日本財団 図書館


今月の詩(7)平成十五年度全国吟詠コンクール指定吟題から
【幼年・少年・青年の部】(続絶句編)(7)
春の花を尋ぬ 菅三品
 
 
《大意》まだ余寒が残る初春に梅の花を見つけ、その花が南側の枝についていることから、「春は東方から」という常識に対しユーモアをもって詠った詩。五嶺に連なる山々は、蒼くそびえ、その上を白い雲がゆったりと行き来している。その中にあって、大庚嶺の万株の梅の木々が花をつけていることに心ひかれる。誰がいったのであろうか、春(の景色)は東方からやってくるなどと。これらの梅の花は露も暖かな南の枝から咲きはじめているのに。
 
【一般一部・二部・三部】(続絶句編)(7)
彦山 広瀬淡窓
 
 
《大意》朝まだき、彦山の山頂あたりは山気がたちこめて、もやにさえぎられてぼんやりとかすんで、よく見えない。やがて日が昇るにつれてもやが晴れ、やっと梢の先に社殿がはっきりと見えはじめてくる。先ほどまで多くの修行者が集まっていた社殿のほとりも、日暮れとともに人影は失せ果て、護摩や香の煙は三つの峰に分かれてゆき、雲となって漂っているように見える。
(解説など詳細は財団発行「吟剣詩舞道漢詩集」をご覧ください)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION