日本財団 図書館


3.3 机上計算による圧力/飽和温度特性の確認
1)試験要領
 R417Aボンベ(12.5kg入り)を5℃、20℃、30℃、20℃、5℃の順に温度調整し、温度と圧力を計測記録し圧力と飽和温度の関係を確認した。
ボンベから冷媒液を段階的に抜取り、上記手順を繰り返した。
 
2)試験結果
 容器内冷媒液容積比が変化しても冷媒の飽和温度は飽和液温度に相当した。 
 
(拡大画面:46KB)
図4 密閉容器内R417A液相温度とガス相圧力の関係
 
3.4 R22/R417Aの実測能力の比較分析
1)試験要領
熱量 :COP計測装置におけるブライン冷却熱量を基準に計測した。
凝縮温度CT :圧縮機吐出圧飽和温度(R417Aでは飽和液温度)を使用した。目標CTとなるよう凝縮器への冷却水流量を調整した。
蒸発温度ET :圧縮機吸入圧飽和温度(R417Aでは飽和蒸気温度)を使用した。目標ETとなるよう手動膨張弁開度を調整した。
 
2)試験結果
 R22と比較し、能力は1〜2割程度低下した。低下割合はCTが高くなるほど大きくなった。
 
(拡大画面:52KB)
図5 R417A/R22能力比較
 
注)結果は被冷却体(ブラインHFE7100)の熱量を比較した値であり、圧縮機能力を表す値ではない。
 
3.5 R22/R417Aの実測COPの比較分析
1)試験要領
圧縮機電力量 :デマンドマルチメーターで計測した。
熱量 :COP計測装置におけるブライン冷却熱量を基準に計測した。
凝縮温度CT :圧縮機吐出圧飽和温度(R417Aでは飽和液温度)を使用した。目標CTとなるよう凝縮器への冷却水流量を調整した。
蒸発温度ET :圧縮機吸入圧飽和温度(R417Aでは飽和蒸気温度)を使用した。目標ETとなるよう手動膨張弁開度を調整した。
 
2)試験結果
 ET=−30℃ではほぼ同じCOPとなったが、ETが低下するにつれR417AのCOPが低下し、ET=−70℃では最大約1割低くなった。
 
(拡大画面:47KB)
図6 R417A/R22COP比較
 
3.6 R22用温度膨張弁のR417A装置への適応状態
注)
温度膨張弁の設定は、過熱度調整ネジを回転させることによりおこなう。
今回使用した膨張弁においては、過熱度調整ネジを+方向に回転すると冷媒流量が少なくなり、一方向に回転すると冷媒流量が多くなる。以上の設定状態を本項目に挿入されている図においては、
・Fact :工場出荷時の設定
・Fact+* :工場出荷時から調整ネジを+方向に*回転した設定
・Fact−* :工場出荷時から調整ネジを−方向に*回転した設定
と表現している。
3.6.1 急激な負荷変動への追従性確認
1)試験要領
 膨張弁には負荷が急激に減少した際、冷媒流量を少なくすることにより装置の安全性を維持する働きがあるが、R22用膨張弁をそのままR417Aに使用した際も許容できる範囲で作動するかを確認した。
 
2)試験結果
 十分な負荷がある場合、過熱度を十分確保した状態で負荷を急激に減少させた場合、負荷が少ない状態で過熱度調整設定の変更により過熱度を極端に小さくした後に再度過熱度調整設定により過熱度を大きくした場合、いずれの場合についても弁機能は追従した。
 
(拡大画面:44KB)
図7 R22用温度膨張弁でのR417A運転データ1
 
3.6.2 緩やかな負荷変動への追従性確認
1)試験要領
 負荷を通常の冷凍装置の運転時に近い状態で減少させた際のR22用膨張弁の冷媒流量調整状態の確認をおこなった。
 
2)試験結果
 通常の冷凍装置の運転時に近い状態で減少させた場合についても弁機能は追従した。
 
(拡大画面:57KB)
図8 R22用温度膨張弁でのR417A運転データ2







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION