またカメラを通してみて参加者の皆さんの表情や行動が見る見る明るくそして活発になって行くのを感じ、人生って何だろう、人の心ってものすごくデリケートなものなんだと新たに分かり、そして考えさせられました。NEWSではその皆さんの本当は明るく芯の強い心を表現できればと思っています。ここの星空があまりにきれいで、涙が出そうでした。感動しました。本当にありがとうございました。
◆今回1泊2日短い時間なのに、色んな事を体験させてもらい、とても楽しく充実した時を過ごすことが出来ました。ありがとうございます。近くて便利な所なのに、田舎を感じられ気持ちが穏やかになりました。荒川先生のすべて者・物・モノへの奉仕の心を少しは学んで帰りたいです。そして奥さんの内助にも感心しました。カメラ取材、押しつけがましくなくて、自然で良かったです。皆さんとまたご一緒できれば嬉しいです。
◆おせわになりました。会社に戻って番組の構成を考えます。おもしろいモノがいろいろあったのでテープがすべて無くなりました。先生の考えは広がっていくと思います。がんばってください。それではまた来ます。ありがとうございました。
◆先ずここに来て沢山の生き物や植物に触れて大いに感動しました。それから無理に話をさせようとしない姿勢が良かったと思いました。最後まであまり話をしなくてすみません。食事もおいしかったです。
◆心地よい疲れがハーブ茶で取れました。うまく表現できませんが、畑仕事は情的なモノだけでは不可能ですね。腰を治さねば。
 
6.テレビの取材と報道
 広島ホームテレビ報道部が、今回の2日間のセミナーを取材したいとの申し出がありましたので了解しました。最初に参加者の方々にお断りとディレクターからの挨拶と説明をしてもらいました。プログラムに支障を来すことなく上手に取材活動をされました。これは後に11月19日夕刻に広島ホームテレビ「げっきんLIVE」で約10分にまとめられたものとして放映された。
 
 







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