日本財団 図書館


星野 崇委員(関東ブロック代表者)
1. 地域里親会のこれからの活動指針について
 地域里親会活動は、特に最近のように難しい子どもたちが急増している中、里親各個人の力量では限界があるので、これまで以上に研修等を通して自己研鑚に努め、資質向上を図る。また、隣接する地域で里親を小グループ化し、それぞれを一つの単位として組織化し、具体的な行動を通して成果を挙げられるように工夫して行きたい。
○地域で存在感のある組織とするためには、母子愛育会や青少年育成団体等の福祉諸団体や専門家との連携をも深め、それぞれに役割を分担しながら子育ての支援をして行く中で里親会の存在を位置付けて行く。
 
2. 新しい制度を視野に入れての里親制度の改善策と展望等について
○各都県市の立場に差があり、要求などもまちまちであるので、それぞれの実情に即した運用が必要である。地域の自主性が求められている。
○しかし、意識統一は必要であると考えているので、基本的な基準については大まかに示して欲しい。今回、里親の最低基準が定められたが、現状に即して考えると未だ十分とは言えない。生活水準や生活費等をも考慮しながら実情に合った運用が望まれる。
 
3. その他
 全国里親会の活動については必ずしも高い評価ばかりではなく、役員、事務局の構成、予算の使い方や全国大会、里親読本の内容などに対して理解し難い面があるという意見が当ブロックではかなり多い。もっと現場の里親の立場に立ち、一人一人の悩みや訴えを反映して行けるような会であってほしい。
 
竹内 重富委員(東海・北陸ブロック代表者)
 里親制度も長い長い年月を経て、ようやく日の目を見る時が巡ってきた感があります。
 特に50年の節目と云うことは、これは非常に意義があろうと思います。それだけに今後の里親活動の展開が注目されます。
 
1. 里親元年の年としての位置づけ
 50年目の新しい出発の年として、今年を里親元年と位置づける。元年である故に元にかえって出発点の所信を顧みて、本当に里親制度というものは里親の為にあるのでなく里子の為にある制度であるという原点を今一度ふりかえる必要がある。
 ややもすれば組織運営に重点を置いて、里子の幸せをどこまで真剣に考えているかどうか。
 
2. 里親としてのアイデンティティの確立
 50年という節目を通し、里親として一人一人の自覚と反省が必要である。里親として今何をなすべきか、又どうあるべきか、里親の将来像を考えているか・・・。
 
3. 里親手当の増額要求は止め据置きにしてそのかわり里親開拓、促進事業を大幅に推進して戴きたい。
 財政厳しい折から公務員も人事院勧告により、賃金カットが打出されている昨今です。我々里親も、手当が充分だから里子を育てられるとは云えない。むしろ心の問題である。健全なる養育は決して豊かな財源が必要とは云えません。相互扶助の精神で、今はいたみわけの時ではないだろうか。
 
4. 里親促進事業に於て、地方新聞を活用することの必要性
 過日の理事会に於て、山梨きづなの会の関戸氏の発言にて、地方新聞にて取上げて貰いシリーズ物で掲載され、非常に有効であったということを聞き、私も最速地元の福井新聞社にかけあい事の由を告げたが、最初は全く関心がうすかったが、2回3回と運ぶうちに関心度も高まり、又山梨日々新聞の資料も提供し、折しもテレビにても里親関係の番組が放映される等、援護射撃もあって近々取材して頂く運びとなった事も心強い事である。
 
荒堀 喜代蔵委員(近畿ブロック代表者)
1. 地域里親会のこれからの活動指針について
(1)里親制度が変わり、里親の養育が社会的に認められるようになってきているが地方自治体においては未だに里親制度や活動について十二分の認知をされていない面が有る。これは毎年の全国大会の出席状況によって明らかである。政府から各自治体に対して重点的に指導されたい旨要望する。
(2)里子を健全に育成する為に行政と連携し活動を公のものにして研修会の有り方を研究、工夫し養育技術の研鑚に努める。
 
2. 新しい制度を視野に入れての里親制度の改善策と展望等について
(1)既存の里親さん達の現在までの業績を正確に評価し里親の児童福祉法に里親の規定条項を定めてこれからの里親を明確に位置付ける。
(2)里親の倫理綱領を設け、各人の自覚を促すと共に里親会の健全な運営を目指す。
(3)専門里親の研修が学科が多くこれは現在の日本の学歴崇拝社会の現われであって(独活(ウド)の大木柱にならぬ)と云う諺(コトワザ)の通りで実用には適さない。それよりも長期に亘り養育して来た実績のある優良里親で受講を希望される方を選んでほしい。
(4)現在未委託里親の多い理由には子供家庭センターの考え方に大きな原因があるように思われる。委託を希望している里親さんに対する偏見が問題のように思われる。
(5)親権の問題に各種方面から検討し改革して里親に養育し易くなる方策を講じられたい。
 
3. その他
 里親選考審議委員会の有り方について現在大阪府においては審議委員会には里親の代表が参加できません。この様な事で里親開拓が実りません。里親になりたい希望者であっても最初の段階の子供家庭センターの里親担当者やその上司の段階で偏見が妨害して審議会に書類提出の処まで至らず、そのような考え方や空気が審議会に迄行っているような気がします。我々里親は審議会の蚊帳の外です。この点を改めて里親の代表が審議会に参加させて戴く事によって様子が変わると思います。これは大阪だけでなく全国的に実施されるよう政府からの御指導を通達して戴きたいとお願いいたします。
 
