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IV 
北九州港を核とした海上貨物輸送と鉄道貨物輸送の連携の期待される将来像
1. 国内鉄道輸送のメリットを最大限に生かした海陸一貫輸送システムの確立
*北九州貨物ターミナル駅を拠点として鉄道による海上コンテナのスムーズな積み替え、輸送体制や円滑・柔軟な受注体制を整備することにより、海上コンテナの国内輸送を鉄道で行う海陸一貫輸送システムを確立する。
 
*これにより、貨物のタイプや事情に応じて、低コストで信頼性の高いメリットを持つ鉄道を適宜利用することができる環境を整え、選択の多様性を向上し、北九州港の魅力を高める。
 
2. 九州・山口と中国・韓国を結ぶ迅速な複合一貫輸送システムの構築
*地理的優位性を生かし、釜山港との海上貨物輸送と国内鉄道の迅速な連携により、航空貨物輸送に準ずる迅速性と、大幅なコスト優位性を有する複合一貫輸送サービスを構築する。同様に、中国港湾との間にも、新たなフェリー航路や、より高速な船舶の投入などにより、高頻度で時間的にも優位性の高い複合一貫輸送システムを構築する。
 
*これにより、韓国、中国との輸出入において時間制約が高い貨物の集荷力が強化され、北九州港の集荷対象が拡大する。
 
3. チャイナランドブリッジのゲートウェイの形成
*日本への積極的なセールス姿勢を見せている中国側フォワーダーや中国鉄道当局との間に、密接な連携体制を構築することによって、他の中枢港湾との差別化を図り、独自性の高い輸送ルートを確立する。
 
*既存のFAZ機能との連携を図り、さらに将来的にはひびきコンテナターミナル周辺の企業用地エリアヘの新たなインセンティブゾーンの設定等を関係機関に働きかけるなど、輸出入取引面での結節性向上の取り組みを併せて進めることにより、総合的な東アジアの国際流通拠点の形成を図る。
 
4. 日中レール・シー・レール輸送ルートの形成
*日本国内輸送に鉄道を利用し、海上輸送を経由してチャイナランドブリッジを利用して中国内陸部や中央アジアに至る、低コストで信頼性の高いレール・シー・レールによる国際複合一貫輸送サービスを一括して提供する体制を確立する。







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