第1章 研究の概要
1.1 研究の目的
日本海は、特異な現象である深層水生成が最近殆ど行われなくなった。一方、海洋汚染が中深層まで及んでいるとの指摘もあり、国内及び国際的にも関心がもたれ、海水流動、諸種の汚染物資、生物現象等について活発な観測・研究が行われているものの新しく得られた情報・データは、研究者が個別に或いは各種プロジェクト別に、保有されたままになっているのが現状である。そこで、過去数十年間に及ぶ情報・データを収集・整理・分析して提供することにより日本海の環境変動を明らかにし、今後の環境保全・海難防止に資することを目的とする。
1.2 研究の概要
本研究は、3ヵ年計画で過去約50年間に行われた日本海についての国内外の観測・研究報告書、文献等の所在情報調査と現在までの情報・データ及び属性情報の収集・整理をした後、日本海の海域特性、経年変化など海況、環境変動を把握するための基本的な統計解析、各種図表化処理を施す。一方、基データと関連事項等との相互参照が可能かつ容易なデータベースを設計構築して組み込む。また、オンラインデータ検索表示システムを設計開発して各分野の多数のユーザ等からの広範囲な利用、活用を図る。
初年度である平成14年度は、下記項目について研究を実施した。
(1)国内外の資料収集・整理
過去50年間に行われた日本海全体に関する海洋観測・研究プロジェクトを調査し報告書、関連論文及びデータを収集・整理・分類する。
(2)属性情報付加
収集した資料に対する属性情報を付加する。特にデータ収集が困難なプロジェクトは所在情報等を重点的に収集付加する。
(3)データベース基本設計
収集・属性情報を付加したデータ・資料を一元管理し、効率よく総合参照が可能なデータベースの基本設計を行う。
研究対象海域を図1.1に、研究のフローを図1.2に示す。
図1.1 研究対象海域
(拡大画面:162KB) |
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図1.2 平成14年度の研究のフロー
1.3 委員会等
1.3.1 委員会の構成
下記の方々により構成し、ご指導、ご審議をいただいた。
(敬称略、順序不同) |
氏名 |
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所属 |
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委員長 |
川辺 正樹 |
東京大学 海洋研究所 助教授 |
委 員 |
尹 宗煥 |
九州大学 応用力学研究所 教授 |
関係官庁 |
柴山 信行 |
海上保安庁海洋情報部 |
海洋情報課長(平成14年度から海洋情報部 以下同じ) |
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中村 啓美 |
海上保安庁海洋情報部 |
技術・国際課 海洋研究室 上席研究官 |
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谷 幸男 |
海上保安庁海洋情報部 |
環境調査課 |
主任環境調査官 |
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佐藤 敏 |
海上保安庁海洋情報部 |
海洋情報課 |
上席海洋情報官 |
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豊嶋 茂 |
海上保安庁海洋情報部 |
海洋情報課 |
主任海洋情報官 |
(作業部会) |
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中村 啓美 |
海上保安庁海洋情報部 |
技術・国際課 |
海洋研究室 上席研究官 |
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工藤 宏之 |
海上保安庁海洋情報部 |
技術・国際課 |
海洋研究室 研究官 |
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谷 幸男 |
海上保安庁海洋情報部 |
環境調査課 |
主任環境調査官 |
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松本 敬三 |
海上保安庁海洋情報部 |
環境調査課 |
海洋汚染調査室環境調査官 |
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佐藤 敏 |
海上保安庁海洋情報部 |
海洋情報課 |
上席海洋情報官 |
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豊嶋 茂 |
海上保安庁海洋情報部 |
海洋情報課 |
主任海洋情報官 |
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三宅 武治 |
海上保安庁海洋情報部 |
海洋情報課 |
海洋情報官 |
事務局 |
我如古康弘 |
(財)日本水路協会 |
常務理事 |
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川鍋 元二 |
(財)日本水路協会 |
審議役・調査研究部長 |
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進林 一彦 |
(財)日本水路協会 |
調査研究部次長 |
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村井 弥亮 |
(財)日本水路協会 |
主任研究員 |
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○ |
永田 豊 |
(財)日本水路協会 |
海洋情報研究センター 所長 |
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平尾 昌義 |
(財)日本水路協会 |
海洋情報研究センター 業務企画部長 |
○ |
鈴木 亨 |
(財)日本水路協会 |
海洋情報研究センター 研究開発部長 |
委託先 |
川原 覚 |
三洋テクノマリン(株) |
環境調査部長 |
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渡辺 秀俊 |
三洋テクノマリン(株) |
環境調査部 部長 |
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山口 初代 |
三洋テクノマリン(株) |
環境調査部 課長 |
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○印は、研究指導 |
1.3.2 審議経過
平成14年6月10日 |
第1回研究委員会 |
事業計画の了承、事業実施計画書の審議・承認 |
平成14年12月3日 |
第2回研究委員会 |
事業の中間報告の審議・承認 |
平成15年2月24日 |
第3回研究委員会 |
事業の最終報告及び総括、報告書(案)の審議・承認 |
この他、平成14年5月24日、11月22日、
平成15年2月12日
計3回の作業部会を開催し、細目細部の整理・検討等を行った。
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