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3.2 DME燃料噴射システムの調査
3.2.1 燃料噴射弁の形式
 調査を行った他のDME関連研究では、通常のディーゼル機関で使用されているボッシュ式噴射ポンプや自動噴射弁をそのまま転用して試験を行っているものが多い。しかし、この形式の燃料噴射ポンプを用いた場合には、燃料の噴射圧は噴射期間中一定に保つことは難しい。
 一方、DMEの物性は、温度・圧力で大きく変化する。このため、当該調査研究では、コモンレール方式を用いて一定の燃料噴射圧で試験を行うこととし、また、燃料噴射時期や噴射期問を簡単にしかも自由にコントロールできるよう、電子制御方式を採用した。
 
3.2.2 燃料供給用高圧ポンプおよび潤滑
 燃料供給用の高圧ポンプとしては、燃料噴射容量等の関係から、市販の自動車用コモンレール方式インジェクションポンプと空気圧によるピストン式増圧ポンプを併用して用いた。
 また、DMEは粘性が低く潤滑性も低いことから、ポンプや燃料弁の摺動部にスティック等の問題発生が予想された。そこで、当該噴射システムでは、燃焼や排ガス成分に対しては、その影響が無視できる程度の少量の潤滑油をあらかじめDMEに添加して潤滑性能を確保することとした。図3に当該試験で用いた燃料噴射システムの系統図を示す。
 
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図3 DME燃料噴射システム系統図
 
3.3 DME燃料噴射装置の設計・製作及び試験機関改造
 図4及び写真1に、本調査研究で製作した燃料噴射弁の組立断面図およびその外観、表4に当該試験に用いた試験機関の要目、写真1にその外観を示す。
 
図4 燃料噴射弁組立断面図
 
表4 試験機関主要目
形式 水冷4サイクル直噴ディーゼル機関
シリンダ数 3
シリンダ径 230mm
ストローク 380mm
定格回転数 420rpm
定格出力 150kW
 
写真1 供試機関外観







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