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吟剣詩舞だより
四十年の節目を祝う福島詩吟会が記念大会
 日本吟道応月流福島詩吟会(笠原応月会長)の創立四十周年記念大会が昨年十一月十六日、福島市飯坂町の摺上亭大島で開かれ、会員が日頃の練習の成果を披露しながら節目の年を祝った。
 同会は昭和三十八年に発足、約七十名が所属し、本大会には招待者を含め百五十名が出席。会員の構成吟「四季」を披露のあと式典に移り、笠原会長が「これからも吟道の普及と吟剣詩舞の発展に尽くしたい」とあいさつした。式典の後県内外の招待による詩吟を堂々と披露して記念大会に華を添えた。
(福島民報より)
 
会員一同で「富士山」を合吟
 
“吟剣詩舞夢舞台”ふたの会第一回公演
 斯道界二世宗家の有志で結成している「ふたの会」では、長年の夢でありました旗揚げ公演を福祉チャリティー第一回ふたの会公演“吟剣詩舞夢舞台”と銘打ち、十二月十四日(土)財団本部をはじめ北九州市教育委員会、西日本新聞社等ご後援の下、北九州市八幡市民会館に於いて上演させていただきました。
 結成当初は各人が先代(親代)の布いた軌跡を一門と共に宗家継嗣の責任において一心不乱に会の隆盛と斯道発展のための努力をする中で、二代宗家たちが語り合う集いであったように記憶しております。
 「ふたの会」の斯道発展のためのあくなき追求と研鑽は今後も変わりはありませんが、二十一世紀を迎えた我が国の現況は、まさに憂国日本であります。
 そこでこの度の第一回公演は第一部和漢名詩選「微睡み(まどろみ)」を、第二部では企画構成番組「薄桜の季」・・・時節柄を考慮し、かつ日本人の心の原点である、歴史に名高い赤穂義士の忠誠心をテーマにとり往時の浪士たちの心情を蘇らせるべくの発表となりました。
 師走には希な晴天に恵まれた午後一時の開演には、千五百の客席が満席となり斯道健在を目の当たりにし、感謝と感動の内の開幕となりました。
 公演のご批評は入場者のお心にお任せするとして、閉幕後の談では舞台の流れと共に涙を払うことも忘れたという客席、「我われはやはり日本人・・・」という感想が多く、また出演者である私たちも幕が下りるまで客席との不思議な一体感を覚えつつ演ずることができ、事件後三百年という記念の年に赤穂義士の忠誠心を蘇らせるに十分だったと自負しています。
 今後も一層斯道を以て、すばらしい大和心、力強い日本精神を若い世代に伝えていく責務を痛感致しております。なお当日入場料の一部を福祉チャリティーとして贈呈させていただきました。
 最後に、師走ご繁多の中をご来場くださいました皆々様に心よりお礼申し上げます。有難うございました。
(北川哲水記)
 
討入りの一場面
 
近畿少壮吟士研修会報告
 近畿少壮吟士会平成十四年度の最終研修会が昨年十二月二十八日(土)大阪市天王寺区のマルサビルで行なわれた。暮れも押し迫った多忙な日でありながら二十三名出席のもと熱気あふれる研修会となった。
 先ず始めに近畿少壮吟士会会長増田鵬泉吟士が挨拶に立ち、「箕輪緑崇前会長の後を受け重責を感じながらも皆の協力を得てその責務を全うしたい」との決意を述べたあと、「財団から公認を受けて初めて少壮吟士として出演した時に大変誇りを感じた、お互いにあの時の気持ちを忘れる事なく財団に恩返しが出来るよう精進していこう」との挨拶に続いて、少壮吟士OBとして箕輪緑崇氏が挨拶に立ち、ノーベル賞受賞者の小柴昌俊博士の『若者達よ、大きな夢を抱いて自分に悔いのない人生を生きよう』また、田中耕一さんの『価値ある発見は誰にでも出来る』との言葉を引用して「財団から少壮吟士として選ばれた我われは現役もOBも心を合わせて研究努力をし、斯道発展のために力を尽くして行こう」と述べられたあと実地研修に移った。
 研修では大木詠岳・岸本快伸・田中摂洋・池田菖黎・松野春秀・北村嶂泉・吉村鷹洲・木村岳尚吟士らがモデルとなり、少壮吟士夏季特別研修会で学んだことや、それぞれが研究したことなどを本に真剣かつ熱心に時間の経つのも忘れて研修が進められた。研修の最後は平成十四年度で定年を迎える佐々木一景吟士が閉会の挨拶に立ち、二十五年間少壮吟士として財団でお世話になった感慨を述べると共に、定年になっても少壮吟士としての気概を大切に精進し、斯界発展のため微力を尽くしたいと述べ研修会の幕を閉じた。
 このあと忘年会に移り和気藹々の盛宴となったが、誰一人カラオケを歌う者はなく最後まで賑やかな詩吟談義に花が咲いた。(実行委員記)







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