2.1.3 国外の観測情報
国際プロジェクト以外の国外の観測情報について、主として表2.9に示すホームページ上を検索・調査した。これらのホームページには、各機関の観測情報等が掲載されていた。なお、表中には、インベントリー情報が公開されておりそれをデータ化したもの、データが公開されているホームページなどを区分し、表中に○で示した。
ホームページから収集可能であったインベントリー情報は、ロシアの太平洋海洋研究所(POI)、極東水理研究所(FERHRI)及びアメリカの海軍研究本部(ONR)であった。ロシアのインベントリー情報は、古くは1952年以降から情報があり、POI及びFERHRI併せて462件を抽出した。アメリカのONRでは、主として第II期CREAMSにおける観測情報が公開されており、中にはアルゴスブイなどのデータが公表されているページも存在した。
一方、韓国においては、韓国海洋科学委員会(KOC)の関連機関である国立水産振興院(NFRDI)、国立海洋調査院(NORI)、海洋警察庁(NMPA)、国立海洋研究所(KORDI)、韓国資源研究所(KIGAM)等が海洋観測を行っている(海上保安庁海洋情報部「JODCニュース」No.61)。その中にあって、韓国国立水産振興院が1981年から韓国海洋データセンター(KODC)の業務を担当している。韓国の沿岸定線観測のデータは、このホームページ上で1961年以降の各層観測、1933年以降の沿岸地点の表層水温データが公表されていた。
なお、上記のホームページからはインベントリー情報は検出できなかった。従って、韓国については、前述した国際プロジェクトで収集したWESTPAC、CSKにおけるインベントリー情報の収集にとどまっている。
中国については、ホームページ上でデータ公開されているらしいが、一般にはアクセスは不可能であった。
表2.9 国外の海洋観測機関のホームページ調査状況
注: |
「−」は、当該サイトで情報もしくはデータが公開されていなかったことを示す。 |
2.2 文献調査
日本海に関する文献調査を行った結果、表2.10に示す文献について抽出した。
論文数は、日本海に関する研究論文である。従って、これらは日本海における海洋観測の記述がないものも含まれている。収集した文献については巻末の 付表−1に示す文献リストを作成した。
この中で比較的最近の研究成果としては、Journal of Oceanographyのvol.55−No.2(1999)にCREAMSの特集が組まれ、21編の論文が掲載されている。
表2.10 日本海に関する文献調査結果
文献名 |
号 |
年 |
論文数 |
日本海洋学会誌
(Journal of the Oceanographical Society of Japan) |
Vol.33−Vol.47 |
1977−1991 |
8 |
Journal of Oceanography |
Vol.48−Vol.58 |
1992−2002 |
56 |
海の研究 |
第1巻第1号−第11巻第6号 |
1991−2002 |
6 |
海と空 |
第1巻第1号−第78巻第2号 |
1921−2002 |
67 |
月刊 海洋(海洋科学) |
VOL.1,No.1−VOL.39,No.9 |
1969−2000 |
57 |
La mer うみ |
第1巻−第37巻 |
1963−1999 |
20 |
沿岸海洋研究
(沿岸海洋研究ノート) |
第1巻第1号−第40巻第1号 |
1962−2002 |
14 |
Journal of the Oceanographical Society of Korea |
|
5 |
その他(Journal of Physical Oceanography、Journal of
Geophysical Research、水産海洋研究等) |
|
30 |
日本海洋学会大会講演要旨集 |
1984−2002 |
187 |
合 計 |
450 |
|
2.3 データ収集
収集データとしては、今のところ以下のものが挙げられる。
(1) |
日本海洋データセンター(JODC)のOnline−Data(J−DOSS)
(JODCで所有するデータについてはデータ収集作業は行わない) |
(2) |
米国国立海洋データセンター(NODC)のWOD2001(World Ocean DataBase 2001) |
(3) |
韓国国立海洋データセンター(KODC)のホームページ上の沿岸定線公開データ
(上記に収録されていないデータ) |
(4) |
日本水路協会海洋情報研究センター(MIRC)のMODS2001 |
(5) |
海上保安庁のADCPデータ |
(6) |
日本水路協会海洋情報研究センター(MIRC)の係留系データセット |
表2.2に示したように、国際プロジェクトに関しては、データは日本海洋データセンターが所有するデータ(上記の(1))がほとんどを占める。
一方、(2)のWOD2001は、ロシア、韓国のデータも含まれている。(3)のデータについては、(2)に含まれていないものをホームページ上からダウンロードし入手している。
なお、参考として、図2.2にJODCのデータベースから各層観測データの観測方法について韓国、ロシア、アメリカの国別に検索した結果を示す。これを見ると、ロシア及びアメリカにより日本海のほぼ全域に渡って観測実績があることがわかる。
1960〜1990年
(36°N、128°E)−(45°N、140°E)
Map Information |
Data Amount: |
47358 |
Latitude: |
|
|
N 36.00.00 -> N 38.26.48 |
Longitude: |
|
|
E 128.33.28 -> E 134.22.47 |
|
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1991〜2000年
(36°N、128°E)−(45°N、140°E)
Map Information |
Data Amount: |
2706 |
Latitude: |
|
|
N 36.04.36 -> N 39.09.59 |
Longitude: |
|
|
E 128.37.22 -> E 134.48.18 |
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図2.2(1)JODCのデータベースに収録されている観測点(韓国)
Map Information |
Data Amount: |
26014 |
Latitude: |
|
|
N 32.00.00 -> N 54.00.00 |
Longitude: |
|
|
E 125.00.00 -> E 142.00.00 |
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図2.2(2)JODCのデータベースに収録されている観測点(ロシア)
Map Information |
Data Amount: |
21781 |
Latitude: |
|
|
N 32.00.00 -> N 48.49.47 |
Longitude: |
|
|
E 125.00.00 -> E 142.00.00 |
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図2.2(3)JODCのデータベースに収録されている観測点(アメリカ)
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