田中 重義委員(中国ブロック代表者 松田美代子の代理)
1. 地域里親のこれからの活動指針について
 児童や幼児の家庭擁護の柱である里親制度の効果的な運営と、受託養育の積極的推進に努力するとともに、会員の連携調整並びに資質の向上を図り、関係機関、施設等の緊密な連携のもとに会の充実強化に努める。
(1)里親制度の普及啓発に努める。
(2)地区会への加入促進に努める。
(3)研修会の開催、ブロック研修会、関係団体との交流会等の開催に努める。
(4)北方に於ける委託促進に一層の配慮をされる様に、行政機関にも働きかける。
(5)専門里親制度を踏まえての理解と研修を行うようにしたい。
 
2. 新しい制度を視野に入れての里親制度の改善策と展望等について
 専門里親制度は、すべての養育里親の存在を前提とするもので、国及び地方公共団体は、養育里親の開拓にこれまで以上に努めることが必要である。本制度を充分に活動運用する為には、児童相談所、児童福祉施設及びその他の関係機関の連携が不可欠である。国及び地方公共団体はこの制度を周知させるための広報活動について一層の配慮をされる必要がある。
(1)専門里親の応募、研修には積極的に参加する様にしたい。
(2)若年層の里親発掘に努める。
(3)行政の立場に於いても、里親への委託をすすめられたい。
(4)里親への委託は本来一時的な養育であり、可能ならば、児童は実親のもとに戻るべきとも云える。児童相談所などによる実親への支援、指導も必要と考えられる。
 
3. その他
 中国五県のブロック研修大会は五十回を数え、里親の存在と制度の重要さを県下にアピールする好機として開催に努力したい。
 
井上 久美子委員(四国ブロック代表者)
1. 地域里親会のこれからの活動指針について
 当県においての現里親登録は30件で委託児童が7件、養子縁組成立・手続き中が4件、このところ、委託児が僅かながらも増加しつつあるというのが現状です。
 里親会も事務局におんぶに抱っこと言う状態が現実です。
(1)里親会の自立・成長するための研修の積み重ね
 里親相互の親睦を密にし、事務局のスタッフの負担を軽減、里親相互で児童養育の手助け、相互間で1日でも2日でもレスパイト的ケアができればと話し合ったこともあるが、そこまでいってないのが現実。
(2)里親相互間の支援充実
 養子希望の里親は成立後に退会のケースが多く困難です。
 常々考えることは、養子、養育どちらにせよ、子どもが幸せになるのであればどちらでも良いことである。里親自身が養子希望であっても、養育里親として子どもが自分で選択できるまで養育すること、また、複数の児童を養育していく。
(3)養育里親優先、脱養子里親
(4)養子縁組の親側の一方的決定でなく、子どもからの選択
 家の後継ぎの意識から、社会に貢献の意識改革:今、困っている子どもを援助する。自分の財力、名誉、職業等をもって子育て支援をする。社会的に養育機能低下の今、施設、事務局、関連機関等と連携して、医師、教師、良識ある家庭、実子とともに育てられる余裕をもつ者等に里親制度のアピールと依頼をしてこれらの方に社会的貢献に尽くして貰う。
(5)里親の質のレベルアップと拡張
 施設で養育の必要な子どもの実親の「養育はしないが、里子には出したくない」養育拒否をしながら、里親に依頼拒否。
 線引きが困難かもしれないが、何か制約を設け、家庭養育の必要性を認識させる。
(6)家庭養育の重要性の認識
 我が里親会では、今年初めて試みた事があります。遅まきながら、例年の里親・里子の集いを開くにあたり、児童の委託数も少なく、未委託里親も参加が減少だったので、事務局に無理をお願いして、施設の幼児とのふれあいの中で今までの机上での研修ではなく、親体験をしながら学んではと言うことで、施設の職員と幼児・事務局スタッフ・里親・近隣の子ども・元里子とその子ども・一般ボランティア等で楽しく、意義あるひと時を持ちました。子どもと向かい合い、短時間ながらも学ぶところが多かった。
(7)施設・関連機関・里親と連携し、地域との交流の中で里親制度の拡充
 また、四国ブロックとして互いに情報交換、里親としての向上と活性化に向けて、4県の代表が会合を持つ。
(8)ブロックとして模範里親紹介、激励、表彰
 
2. 新しい制度を視野にいれての里親制度の改善策と展望等について
 まず、現登録里親が、制度そのものを認識し、研修、研鑚を重ねることの必要性を感じている。四国ブロックとして中央から学識者、専門スタッフを招き、講習を受け、里親自身が専門里親の器を備え、待機する。これと平行して制度の意義を一般社会に広く知らせる。
 
3. その他
 渥美会長がいつも私たちに里親にお勧めくださる
・自分のためでなく、助けを必要としている子どもを援助したい。
・子どもが好きで手を差し伸べたい。
・養育し、地域社会に還元。
・社会的意義のある仕事がしたい。
 この精神を基に、無条件の愛をもって子どもを育て支援できますことを祈念しつつ







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION