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第2回里山体験セミナー ご案内 8/16−18
<ピザ窯作り、里山・農・自然体験>
 
 共生庵では、土や野菜などに触れたり、それを食する「農体験」や、豊かな「自然」の中に身を置き、そこから学び癒される「里山体験」通して、自分の生き方を探していく「場」とそのための「プログラム」の提供をしています。この度、日本財団の環境保全・美化に関する事業の助成を受けて、年間4回にわたり「里山体験セミナー」を企画しました。第1回(5/9−20)には、少人数ながら小学2年生から学生、社会人まで幅広い人たちとゆっくり里山整備・ワークショップ・話し合いなどをし、とても豊かな時を過ごしました。第2回は里山・農体験」と共に、本格的な「ピザ窯」を製作することに挑戦します。講師には森林保全等に関して有名な中川重年さんをお招きし、ピザ窯作りのノウハウから、里山整備やその楽しみ方などをしっかり学びます。期間中に完成させ、今年収穫した小麦粉と我家のハーブや野菜で、みんなでピザ作りを楽しみます。ティームを組んでピザ焼きのコンテストをしたいと企画しています。どなたでもご参加下さい。特に学校に行かない子どもや引きこもりの子どもやご家族のご参加をお待ちしています。
 
◆とき:2001年8月16日(木)14:00〜18日(土)15:00
◆会場 共生庵(広島県双三郡三和町敷名126 電話・FAX 0824−52−7038
◆締切り 8月10日 (地図などお問い合わせはFAX か メールでご一報ください)
◆費用 2泊3日(2泊6食付き)8000円 1泊2日(3食付き)4000円
◆持参品 着替え・パジャマ・帽子・長靴・タオル・自分用のマグカップとお箸
シーツ(車でお出でになる方は是非ご持参下さい)作業用服装・靴・軍手他差入れ大歓迎(飲み物・果物・お菓子・おつまみ等々)
◆プログラム
 
8月 16日(木) 17日(金) 18日(土)
6:30   起床 起床
7:00 朝食 朝食
8:00 グループに分かれて グループに分かれて
 (1)農作業  (1)農作業
 (2)里山整備作業  (2)里山整備作業
10:00 ピザ窯作り 作業(2) ピザ窯作り 最終作業(5)
12:00 昼食 ピザ窯完成式
昼食 初窯で
ピザ焼きコンテスト
13:00   ピザ窯作り作業(3) 振り返り・話し合い
14:00 集合・受付・登録 ハーブティでプ休憩 閉会式 記念撮影
14:30 挨拶・オリエンテーション ワークショップ(2)
15:00 自己紹介・相互理解 ピザ窯作り作業(4) 解散
ワークショップ(1)
16:00 ピザ窯作り作業(1) 薪割り・風呂焚き・入浴
17:30 薪割り・風呂焚き・入浴
18:30 夕食・交流会 夕食・交流会
20:00 焚き火を囲んで
話し合い 講演「里山から学ぶ人生」
22:00 星座観察 他 講師:中川重年さん
就寝 (神奈川県環境保全センター専門研究員)
 
主催・問い合わせ
共生庵 地球市民共育塾 荒川奈津江 荒川純太郎
〒729−6702 広島県双三郡三和町敷名126
TEL&FAX 0824−52−7038 E-Mail  juntaro@enjoy.ne.jp
 
第2回里山体験セミナー 報告
日時:2001年8月16日(木)14:00〜18日(土)15:00
会場:共生庵および里山・農園 (2泊3日)
 
1. プログラム: 案内状のプログラムに沿って行われた。
(1)裏山での里山体験(枝打ち・除伐・下草刈り)
(2)ピザ窯作り作業5回
(3)裏山から持ち帰った丸太で「薪割り体験」
(4)薪での風呂焚き体験
(5)囲炉裏を囲んで講師から講演を聞くその後ディスカッション
(6)農作業 草抜きと野菜採り
(7)開発教育ワークショップ「4つの窓の自己紹介」
(8)星座観察
(9)薪窯でのピザ焼きに挑戦
(10)アルプホルンの演奏
 
2. 参加者: 大人17名 自動車整備専門学校生1名 中学生2名 小学生3名
総計 23名 延べ3日間42人
 
3. 講演: 中川重年さん「里山から学ぶ」要約 報告
 神奈川県環境保全センター専門研究員として里山管理についての専門家である中川さんからは、「里山から学ぶ」と題して語っていただいた。大変豊富な学術的知識と驚くほどの様々な経験を持たれる中川さんの口からは、とどまることを知らない興味深いお話が次から次へと飛び出してくる。これは単に座ってきっちりお話を聞くという講演の時だけではなく、作業中、食事中などいつも聞くことが出来たものである。具体的には身近な里山から、海外における森林保全の実状などに至るまで、心を引きつけられながら実に多くの事を学んだ。3日間が終わって散会するときにも、参加者から「もっと聞きたかった」と言う感想が出たほどである。
 講演だけでなく、ピザ窯の製作過程で見るアウトドア術のノウハウにも、驚くことが多く、沢山の生活の知恵や環境への配慮された業を学ぶことが出来た。また急斜面に生えて育つ根曲がり材のスギやヒノキの間伐材で製作されるアルプホルンの演奏も聴くことが出来た。これは彼が日本で初めて広めたものである。根曲がり材はどんなに立派な太いものでも材としての価値はないと切り捨てられる。それをリサイクルして森林ボランティア活動に遊びやうるおいを取り込もうと言うものであった。現在は全国でアルプホルンを作って演奏するグループや個人が生まれているが、本場スイスに出かけて作り方や演奏方法を学び、ヨーデルのコーラスグループなどを招いて交流を図っている人物は彼をおいてはいない。そのプロ並みの演奏にみんな酔いしれた。
 
4.ピザ窯作り作業
 真夏の酷暑の中、本当に3日間で完成するのであろうか、との不安を抱きつつ、みんなで協力して手がけた。全員本当に良くやったといえるほど、大活躍して二日目の夕方には大方出来上がってしまった。先ず、物置になっていたコーナーの様々なものを移動させて1.5m×3m位のスペースを確保した。そこに作業がしやすいようにと、腰のあたりまで土台を築き上げるのに一日かかってしまった。幸いにも共生庵の庭にはあちこちに大小の適当な石がごろごろしているので、その材料には事欠かなかった。土台が出来ると耐火煉瓦を水に浸し、セメントで固めながら丸いドーム型の窯を作っていった。最終的にせり上がった天井は鉄板で覆いをすることにした。しかしこれは、高熱では反ってしまい、窯にひびを入らせてしまうので、いずれ大谷石で作り直す必要がある。耐火煉瓦の側面や天井部分に粘土と砂とセメントを混ぜたものをしっかりこすりつけながら厚い壁を作っていった。饅頭型の窯に入り口を煉瓦でアーチ型で据えつけると、結構な様になってきた。
 準備段階でこの作業に取りかかるまでに、資材の準備や土台の設定などに多くの方々の協力があった。鉄板と耐火煉瓦の斡旋・注文・搬入には御調町の一藤ご夫妻。その上に塗り固める粘土質の土の提供と搬入には豊栄町の森住さん。様々な器材を調達してくださったのは三和町の宗綱さん。講師の中川さんの的確な指示に従いながら次々と作業を進めた。試行錯誤を重ねて2日目の夕方に完成間近な姿を見せた窯は、なかなか素晴らしいものとなった。思いの外早くできあがったので、窯のすぐ側にピザの上にトッピングするハーブを育てる、ミニハーブガーデンを手がけた。そこにPIZAAという看板を立てた。また新しい窯の上にはドイツ語で「Mit Leben」(共に生きる)「共生窯」の木製看板を掛け、その周辺にはタマネギ、ニンニク、小麦の穂などをつるして飾りとした。翌日あらためてみると、なかなかの出来映えで、講師の中川さんにも満足をいただくことが出来た。せっかくうまくできたので、粘土が自然乾燥するのを待って火入れをしようと言うことになった。従って3日目のピザパーティには臨時の簡易ピザ窯で焼くことにした。
 
5. 参加者の感想
◆ピザ窯を作ったり、自然とふれあう貴重な体験をさせてもらいました。先生達もとても明るくて、すごく楽しかったです。
◆川があったり、山があったり、カエル、魚などが一杯いてすごく楽しかった。のんびり出来ました。また乾燥して時のピザ窯で、ピザを焼きたいので、また来ます。
◆今回もまた非常に貴重な体験をさせていただきました。この夏一番の想い出になりました。本当にありがとうございました。
◆前回の時は心にゆとりがありませんでしたが、今回はゆったりと楽しむことが出来ました。とても嬉しく思っています。ピザ窯・・・それも本格的なずーっと残るもの。来られる人たちにきっと感動を与えることでしょう。制作者の一人としても感動でした。本当に来て良かった。新しい友にも巡り会えました。
◆一度は訪ねたかった共生庵。やみつきになりそう。あまり労働力にはならなかったですが、ピザ窯が完成して充実感一杯の3日間でした。ありがとうございました。
◆ピザ窯作り・・・どんな風にするのか好奇心一杯で参加しました。こんなに素敵な窯が出来るなんて、最高に充実した時を過ごさせてもらい、嬉しかったです。中川先生の里山の話も、もっといろんな話が聞きたいと願っています。今回の2泊3日は本当に楽しかったし、新しい友との出会いもありました。
 
 
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