3.4.3 燃料噴射圧変更による性能及び排ガスの比較
図13〜図15は、噴射圧を30MPaと35Mpaに変更して運転を行った結果である。この運転では、負荷はほぼ同一になるように噴射圧35MPaの場合は噴射期間を縮めて運転を行った。噴射圧30MPaでは、噴射初期の燃料弁リフトに段差がついているが、これは、これはピエゾアクチュエータヘの開弁信号を2回に分けて入力したためである。
図15より、噴射圧が35MPaの場合にはNOX濃度は噴射圧30MPaの場合よりも高いが、効率は逆に35MPaの方が低い結果となった。これは、DMEの運転では、蒸発速度は液体燃料の場合に比べかなり速いと考えられるため、単純に燃料の噴射圧が高ければ良いというものでもなく、熱効率と NOXを最適にするような適当な噴射圧がある可能性を示唆するものとも考えられる。
3.4.2 で述べたパターンCの結果などと共に、従来の燃費と NOXとのトレードオフの関係を覆すものとして今後さらに検討すべき課題ではないかと考えられる。
DME噴射圧変更試験
図13 燃料弁リフト(負荷一定)の比較
DME噴射圧変更試験
図14 シリンダ内圧力(負荷一定)の比較
NOX及び図示熱効率の比較
図15 NOX濃度と図示熱効率(噴射期間一定)
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