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 第二部は本部企画構成吟剣詩舞「日本の山岳−二〇〇二国際山岳年に寄せて−」が披露されました。鳥取県では昭和四十年五月九日、県下西伯郡大山町で第十六回全国植樹祭が行なわれ、その時、昭和天皇が「鳥取県植樹祭」と題した御歌を詠われましたが、今回の構成番組では全国植樹祭で詠われた昭和天皇の御歌とともに、日本の山岳を詠った詩歌の数々、そして南北朝時代、後醍醐天皇の建武の中興に身命をなげうって貢献した新田義貞、楠木正成、児島高徳、菊池武時の事績を詠った詩歌を綴り、吟詠、剣舞、詩舞で味わうものでした。笹川鎮江会長もビデオ出演され、美しいお声を聞かせてくださいました。
 第三部は地元企画構成作品「因・伯の郷を明日に告げる」と題して行なわれました。内容は因幡、伯者の歴史について多くの偉人、傑人が詩歌を残していますが、それらの先人への思いを吟剣詩舞で表現したもので、また故郷への思いを二十一世紀に伝えるために、心を込めて演じられました。なかでも、プロローグの川崎りずむ・たいそうめいと・チャイルド級の小さなみなさんによる「大黒さま」はとても愛らしく、会場から特に大きな拍手を受けていました。熱吟、熱演が続いた第三部でしたが、エピローグで出演者全員が舞台に揃うと、会場から割れんばかりの拍手が起こりました。
 そして、第十八回開催の山形県へ、河田神泉会長職務代行副会長の手から吟詠剣詩舞道祭旗が引き継がれ、大谷鯉丈寿さんが、感激の言葉とともに閉会を告げられ、第十七回全国吟詠剣詩舞道祭は成功のうちに幕を下ろしました。来年も期待通りの充実した舞台が見られることを確信しています。
 
山岡翆山、田畑水姫、菅岳椿、北村嶂泉四氏の吟詠、杉浦容楓氏とその社中の皆さんの詩舞で「近江八景」(大江敬香作)
 
「利尻富士」(米森澄羽作)を吟じる林鳳俊氏と、これを舞う榊原靜慧氏とその社中の皆さん
 
長山祝子さんの吟詠、原歩さんの詩舞で「越中覧古」(李白作)
 
地元企画番組、「和歌・あらたしき」(大伴家持作)を吟じる春菜翔桂氏と、これを舞う川崎鯉豊永氏ら四氏
 
地元企画構成作品のスタートを飾った、少女たちによる「大黒様」
    







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