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九州地方整備局 港湾空港部 海と空のコーナー
 
「みなと」―くらしと地域の力の泉(いずみ)
〜佐賀から世界へ/世界から佐賀へ〜
国土交通省 九州地方整備局 唐津港湾工事事務所
 
 経済のボーダレス化、我が国社会の成熟化、地球環境間題の顕在化、IT革命の進展など、我が国をとりまく経済社会情勢が大きく変化する中にあって、人々が豊かで安心して暮らせる生活を実現するために、港湾への要望も多様化してきています。国際的には、発展著しい東アジア等との間で人、物、情報の交流がより早く、より確実に、そしてますます活発化してきており、それぞれの地域が直接的に海外と結びついた、重層的な交流を支える基盤整備が求められ、国内的には交流を核とした、地域の自立と連携を深め、活力ある地域づくりを支える基盤整備が求められています。
 身近な要請としては、生活水準の向上、余暇時間の増加によって地域の人々が憩い、楽しめるウォーターフロントの整備や、海洋レクレーション機能の充実、また、地球にやさしく生き物にやさしい環境づくりにも大きな期待が寄せられています。
 
県北・三国際流通の拠点・・・伊万里港
 伊万里港は、水深が深く波静かな天然の良港で、江戸時代には肥前陶磁器「伊万里焼」がヨーロッパ各国に輸出される等、アジア、ヨーロッパの窓口として重要な役割を果たしてきました。
 現在では、大規模な工業用地、コンテナターミナル、公共埠頭の整備が行われ、県北の生産・物流の一大拠点として一層の発展が期待されています。また、伊万里湾の東西を結ぶ臨港道路は国の直轄事業として整備中であり、伊万里湾大橋は地域のシンボルとして完成が待たれています。
 
 
コンテナ急増!国際物流拠点を目指して―七ツ島地区―
 伊万里港でのコンテナ取扱貨物のほとんどは、この七ツ島コンテナターミナルで取り扱われています。平成9年4月、釜山港(韓国)との週2便のコンテナ定期航路が開設されて以来、コンテナ貨物の取扱量は着実に伸びており、年間2万本(九州第五位)を扱っています。
 更に、七ツ島工業団地には造船、セメント、鉄鋼関連等の企業が進出していて、泊地・航路の確保、公共埠頭の整備により、国際貿易港として更なる発展が期待され、また貨物船の大型化、コンテナ埠頭の狭隘化する中、大型岸壁の早期整備が待たれています。
 
木材の一大集積港を目指して―久原北地区―
 ここは、昭和40年代から木材港として開発が進められ、現在も輸入された原木や製材品の集散拠点として賑わいを見せています。
 
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 また、かつては石炭のみの輸出でしたが、現在ではロシア、中国、インドネシアから輸入された石炭を、佐賀県内の製紙工場の燃料として供給する役割も果たしています。
 
利便性抜群の工業分譲地―久原南地区―
 地域振興整備公団により造成された伊万里団地には、公共埠頭を完備し、海上輸送には絶好の工業団地で、現在、水産・食品関連企業が立地し、九州の拠点工場としての操業が始まっています。
 また、伊万里湾に面した特質を活かした佐賀大学の海洋エネルギーセンターの建設が検討されています。
 
伊万里湾の新しいシンボル―久原〜瀬戸地区―
 伊万里港臨港道路は伊万里湾によって東西に別れている久原地区と瀬戸地区を結ぶ約3kmの道路で、国の直轄事業として整備中です。この臨港道路整備により東西に分散している伊万里港の港湾機能の 一体化が図られ、物流・生産・海洋性レクリエーション等の港湾活動が一層活性化し地域の振興が図られるものと期待されています。
 また、両岸をつなぐ全長651mの伊万里湾大橋は九州最大級のアーチ橋で、地域の新しいシンボルとしても期待が大きく早期完成が望まれています。
 
○世紀を超えて・・・唐津港
 唐津港は、玄界灘に面した静穏な港で、古くから朝鮮半島や大陸との交易で栄えており、「唐の津」と呼ばれてきました。
 開港して110年を超え、明治以降は石炭の積出港として、大正時代には外国貿易の拠点として発展しました。
 現在では、公共埠頭や工業用地も完成し、電力、石油、水産関連企業が進出する等、佐賀県北部の流通及び経済の拠点として重要な役割を担っています。
 
 
鮮度が売物―水産埠頭地区―
 唐津港は、西日本でも有数の水揚げ高を誇っており、通称青物と呼ばれるアジ、サバ、イワシはここで水揚げされています。
 また、朝の3時30分からセリが始まり、セリ落とされた生鮮魚は隣接した水産加工工場や小売店に直送されます。
 
豊かな親水空間を目指して―東港地区―
 唐津港の玄関とも言えるこの埠頭は、砂、セメント等の建設資材が取り扱われています。今後は、壱岐との間のフェリー埠頭、国際・国内観光の基盤施設としての旅客船埠頭や広場や水路等のウォーターフロント整備事業との進展により、人が集まり、憩い・にぎわう空間の形成が期待されています。
 
エネルギーの供給埠頭―大島地区―
 唐津港最大のドルフィンを持つLPG船専用埠頭や、ガソリン、軽油等の石油製品、砂・砂利を扱う埠頭があり、ここから石油製品はタンクローリー車、砂・砂利はダンプトラック等に積み替えられ九州西部地域へと運ばれて行きます。
 
海洋性レクリエーションエリア―西ノ浜地区―
 ヨット等が約40隻収容できる海洋レクリエーション施設(I期工事)が完成し、平成2年にはヨットの操船技術が学べる佐賀県ヨットハーバーがオープンしました。アトランタオリンピック銀メダリストの重・木下さんもここを拠点とする玄海セーリングクラブに所属しています。
 また、唐津城から西側に広がる西の浜は、昭和40年頃から浸食が進んだため、離岸堤、養浜事業により、かつての美しい海浜がよみがえり、海水浴場として賑わいを見せています。
 
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○地域に根ざして・・・
 唐津港湾工事事務所は、昭和18年11月唐津炭田の積出港として整備する目的で唐津市妙見に設置された運輸通信省第四港湾建設部唐津修築事務所が始まりで、その後、組織変更を繰返し、現在に至っています。
 伊万里港関係では昭和23年〜27年まで石炭積み出し埠頭を整備する目的で伊万里港久原地区に伊万里港工事事務所を設置しました。昭和47年には木材物資別専門埠頭を整備する目的で伊万里市山代町下場に唐津港工事事務所伊万里分室を設置。平成2年9月には、直轄事業として3度目となる伊万里港事務所を開設、これは、昭和63年、伊万里港久原地区と対岸の瀬戸地区の港湾貨物の流動を円滑にするための、伊万里湾大橋及び臨港道路の建設が計画されたためで、平成7年3月伊万里市二里町八谷搦に現庁舎を新築しました。
 呼子港においても避難泊地の拡張を目的とした加部島防波堤を整備するため、昭和61年〜平成4年呼子詰所を佐賀県東松浦郡大字殿の浦に設置しました。
 平成13年1月6日、中央省庁の再編に伴い、国土交通省九州地方整備局唐津港湾工事事務所となりました。当事務所はこのように、半世紀を超える歴史を有しており、「国民の、安全で豊かな暮らしを支えるみなとづくり」をめざして、地域の力の源泉となる港湾整備に取り組んでいます。今後とも新世紀港湾ビジョンを基本目標として透明性を有し、効率的で、海洋環境にも十分配慮した新しいみなとづくりを推進していきます。







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