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平成十四年度全国剣詩舞コンクール決勝大会
■平成14年9月8日(日) ■笹川記念会館国際ホール
財団創立三十五年目の、節目の大会にふさわしい白熱の舞台
 財団創立35年、全国剣詩舞コンクール決勝大会が開催されて25回目の大会となる本コンクールには、例年になく高い関心が寄せられ、それに応えるかのような熱のこもった決勝大会となりました。
 
財団を代表して挨拶する河田神泉副会長
 
 まず開会の挨拶を鈴木吟亮専務理事が行ない、財団挨拶では河田神泉副会長が「財団創立三十五周年の年。素晴らしい演技を、芸術を表現して欲しいし、期待しています」と挨拶されました。大会実施要項の説明、審査員紹介とつづき、舞台は決勝大会へと移りました。
 本大会は全国各地の予選を勝ち抜いてきた演技者総数百三十名(内一名欠場)が晴れの栄冠をつかむために、日頃の精進の成果を発揮、素晴らしい舞台が続きました。とくに幼年の部、少年の部共に剣詩舞のレベルの向上を感じさせる内容で、青年の部、一般一部・二部も良く鍛えられた演舞を披露してくれました。これは本人の努力もさることながら、指導者の甚大なご努力があってのことだと思われます。
 幼年、少年、青年の部の結果発表は、午後の一般一部の審査前に行なわれました。剣舞幼年の部の優勝は「爾霊山」を舞った桜井京子さん(愛知)、少年の部は同じく「爾霊山」を演じた大野晶子さん(愛知)、青年の部は「赤壁」の多田和晃さん(大阪)でした。詩舞幼年の部は「佳賓好主」を舞った鈴木恵美子さん(岡山)、少年の部は同じく「佳賓好主」の長岡加奈さん(岡山)、青年の部は「漢江」の石渡千紘さん(愛知)が見事優勝に輝きました。
 全ての審査が終了すると、石川健次郎先生から審査講評がありました。内容は次のようなものでした。
コンクールの審査ポイントは演技力が一番だが、振り付けの良さ(作品の良さ)がなければ完成度は低い。
ある地域は完成度があるが、ある地域はそれが低い。地域差があるのだろうか。
作品の解釈は時代と共に変わる。作品の狙いがスマートに表現されているか。今回、中国の刀を使った作品があったが、日本刀でないものが出る違和感を覚えるかもしれない。しかし、これからは、そうしたものに対する深い理解も必要である。
着付けの問題として、二の腕が出る人がいるが、これは美しくない。
詩舞で扇子を横笛に見立てるとき、横笛の持ち方になっていない人がいる。もう少し神経を使って欲しい。
など、なかなか厳しい講評が話されました。
 つづいて、一般一部と二部の優勝者が発表され、剣舞の一般一部では「和歌・返らじと」の新藤正代さん(兵庫)で、一般二部は同じ「和歌・返らじと」の稲垣和子さん(愛知)でした。詩舞は一部が「青葉の笛」の今脇眞弓さん(岡山)、二部が「青葉の笛」の山名千鶴子さん(兵庫)でした。
 各優勝者に表彰状、トロフィーなどが手渡され、会場から大きな拍手が起こると、それまでの緊張感が解けたのか、演技者の顔も笑顔になりました。財団創立三十五年、第二十五回目の節目となる決勝大会も成功のうちに終わり、来年からも引き続きコンクールが展開されますが、今度はどんな才能が登場するのか楽しみです。
 
真剣な演技が続くコンクール舞台
 
審査結果を発表する入倉昭星総合審査委員長。後列は大会役員、審査員諸氏
 
優勝トロフィーを受ける剣舞青年の部、多田和晃さん
 
平成十四年度 全国剣詩舞コンクール入賞者
順 位 氏 名 所 属
【(文)は文部科学大臣奨励賞】
「剣舞」幼年の部
優勝(文) 桜井京子 愛知
二位 曾我部海人 兵庫
三位 渡辺泉月 岡山
「剣舞」少年の部
優勝(文) 大野晶子 愛知
二位 長坂理絵 愛知
三位 藤野綾 福岡
四位 浦野佳奈 兵庫
五位 中岡由紀代 京都
「剣舞」青年の部
優勝(文) 多田和晃 大阪
二位 伊藤明 愛知
三位 坂井瑠里 岡山
四位 近藤聡司 愛知
五位 石田泰範 大分
「剣舞」一般一部
優勝 新藤正代 兵庫
二位 西原香 兵庫
三位 藤野代志乃 福岡
四位 鈴木文枝 愛知
五位 伊藤志げの 愛知
「剣舞」一般二部
優勝 稲垣和子 愛知
二位 玉田朝子 兵庫
三位 山口昭智 兵庫
四位 岩元秋男 大阪
五位 小久保恵子 愛知
「詩舞」幼年の部
優勝 鈴木恵美子 岡山
二位 服部怜海 愛知
三位 山本純子 大分
「詩舞」少年の部
優勝 長岡加奈 岡山
二位 松本典子 愛知
三位 尾嶋美紀 愛知
四位 田邉文 兵庫
五位 高岡美恵 岡山
六位 原田恵実 神奈川
七位 真鍋典子 香川
「詩舞」青年の部
優勝 石渡千紘 愛知
二位 長坂恵里子 愛知
三位 田邉小泉 兵庫
四位 佐治亜有子 京都
五位 伊藤修司 愛知
六位 宇高由貴 岡山
七位 尾曲七保子 山梨
「詩舞」一般一部
優勝(文) 今脇眞弓 岡山
二位 佐々木まなみ 京都
三位 増田真理 大阪
四位 渡邊祐子 静岡
五位 甲本美恵子 岡山
六位 鈴木育代 愛知
七位 西川ひろ子 京都
「詩舞」一般二部
優勝(文) 山名千鶴子 兵庫
二位 今和泉靜子 広島
三位 笹野和子 兵庫
四位 古田里子 静岡
五位 寺尾恵子 兵庫
六位 中根たつ子 愛知
七位 廣瀬都子 大阪







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