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2003/05/01 読売新聞朝刊
2005年にパレスチナ国家樹立 中東和平へ米が行程表を提示
 
 【ワシントン=永田和男】米政府は三十日、イスラエル・パレスチナ紛争の最終的な解決を目指し、二〇〇五年末までにパレスチナ国家を樹立してイスラエルと平和共存させる道筋を示した「ロードマップ」(行程表)をイスラエルとパレスチナ自治政府に正式に提示した。ロードマップは駐イスラエル米大使がシャロン首相の自宅を訪ねて手渡した後、自治政府のアッバス新首相にも届けられた。パウエル米国務長官は今月八日からの中東歴訪でイスラエル、パレスチナ双方を訪ねる予定で、イラク戦争でフセイン体制を排除したブッシュ政権が、戦争で高まった中東での反米感情にも配慮、中東問題の核心であるパレスチナ紛争解決に本腰を入れる姿勢をアピールするものだ。
 ロードマップは中東和平に取り組む米国とロシア、欧州連合(EU)、国連の「四者協議」で昨年末までにほぼ内容が固まっていたが、テロ反対を明言するアッバス首相の内閣が正式発足したのを受けて当事者に提示された。
 具体的には<1>二〇〇〇年九月以来続くイスラエル、パレスチナ間の暴力停止と信頼醸成<2>二〇〇三年末までにパレスチナ暫定国家樹立<3>エルサレムの帰属やイスラエルとパレスチナの境界画定、難民問題などを巡る交渉を経て二〇〇五年にパレスチナ国家樹立――の三段階に分けられ、各段階でパレスチナ、イスラエル、「四者」、周辺アラブ諸国の義務が細かく規定されている。<関連記事7面>
 
 
 
 
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