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25. ニューオーリンズMarine Safety Officeは、交通監視能力を向上するための暫定的ニーズを特定するために、規制航海水域内の機器と制御システムの調査を実施すべきである。このような機能向上はできる限り早期に実施すべきである。

措置:この勧告に部分的に賛同する。管区司令官および港長は、組織的なリスク評価プログラムの一環として、可航水路管理ツールの機材状況と有効性を定期的に評価する必要がある。機能に問題があることが判明した部品があれば、それを明らかにして修理または交換を行う。1998年には、ニューオーリンズ地域に海上交通サービス(VTS)の設置が開始される。これは、港湾および水路の安全システムを港に初めて設置する事例となる。
 
26. ニューオーリンズMarine Safety Officeは、ニューオーリンズ港内で乗務員を乗せたまま係留されているすべての一般船舶に対し、船舶の等級ごとに避難基準を設けるために、船舶の避難手順を見直すべきである。

措置
:沿岸警備隊管区司令官は規制航海水域の規制を発布する権限がある。かねてより、当該勧告を沿岸警備隊第八管区司令官に委ね、適切な対策を講じるよう求めている。沿岸警備隊第八管区司令官は、1997年10月30日にミシシッピ川下流の規制航海水域に対する暫定最終規制を出した。さらに沿岸警備隊は、すでに実施されている緊急対応計画の任意訓練の継続、積載量の大きい全ての客船に対する緊急対応計画の作成と訓練の奨励を行い、全国的に対処する。さらに、規則制定案の事前通知を行って緊急対応計画の効果と内容に関する意見を一般から募り、また、港長およびグループ司令官向けガイダンスを別途作成して客船のリスク分析を行い、そして業界との協力関係努力を継続する。
 
27. 全米水先人協会は、クレセント・リバー・ポート水先人協会のメンバーが使用している情報カードシステムに基づいて、メンバーの水先人が情報の検索と更新ができるように地方からのアクセスが可能な、全国規模のコンピューター・システムを開発することが奨励されるべきである。
 
28. ミシシッピ川の各水先人協会は、沿岸警備隊と協力し、水先人が船長に提供して重要な航行情報の交換が容易にできるよう、できれば多くの外国語で書かれた情報カードを作成し、発行すべきである。

措置:勧告27および28の意図に賛同する。沿岸警備隊は、船長と水先人が継続的に情報交換システムの改善を行うよう奨励する。現在全米水先人協会(APA)では、メンバーの協力を得て船長・水先人間の標準情報交換システムを作成している。本報告書のコピー1部を資料として、またそのような活動に利用するために、全米水先人協会およびその他の水先人協会へ提供する。
 
29. ニューオーリンズ港湾委員会、または船主は、Queen of New Orleans号を深喫水船から衝突されにくい場所に移動することを考慮すべきである。
 
30. 第29勧告を出す代わりに、ニューオーリンズ港湾委員会および陸軍工兵隊は、深喫水船による衝突の防御策として、Queens of New Orleans号およびCreole Queen号の係留箇所の下部およびその近辺の標準水深を、容認できる最小の水準にまで下げることの有効性を評価すべきである。

措置:本報告書のコピー1部を資料として、また適切と考える対策を立てるために、ニューオーリンズ港湾委員会および陸軍工兵隊に提供する。
 
31. 舶用工業界は、沿岸警備隊と協力して、ミシシッピ川のような河川の操業環境において、トラクター曳航船を補助船舶として使用することの有効性に関する比較分析/テストを実施することを考慮すべきである。

措置:この勧告に賛同する。米国沿岸警備隊は、ピュージェット湾、プリンス・ウィリアム湾、サンフランシスコ湾などにおいて最近行われた運航不能船/エスコート用曳航船に関するいくつかの調査に参加している。これらの調査は、州当局、港湾当局、タンカー会社、曳航船会社、環境保護団体、沿岸警備隊、その他の現地利益団体によって構成される地域安全委員会の主導により実施された。沿岸警備隊は、ニューオーリンズのような河川港のための地域安全調査グループヘの参加を今後とも継続する所存である。
 
32. 本報告書のコピー1部を資料として、また適切と考える対策を立てるために、リベリア政府に送るべきである。
 
33. 本報告書のコピー1部を資料として、また適切と考える対策を立てるために、国際海事機関とDNV(ノルウェー船級協会)に備えるべきである。
 
34. 本報告書のコピー1部を資料として、また適切と考える対策を立てるために、Clearsky Shipping社(Bright Field船主)とCOSCO(中国遠洋運輸総公司China Ocean Shipping Company)社は備えるべきである。
 
35. 本報告書のコピー1部を資料として、また適切と考える対策を立てるために、ニューオーリンズMarine Safety Officeに備えるべきである。
 
36. 本報告書のコピー1部を資料として、また適切と考える対策を立てるために、全米水先人協会、水先人委員会、クレセント市港水先人協会(Crescent City Port Pilot Association)、ニューオーリンズ/バトンルージュ汽船水先人協会、ルイジアナ州連邦水先人・入渠長連盟(Associated Federal Pilots and Docking Masters of Louisiana)、ブランチ・パイロット連盟(Associated Branch Pilots)に備えるべきである。
 
37. 本報告書のコピー1部を資料として、また適切と考える対策を立てるために、国際船級協会連合に備えるべきである。
 
38. 本報告書のコピー1部を、舶用工業業界に広く普及し、整備が不適切なエンジニアリング・システムの危険について認識し、この事故の教訓を学び、その教訓を自らの安全プログラムや安全運動に取り入れることを奨励すべきである。

措置
:勧告32から38までの勧告に同意する。報告書のコピーを勧告に従って配布する。
 
39. この調査を終了することを勧告する。

措置
:賛同する。この調査を終了する。







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